めいすいの写真日記

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椿姫「さよなら過ぎ去った日々よ」・・・あさドラ「エール」音は、この曲を歌い学内コンクール優勝

2020-05-30 | オペラ・バレエ

 朝ドラ「エール」(5月29日放送)。二階堂ふみ)は東京帝国音楽学校の歌劇「椿姫」ヴィオレッタ選考 学内コンクールで、「さよなら過ぎ去った日々よ」歌い、ライバルの夏目千鶴子を破り優勝する。でも、彼女の歌は時々止まってしまうので、ドキッとしてしまいます。ほんとの歌手でないので仕方ない?・・・。
 この曲の悲しげなメロディが、「主人公の幼なじみの村尾鉄男とカフェの女給の希穂子」との「悲しい別れ」のバックグランド・ミュージックにもなっている。

では、実際のオペラの舞台では、
 新演出 メトロポリタン・オペラ「椿姫」第三幕で「さよなら過ぎ去った日々よ」を歌うヴィオレッタ役のディアナ・ダムラウ
 パリのアパート、復活祭のカーニバルが窓の外で行われている。結核の末期症状となっていたヴィオレッタは
さようなら 過ぎし日々の楽しかった夢よ バラ色だった頬も青ざめてしまった
 私は アルフレードの愛まで失ってしまった 彼の愛は 慰めで疲れた心の支えだったのに・・・慰めで・・・心の支えだったのに・・・  
 神よ 道を踏み外した女(ラ・トラビィアータ 歌劇「椿姫」の原題)に微笑んでください  どうかお願いですから  私を受け入れてください 
 もうすべて終わったんだわ 今や すべて終わってしまった 喜びも悲しみも もう終わりなのね
 お墓は 人間にとってすべての果てよ 私のお墓には 涙もお花も捧げられないんだわ
名を記した十字架もない 十字架もなく お花もない・・・
 神よ道を踏み外した女に微笑んでください どうかお願いですから
  私を受け入れてください  もうすべて終わってしまったんだわ」と時々咳き込みながら歌う。でもダムラウの歌声が終始、乱れず伸びやかで素晴らしいのは、さすが人気絶頂の実力者。
 その後、アルフレードが駆けつけ、二重唱「パリを離れて」を歌うが、力尽きて息絶える。

 ところで、オペラの題材となったアレクサンドル・デュマ・フィスの小説「椿を持つ女」(1848)には、マリー・ディュプレシーというモデルがいる。そのマリーについてデュマは次のように書いている。「痩身型で、一見して華奢で、頭も鼻も小さく、目は日本人のように細長く、しかもそれが生き生きと輝き、唇は濃い桜色で歯なみは美しく、それは陶器の製品のようだった。・・・物腰は優雅で、話はものやさしい調子で、博学で機知に富み、おもしろく、彼女こそは人情に生きた最後の商売女で、その人情の豊かさが若死(23才)を招いたのだ」
 とにかく、一種の気品を備えた彼女の美しさは抜群だったらしく、人気絶大のピアニストであり、作曲家であったフランツ・リストも「まるで女王のようだ!」と賛嘆の声をもらしたという。
 彼女の前には、いつも椿の花束があり、月のうち25日は白、5日は赤であった。

   だが彼女が結核で死亡した時には立ち会う人は、いなかったという。
 しかし、現在、モンマルトルのマリー・ディュプレシーの墓には、献花が絶えない。すぐ傍らにはデュマ・フィスも眠っているとのことである。

     メトロポリタン・オペラ 「椿姫」新演出 は、
  WOWOWライブで6月5日(金)午後2時25分より再放送されます。