マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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楢原駒形大重神社秋祭り

2011年11月30日 06時42分12秒 | 御所市へ
夏祭りにススキ提灯が繰りだされている御所市楢原(ならはら)の駒形大重(こまがたおおじゅう)神社。

秋祭りにおいても神社に献燈されるのだ。

上から2個、4個、6個の提灯が下げられている葛城の笛吹神社の十二振り提灯や五條東阿田の八幡神社のスズキ提灯のような形であったが数は異なる。

上から2、4、4の10個もあれば2、4の6個というものである。

御所の鴨都波神社で献燈されるススキ提灯は高さ4、5メートルもある10個の提灯。

その数が同じの御所の高鴨神社の寿々伎提灯がある。

提灯の呼び名は異なるが、いずれも村内の垣内から担いで参拝される献燈行事であり金剛山や葛城山系の麓に属する村々では数多く行われている。

その献燈が行われる数時間前の楢原駒形大重神社。

総代や石川、山中西、川添、道場(どうじょう)、植垣内(うえがいと)、市場城垣内、島ノ上(しまのうえ)、風呂(ふろ)、馬場中島(ばばなかじま)、園之池(そうのいけ)、田口(たぐち)の楢原14ケ垣内の役員たちが集まってくる。

境内にはススキ提灯を立てる杭を打ち、拝殿前には提灯を飾った。

杭は12本立てる。

一斉に揃えばそこにずらりと並ぶそうだ。

拝殿にもずらりと並ぶ膳がある。

ジャガイモ、ニンジン、麩の三種の御供は板に串挿したもの。

その数といえばおよそ150枚。



各垣内を合わせたすべての戸数だという。

それぞれに供えられた村人の名が記された札が付けられている。

実に壮観な様相である。

この御供は末社の琴平神社、市杵島神社、八幡神社、春日神社、神明神社にも供えられる。



拝殿に並ぶ形式の御供に似た行事がある。

チンポンカンポン祭で名高い葛城の柿本神社である。

また、奈良市都祁の来迎寺のイシキの御膳も、である。

どことなく仏事的な要素が見られる御供の前に座った役員たち。



神饌を供えて始まった秋祭りの神事。

祓えの儀、祝詞奏上など厳かに行われる。

それを済ませた人たちは参籠所で会食となる。

献燈されるまでの時間はそこで歓談のひとときを迎える。

(H23.10.16 EOS40D撮影)

楢原駒形大重神社夏祭り献燈提灯

2011年08月19日 06時46分21秒 | 御所市へ
スイートで有名なパテイスリー クリアンで打合せを終えて葛城山麓線で戻っていく道中だった。

葛城辺りで見られる十二振り提灯のようなものを持って帰る人たちに遭遇した。

千載一遇の出あいを見逃すわけにはいかない。

車をUターンさせて急遽聞き取り取材を敢行した。

そこは御所市の楢原の地だった。

提灯といえば駒形大重(こまがたおおじゅう)神社の夏祭りで献燈されたものだ。

十二振り提灯のような形であったが数は異なる。

10個もあれば6個というものである。

その提灯を持って帰る垣内の元自治会長の話によれば楢原には14垣内があり、それぞれが提灯をもって楢原駒形大重神社へ参拝してお神楽をしてもらうのだという。

「昔は肩で担いでいたけど今は水平にして運びよるんや」と話す会長。

伊勢音頭など道中での囃子はないという。

大急ぎで同神社に参った。

暗闇が迫る時間帯だった。

祭りを終えて一つ、二つと垣内が帰っていく。

いずれも水平にして戻っている。



提灯にはまだ赤々と灯りが点いている。

子供たちも付いて戻っていく垣内の人たち。

すべてが戻っていっても各垣内の神社役員(総代、2人の副総代、会計の他10人)は忙しい。

垣内の人たちが拝殿に供えられた御供。

それは一枚一枚折敷に置かれたジャガイモ、ニンジン、麩。

三種の御供は板に串挿ししている。

数えてみればおよそ200枚もあって実に壮観である。



御供のモノは異なるが、このような並べ方で思い起こすのがチンポンカンポン祭で名高い柿本神社だった。

仏事的な要素があるのではないかと思えたが神宮寺の存在の有無を調べてからでないと断定はできない。

お神楽を済ませた女児二人と櫛羅から来られた宮司は夏祭りを終えて戻っていった。

楢原駒形大重神社では秋祭りにも夏祭りと同様に垣内ごとに提灯を奉納される。

(H23. 7.17 EOS40D撮影)

吉祥草寺大左義長設え

2008年02月24日 05時17分31秒 | 御所市へ
修験道の開祖と知られる役行者が創建されたとしている御所市茅原の吉草祥寺。

毎年1月14日は修正会の結願の日、その夜に点火され赤々と燃えさかる茅原の大とんど。

雌雄二基が製作され、雄基は太い鉢巻き綱をしめ今まさに立ちあがらんと、平成19年4月に再建された本堂の前に横たわっている。

一方、雌基の鉢巻き綱は直径30cm。

青空の下、長く伸ばした状態で作り上げている。

(H20. 1.14 Kiss Digtal N撮影)