マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小倉町の観音寺

2008年08月10日 07時49分10秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
都祁の地は各在所の祭礼で訪問することが多い。

ただ、小倉は未だに行ったことがない。

それがふとしたきっかけで興味をそそられることになった。

直近では虫送りの日程の都合がつかなかったので写友のnomoto氏に行ってもらった。

毎年6月16日に行われる虫送りは針ヶ別所とよく似ているようで「田の虫送り」と呼ぶそうです。

19時に観音寺でお坊さんが虫祈祷したのち、20時ころ出発する。

長谷寺の流れで現在は無住寺の観音寺。

10年前に建て替えられたお寺は随分と立派で境内には枝垂れ桜があり4月には訪れたい景観だ。

虫送りは20時なので真っ暗ななか松明を翳して行列する。

子どもも多く総勢約60人ぐらい。

松明は二手に別れて行列するどうです。

大太鼓が先頭のグループ、一方は鉦を先頭に行く。

鉦のほうは村はずれのお地蔵さんのところまで行ったそうです。

ちなみにお寺の行事はこのほかに1月6日の初祈祷ランジョウがある。

漆の木と藤の枝先をハタキのように房状にしたものを持ち寄って、お寺の縁側を大人や子供が激しく叩いていたという。

現在はおとなしくなって藤も作られないという。

漆の木は持ち帰って水戸祭りに飾られる。

今でも祭りをしているお家があるそうだ。

同寺での行事のなかでも特に気になっているのが9月17日の観音講。

大きなカボチャなどの野菜で造られる人面型御供物。

いわゆる十七夜観音講の行事だ。午前中に持ち寄った野菜で造りだし、昼から法要だという。

天理の福住で行われる御膳さんと同じような形態だと思われる十七夜講。

昔は盆踊りもあったそうだ。

また、枝垂れ桜の下には大神宮さんの石燈籠があり、毎夜に亘って垣内の17軒が当番交替して蝋燭を立てられるそうだ。

件のnomoto氏、桜の咲くころの大神宮さんへ行ってみたいとおっしゃった。

行事はほかにも1月7日の山の神や15日のトンド(6垣内)。

それぞれのお家では供えものを持って山の神のご神木に参拝するという。

そのときにちょっと変わったことをするというのはおそらくカギヒキの所作と思われる。

ずいぶんと行事が残されている小倉は簡略化したイノ子もあるという。

一気に取材するのは難しいができる限り訪問したいものです。

(H20. 7.13 SB912SH撮影)