『カーマイン・ストリート・ギター』(原題:Carmine Street Guitars)
監督:ロン・マン
西宮で4本ハシゴした日の翌日、梅田で3本ハシゴの1本目。
テアトル梅田にて、予告編を観て惚れてしまった作品を。
“カーマイン・ストリート・ギター”はニューヨークにあるギター店の名前。
マンハッタンのダウンタウン、グリニッジ・ヴィレッジにあるそうです。
ワシントン・スクエア公園とかニューヨーク大学がある辺りらしい。
店主でギター職人リック・ケリーとその母親ドロシー、
リックの弟子である25歳のブロンド娘シンディ、たった3人で切り盛りする小さな店。
本作はそんな“カーマイン・ストリート・ギター”の1週間を追います。
小さな小さな店なのに、世界中の一流ギタリストが訪れる店なのです。
ルー・リード、ボブ・ディラン、パティ・スミスなどなど大御所が愛用。
彼らが魅了されるこの店のギターはなんとすべてリックの手作り。
ニューヨークの建物の廃材を使って作られるギターは途轍もなくユニーク。
19世紀の建物の廃材も多く、リックは廃材が出るという情報を逃しません。
古いバーの廃材情報を得て出かけ、客がこぼすビールが染み込んだ廃材に心を踊らせる。
これがまたいい音色を出すんだなぁ。
ビル・フリゼール、マーク・リーボウ、チャーリー・セクストンといったギタリストのほか、
映画監督のジム・ジャームッシュもギター片手に訪れて修理を依頼。
単にギターを作るだけではなく、アフターケアもばっちり。
病気に罹って右手の中指の神経を失ってしまったギタリストが、
それでもギターを弾きたいとやってきたときには、
彼が持っているギターを見て、リックは「もう少し太いネックのほうが良い」とアドバイス。
そのほうが手がリラックスできるからと、リックから渡されたギターに、
嘘みたいに弾きやすいと感激する様子に胸が熱くなりました。
弟子のシンディの話も面白い。
女性店員を見たときの男性客の反応は2種類。
カッコイイと言うか見下すかのどちらか。
あるときは客からギターを預かるさい、
ブランドを聞こうとして「これは何ですか」と尋ねたら、
返事は「ギターだ」だったそうです。(^^;
シンディの誕生日に用意されたギター型のケーキは凄かった。
絶対なくならないでね。
生まれ変わったら私もギタリストになって、行ってみたいから。行くから。