めいすいの写真日記

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反田恭平のピアノ演奏・・・FAZIOLIというピアノは?

2020-05-19 | クラシック音楽

                                                                    2019.1.30 CHABOHIBA HALL(東京都立川市)

 曲目は オール・ショパンプログラムで
       アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 作品22
       マズルカ ハ短調 作品56 第3
               ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58

 反田恭平の演奏は素晴らしいということは知っていたが、演奏会はもちろんのこと、 NHKの放送でもじっくりと聞いたことが無かったので、5月18日(月)のNHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」で録画し、じっくりと聞くことが出来たのは、幸運であった。
 彼の演奏は、体幹がしっかりしているのか、身体にぶれがなく、基本に忠実な演奏で、安心して聞いていられる。無理をしなくてもフォルテがらくらくと出せるのが良い。曲の合間に入る説明もわかりやすく的を得ていた。
 一曲目の「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ」ではショパンらしい煌びやか演奏を聴かせてくれた。
 「ピアノソナタ第3番」は、これまでアルゲリッチやポリーニの「2番」、「3番」のカップリングされたCDを買い、親しみを持とうと努めてきたが、三楽章に「葬送行進曲」の方に意識がいきがちで、完成度の高いと言われる3番は避けがちであった。今回の反田の演奏を何度か聞くうちになるほどと思うことが出来るようになってきたので収穫だったと思う。ただ、第三楽章の夜想曲といっても良い美しい歌謡楽章では、甘美で陶酔されるよう演奏することではポリーニに1日の長があるように思えた。 
 
 ところで、ビデオ画像にするとピアノは何を使っているのかが気になる。スタインウェイ全盛のピアノの世界。たまにYAMAHAのピアノだとなんとなく喜びが湧いてくるものであるが、今回は大きな白い文字で「FAZIOLI」と書かれていた。しかも、このグランドピアノなんだか長いような気がする。初めてなので「このピアノって何?」とWEBで調べることにした。

 FAZIOLI(ファツィオリ)は1981年に創業したイタリアのピアノメーカーのもので、綿密な手作業を各所に導入し、独特のこだわりを持ったピアノらしい。生産はグランドピアノを限定としている。
 あのジュリアード音楽院では1924年から名器としてスタインウェイ以外は学内への納入を認めない体制を貫いてきたが(学内300台弱全て)2010年、それがほどかれ、同院ではファツィオリを第一線の名器として認定、注文・納入を開始したというから、よほどのピアノらしい。 ショパンコンクールやチャイコフスキーコンクールなど数多くのコンクールでも使用し始められいるようだ。ピアニストの人気も高いらしい。
 また、現時点で世界最長サイズ(奥行き308㎝)のモデルも製作している。 なお、308㎝モデルのみ、「左側に4番目のペダル」の特殊な設計が標準仕様となっている。
  こうしたことが分かったので、ペダルは幾つあるのかビデオ画像を見たら4つある。反田も第4ペダルを多用していた。そうするとFAZIOLIで一番高価な308のようだ。日本には数台しかないだろう。テレビでは、一切ピアノのことは触れられなかった。おそらく反田自身が選択したものと思われるが、いずれにしても、なぜ使ったのかは一切不明である。 (敬称略)

   また、CHABOHIBA HALL(東京都立川市)も後ろ側が下部に石庭が見えるのがとても粋に思えた。100人程度の小ホールらしい。NHKが録画したくらいだから、かなり音響効果が良いのだろう。