NHK BS プレミアム・シアター 2021/4/25
若大将シリーズは「東宝が1961年から1971年まで製作した全17作から構成される加山雄三主演の青春映画のシリーズ名」です。
今回の放送は田中邦衛(青大将)さんが2021年3月24日に亡くなられたので、その追悼番組です。加山雄三(若大将)の2枚目俳優ぶりを支え、青大将の3枚目俳優として多くの人気を得ていました。
田中邦衛さんは他の作品にも多く出演していますが演技派でそのキャラクターが好まれていました。冥福を祈ります。
一方シリーズのマドンナは大学生編(11編)は星由里子、それぞれ苗字が異なるけれど名前は澄子です。
なお、本作「アルプスの若大将」は 若大将シリーズの中で最大の動員数となりました。
【監督】古沢憲吾
【撮影】飯村正
【音楽】広瀬健次郎
【出演者】加山雄三 ・・・ 若大将 田沼雄一 京南大学建築学部、スキー部
田中邦衛 ・・・ 青大将 石山新次郎
星由里子 ・・・ 岸澄子 パン・アメリカン航空勤務
【主題歌】『君といつまでも』『蒼い星くず』「夕陽は赤く」
【配給】 東宝
【公開】 日本の旗 1966年5月28日
【上映時間】 94分
ツェルマットで出会った若大将と澄子。写真は馬車の上。当時は街の中心部も車両通行禁止だったようです。
ツェルマットのゲレンデも豪華なロッジやホテルは当時なかったようです。
マッターホルンをバックに滑る若大将
澄子にローマのスペイン広場を案内される若大将。階段奥左
トレビの泉にコインを投げ、大学スキー選手権大会の優勝に「願かけ」する右若大将と澄子
珍しく、部屋の中で「君といつまでも」を歌う若大将。このシーンの前後で若い女性の姿が澄子と入れ替わったりします。「幸せだなー ・・・ 」のくだりでは青大将が入ってきて「誰と話をしているの?」と聞きます。
パーティーの席での青大将と澄子。
苗場スキー場の奥の休憩所で澄子を暴漢から助けようとしてかえって殴られて怪我をする青大将。たまたま、通りかかった若大将に助けられる。左、若大将、一人置いて青大将、澄子。
苗場スキー場の指導員達の滑り。
大学スキー選手権大会のセレモニー。
【ストーリー】 若大将シリーズのストーリーはほぼワンパターンです。
若大将が澄子と知合い、恋仲となる。
ふたりの間に青大将が割ってくる。若大将が他の女性と親しくなる。
澄子が焼きもちを焼き、当てつけに青大将の誘いに乗る。
二人きりになったところで、青大将が澄子に迫る。
もともと澄子は青大将など目にとめていないので、当然ながら抵抗する。
青大将が抵抗にも怯まず、さらに澄子に迫る。
若大将が現れ、青大将をこてんぱんにやっつける。
しかし、若大将にはスポーツの大会に出場しなければならない。
会場に間に合うか?
こうしたワンパターンのあらすじがかえって人気を呼んだようです。
若大将(加山雄三)は,シリーズにより様々なスポーツを行いますが、
実際にスポーツ万能でこれらををやってのけます。
特に『アルプスの若大将』はスキーですが、国体に2度出場しています。
実際実力通りで急斜面の滑りもスタントマンなしということです。
若大将と澄子のラブシーン。若大将が劇中歌を歌う。
その中でも、「君といつまでも」がメイン。「ふたりを夕闇が包む、この窓辺に~」
他に『アルプスの若大将』の劇中歌は「 蒼い星くず」「 夕陽は赤く」など
【感想】
とにかく55年も前の青春映画。海外旅行などは一般の人達には「夢の又夢」でした。
スポーツカーを乗り回したりするのも時代の最先端でした。
スキーが爆発的に人気スポーツになるのは,団塊の世代からで、この時代以降です。
スキーの大学選手権大会が、回転、ジャンプ、滑降と3種目を一人の人間がこなしています。特にジャンプでは腕をくるくる回しています。違和感を感じるのは仕方がないところです。
今年2021年3月に(青大将)田中邦衛さんが亡くなりましたが、2018年5月に(澄子)星由里子さんも亡くなっています。 私は若い頃に若大将シリーズを一回だけ見ていますがとても明るく楽しい映画だったという記憶があります。追悼の番組というのは少し悲しい気持ちになります。