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『ブレット・トレイン』

2022年09月05日 | 映画(は行)
『ブレット・トレイン』(原題:Bullet Train)
監督:デヴィッド・リーチ
出演:ブラッド・ピット,ジョーイ・キング,アーロン・テイラー=ジョンソン,ブライアン・タイリー・ヘンリー,
   アンドリュー・小路,真田広之,マイケル・シャノン,ベニート・A・マルティネス・オカシオ,サンドラ・ブロック他
 
公開初日に109シネマズ箕面にて前述の『さかなのこ』とハシゴ。
IMAXシアターで鑑賞しました。
 
伊坂幸太郎は大好きな作家です。
本作の原作『マリアビートル』も好きでしたが、なにしろ読んだのはたぶん10年近く前。
双子の殺し屋の名前が「檸檬」と「蜜柑」だったことぐらいしか覚えていません。
その頃はまさかこうしてブラッド・ピット主演でハリウッド映画化されるとは思いもよらず。
 
あらすじを書くならとてもシンプル。
ブラピ演じる殺し屋“レディバグ”は、サンドラ・ブロック演じるマリアから容易に思える仕事を請け負う。
東京から乗り込んだ超高速列車の中で、あるブリーフケースを盗み出すだけ。
いとも簡単にブリーフケースを見つけたレディバグだけど、同列車の中に別の殺し屋も乗車していることを知る。
次の停車駅で降りるつもりが、開いたドアからまたまた別の物騒面も乗り込んできて、
レディバグはいつまで経っても列車から降りられない。さてさてどうなる!?というお話。
 
ものすごく日本を意識した映画化で、オープニングロールから日本語の嵐。
タイトルの“Bullet Train”と共に『弾丸列車』という字も表示されます。
ハリウッド映画化するなら、舞台ごとアメリカに移してもよかろうと思っていたのに、
なぜに日本が舞台のままなのだろうと訝っていましたが、これはこれでまぁ面白い。
 
日本を舞台にしておいて白人を主役にするなんて、これはホワイトウォッシングだ!と非難されてもいるそうで。
どこの国の人を主役に据えようが、どこかから何なりとクレームは入るように思います。
本作はコロナのせいで日本ロケはおこなえず、アメリカの特設スタジオで撮影されたとのこと。
日本といいながら明らかに景色は妙だし、へんてこなアクセントの日本語も多数登場しますが、
これを観てアジア人が差別されていると思いますか。私はそうは思わない。
ホワイトウォッシングの作品への出演を受けたということで、アジア人俳優まで非難を受ける。変なの。
 
蜜柑はタンジェリン、檸檬はレモン。白人と黒人の「双子」コンビも傑作。
タンジェリン役のアーロン・テイラー=ジョンソンは、何度見ても「ふた回り近く上の女性監督にロックオンされた人」のイメージが拭えません(笑)。
レモン役のブライアン・タイリー・ヘンリーは愛すべきキャラクターですね。
そしてそして真田広之。渋すぎます。変人役がいつもよく似合うマイケル・シャノンとの対決は凄絶。
 
終盤はまるで『アンストッパブル』(2010)を観ているかのよう。そりゃないわと笑ったけど。
もともとはブラピのスタントマンを務めたのが縁で彼と親しくなったというデヴィッド・リーチ監督。
いろいろ言われたとしても、スカッと娯楽作でこれからも楽しませてください。

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