夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2007年12月25日 | 映画(な行)
《な》
『夏物語』(英題:Once in a Summer)
韓国映画の王道、純愛悲恋の物語。
60歳を過ぎた今も独身を貫くソギョンは、
女子学生の憧れを一手に集める著名な元大学教授。
生涯独身なのには理由があるにちがいないと周囲は噂しているが、
それを確かめることに成功した者はいない。
テレビ局に勤める少々ドジなスジンは、
上司から怒られたさいに、はずみで無謀な企画を提案してしまう。
それはソギョンの初恋の相手を探し出そうというもの。
早速ソギョンに取材を申し込んだスジンだったが、
ソギョンは当然のことながら、何も語ろうとはしない。
しかし、スジンの熱意に負け、彼の初恋のヒントとなる1冊の本を差し出す。
その本を片手に、スジンはまずはある農村を訪れるのだが……。
誰に限らず、老けメイクというのはどうも無理がありすぎて、
受け入れがたいところがあります。
悲恋に政治的背景が絡めたのも、ちょっと無理矢理っぽい。
でも、一生の間で、たったひとりの女性を愛するという設定は、
オバサン方のハートを鷲掴み、かなぁ?

《に》
『日本以外全部沈没』
『日本沈没』も観ましたけど、んー。
じっと観ているのがアホらしくなり、掃除機をかけながら観たのでコメントできません。
今年、もっとも集中力を欠いたまま観たのが『日本沈没』かも。
アホらしさの点ではそのずっと上を行く『日本以外全部沈没』のほうが
書く気にさせられるもんなんですね。

《ぬ》《ね》《の》
ないんです、これが。
毎年苦戦する「な行」ですが、今年は特に惨敗。
ごめんなさい。

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今年観た映画50音順〈た行〉

2007年12月20日 | 映画(た行)
《た》
『タイヨウのうた』
シンガーソングライターのYUI主演。
16歳の薫は、日光に当たると命をも危うい難病患者。
窓から見えるバス停で仲間とはしゃぐ孝治に好意を寄せている。
日中は外に出られない薫は、
夜になるとギターを抱えて駅前へ出向き、自作の曲を歌う。
ある日、偶然目の前を通り過ぎた孝治のことを咄嗟に追いかけ、
好きだと告白してしまう。
お涙頂戴路線全開かと思いきや、YUIちゃんの歌声がとてもいい。
適度に重く、適度にさらりと流した拾いもの。

《ち》
『チェリーパイ』
新人女性パティシエの清原(北川景子)はスランプ中。
店の目玉商品であるチェリーパイがどうしてもうまく作れない。
尊敬し、恋心を抱いていた先輩パティシエの辻内(岡田浩暉)が
ある日突然この世を去ってしまったから。
引きずったままの清原の気持ちはどこへ向かうのか。
チェリージャムがめちゃ美味しそう。

《つ》
『ツォツイ』(原題:Tsotsi)
南アフリカ、ヨハネスブルグのスラム街。
“ツォツィ(=不良)”と呼ばれる少年とその取り巻きは、
窃盗をくり返し、ときには人殺しすらいとわない。
高級住宅街に帰宅する住人を待ち伏せしたツオツィは、
外車を運転していた女性を銃で撃ち、車を奪って逃走。
やがて後部座席から赤ん坊の声が。
置き去りにできず、周囲には内緒で、育てる決意をする。
ブラジルのスラム街の映画に匹敵する衝撃。甘さはなし。
 
《て》
『デジャヴ』(原題:Déjà Vu)
娯楽映画の帝王、ジェリー・ブラッカイマー製作。
フェリー爆破事件が発生、大勢の犠牲者が出る。
刑事のダグは、FBIに請われて捜査に協力することに。
特別捜査班で使用されるのは政府が極秘に開発した装置。
現在から4日と6時間前までさかのぼって、
過去の特定エリアの映像を再生することができる監視装置だ。
ある女性の遺体がこの事件の鍵だと考えたダグは、過去の彼女を追い始めるのだが……。
映像は一度だけしか再生できないのがミソ。
ド派手で、文句なしのおもしろさ。

《と》
『となり町戦争』
舞坂町に住む北原は、隣町の森見町の旅行会社に勤務。
ある日、舞坂町の広報紙に、隣町の森見町と戦争するとの一文が。
数日後、役場の香西という女性から、
北原が潜入捜査員の任命を受けたと連絡がある。
業務の円滑な遂行のため、香西と入籍までして森見町の住人となる。
北原に江口洋介。香西に原田知世。
偽りの結婚生活の中で、ふたりがもたれあって猫のように眠る姿が好きでした。

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2007年12月18日 | 映画(さ行)
《さ》
『サンキュー・スモーキング』(原題:Thank You for Smoking)
タバコ研究アカデミーのロビイスト(企業などが
自らの利益に沿った主張を広げるために雇う宣伝家)であるニックは、
タバコのイメージアップという大仕事を担い、
各地を飛び回って成果を上げている。
多忙で日頃なかなか一緒に過ごせない息子を出張に連れて行くのだが……。
社会を諷刺した軽快なコメディ。
ニックの喫煙シーンはいっさい出てこないのが絶妙の皮肉。
お父さん、息子に泣かされてください。

《し》
『渋谷区円山町』
渋谷区円山町のラブホテル街をモチーフにした、
女子高生が主人公の物語ふたつ。同名コミックの映画化。
ラブホ街をキャーキャー言いながらうろついていた由紀江は
臨時教師のヤマケンがラブホに入るのを目撃。
イケてないと思っていたヤマケンのことがそれ以来気になって……。
イジメに遭いつつ明るくふるまう糸井は
孤高の存在である同級生、有吉に誘われて渋谷へ出かけるが……。
ラブホ街に足を踏み入れることで、大人になった気がする女子高生。
この2本で1作にする意味はわからん。

《す》
『ストロベリーショートケイクス』
これも同名コミックの映画化。
デリヘルのアルバイト受付嬢、
その店で働く、棺桶をベッド代わりにするデリヘル嬢、
食べては嘔吐をくり返すイラストレーター、
その画家と同居する、恋愛依存症のOL。
一見まったく異なるタイプの4人の女性の日々を
巧みに繋ぎ合わせています。

《せ》
『世界最速のインディアン』(原題:The World's Fastest Indian)
こつこつと40年以上の歳月をかけて
自分のバイクの改良を続けたニュージーランド在住のバート・マンローは、
63歳にして夢だったアメリカ・ボンヌヴィル塩平原へ。
世界記録に挑戦する。実話に基づく。
悪人がひとりも出て来ません。
バートのことをうざいと思っている人も、
なんだか彼のペースに巻き込まれ、そしてみんな笑顔に。
塩平原での醍醐味とともに、人間の温かさも感じられる秀作。
 
《そ》
『素粒子』(原題:Elementarteilchen)
ドイツの作品。同名小説の映画化。
ブルーノとミシャエルは異父兄弟。
性に奔放な母親は息子たちの養育を放棄し、
彼らはある年齢まで互いの存在すら知らずに、それぞれの父方の祖母宅で暮らす。
性格も正反対、職業は国語教師と数学者。
性的衝動を抑えられない兄と、女性経験皆無の弟が、やがて本当の愛を知るのだが……。
これも一種の変態映画だと思うのですが、心にズシッ。

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今年観た映画50音順〈か行〉

2007年12月17日 | 映画(か行)
《か》
『鍵がない』
ある晩、マンションの部屋の鍵をなくしたことに気づいた美沙子。
管理人に開けてもらうように頼むには遅すぎる時間。
泊めてもらおうと思った友だちも不在。
ふと、かつてつきあっていた良介に、
合い鍵を預けたままであることを思い出す。
まだ彼への想いを断ち切れないままの美沙子は、
躊躇しつつも彼に電話。鍵を取りに行くことにするが……。
たったひと晩の出来事。彼女の気持ちを丁寧に。
エアギターで有名な金剛地さんが、ストリートミュージシャンとして出演。
本物のギターを弾く彼を初めて見ました。

《き》
『ギャングスターズ 明日へのタッチダウン』(原題:Gridiron Gang)
少年院での教官ショーンは、アメリカンフットボールを通じて
少年たちを更正させようと考える。実話がベース。
まるでやる気のなかった少年たちが
それぞれの適性を見出され、自分の居場所を得て輝く。
教官役にはプロレスファンなら誰でも知っているザ・ロック。
相変わらずスゴイ首の太さ。

《く》
『クィーン』(原題:The Queen)
1997年、ダイアナ妃がパパラッチに追われて
激しいカーチェイスを繰り広げた後に事故死。
英国国民が悲嘆に暮れるなか、冷たい対応だと非難されたエリザベス女王。
その真相に迫った話題作。
本作でいちばん株を上げたのはトニー・ブレア首相では。
それにしても、映し出される首相の家庭は普通すぎ。
英国首相の家ってあんなもん?

《け》
『毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト』(原題:Fur: An Imaginary Portrait of Diane Arbus)
フリークス(異形)に魅入られた実在の写真家ダイアン・アーバス。
彼女に敬意を表して撮られた作品。
ダイアンは写真家である夫の助手を務め、
2人の娘を育てながら、何不自由ない暮らしを送っているが、
なぜか疎外感をおぼえている。
そんなある日、同じアパートの上階に妙な男が引っ越してくる。
やがて、彼が多毛症だと知り、強烈に惹きつけられるダイアン。
変態映画です。だけど、興味をそそられる。

《こ》
『こわれゆく世界の中で』(原題:Braking and Entering)
ロンドンの治安のいいとは言えない地区に、
友人と共同でオフィスを構えた建築家のウィル。
開業早々に窃盗の被害に遭う。
帰宅すれば、情緒不安定な恋人とその娘がいて、心穏やかになれない。
ある日、窃盗犯らしき少年の後を追ってみると、
彼はボスニア難民アミラの息子だった。
窃盗の話を持ち出せず、アミラに惹かれるウィル。
マザコンに浮気、難民問題まで絡んで、かなりヘヴィー。

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今年観た映画50音順〈あ行〉

2007年12月12日 | 映画(あ行)
例年どおり、良くも悪くも印象に残った映画を
五十音順に1本ずつ。
できるだけ、今年封切orレンタル開始で、
今までに書いていない作品を選んでいます。
ネタバレ御免。

《あ》
『愛の流刑地』
いきなり既出作品でごめんなさい。
今年最初にロードショーで観た映画なもので。

《い》
『イルマーレ』(原題:The Lake House)
キアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックの共演で贈る、
同名韓国映画(これ)のリメイク版。
湖畔の一軒家に住む女医ケイトは、転任のため、シカゴへ引っ越すことに。
この家の次の住人に宛てた手紙を郵便受けに残す。
手紙を受け取ったのは、建築家アレックス。
しかし、彼がこの家を買い取るまでは、長い間空き家だったはず。
不思議に思ったアレックスは、返事を書いて郵便受けに入れる。
やがて、ケイトが2006年、アレックスが2004年という、
ちがう時代を生きていることがわかり、時空を超えた手紙のやりとりが始まる。
「手紙に圏外はない」、郵便局の広告にそのまま使えそう。

《う》
『ウェディング宣言』(原題:Monster-in-Law)
売れっ子ジェニファー・ロペス主演なのに、
なぜか日本ではビデオスルーされた1本。
外科医のケヴィンに見初められたチャーリーは
早々にプロポーズを受け、玉の輿に乗ったかに見えた。
ところが、ケヴィンの母親ヴィオラがこの結婚を阻止しようと、
執拗な嫌がらせをくり返す。
負けるもんかとチャーリーも応酬、壮絶な嫁姑バトルに。
たくましいジェニロペが笑えます。最後はホロリ。

《え》
『エラゴン 遺志を継ぐ者』(原題:Eragon)
世界的ベストセラーの映画化。
邪悪な王に支配されている帝国アラゲイシア。
平和を取り戻すため、選ばれたのは少年エラゴン。
自らが選ばれし者だとは夢にも思わなかったエラゴンだが、
王の手先に叔父が殺されたのをきっかけに、
ドラゴンライダーとして旅に出る決意をする。
さほど珍しくもなくなってしまったファンタジー・アドベンチャーですが、
実は出演者がくせ者揃いで愉しかったりして。

《お》
『王の男』(英題:King and the Clown)
韓国の作品。
暴君として知られる16世紀に実在した王がモデル。
旅回りの芸人チャンセンと、その相棒で女形のコンギルは、
国で一番の芸人になろうと誓い合う。
宮廷を諷刺した芸を披露したところ、それが町の評判に。
噂を聞きつけてやってきた王の重臣に捕らえられる。
ところが、王がコンギルを気に入って……。
あの美しさ、男とは思えません。見応え十分。

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