マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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佐紀中町・門外釣殿神社の砂モチ終えて据えた前掛けしめ縄

2022年11月04日 07時19分38秒 | 奈良市へ
山陵町(みささぎちょう)の山上八幡神社の砂モチ習俗に合流した橿考研所属・発掘調査が専門のYさんとともに、隣のご近所といえるほど近い距離にある2地区の正月迎えのあり方を拝見したく立ち寄った。

平成26年12月31日訪問して以来、久しぶりの門外釣殿神社の所在地は佐紀中町。

時間帯は、正午時間の午後12時20分。

門松を立て、砂モチを済ませていた。

最後に簾型しめ縄を飾りつけているところに伺った。

門外釣殿神社の史料『釣殿神社行事概要』に、「前掛け」の表記がある簾型しめ縄。

宮さんの前に掛けるからその名にされたのか、存じていないが、平成28年12月15日にたまたま通りがかったときに目に入った筵敷きダイコン干しをされていた当主が話してくれた前掛けしめ縄の名称は、「ゾウガイ」だった。

門外釣殿神社の氏子のOさん。

かつては、神社役を務めたこともあるOさんは、昭和9年生まれ。

地元に長年暮らしてきた地域の歴史・文化を伝えてきたはずだが、貴重な俗称までは継承されなかったようだ。

そのゾウガイしめ縄は、正面からでは見えない位置に掛けている。

割り拝殿に掛けているのだが、真ん前に建てている年代を感じる朱塗りの鳥居の陰に隠れているために見えない。

鳥居をくぐって参拝。



後ろにふり向いて、初めて気づくゾウガイしめ縄の最後の作業が飾りつけ。

「ニコニコ、仲睦まじく」の名で呼ばれる10個の柿を連なる吊るし柿。



葉付きのダイダイに奉書に包んだ栗、カタ炭、塩を紅白水引で括って取り付けた。

それから撮らせてもらった砂モチ。

今日の日差しはキツイ。



神社の木々の陰とのコントラストギャップ状態の砂モチはとらえ難い。

尤も、砂モチをされてから数時間の経過に乾燥がはじまっていたから、余計に形がわかりにくなった。

突然の取材にお礼を伝えて、あらためて拝見した門松。

神社役の人たちの背丈より高い。

鳥居の高さとほぼ同じ。



こんなに大きな門松だったのか、と帰り際の気づき。

あらためて、過去データを振り返り見たその高さは、この日に見た高さの半分程度。

『釣殿神社行事概要』の規定に変化があったのではないだろうか。

(R2.12.30 EOS7D撮影)