何をとっかかりとしてJAZZを聴き始めたかは、遙か昔の話なので覚えていませんが、「テイクファイブ」や「ワークソング」「キャット」がヒットしたからではないでしょうか。
そのころとても馴染みやすかったのが、バッハの音楽をJAZZにした「ジャズ・セバスチャン・バッハ」(スウィングル・シンガース)や「プレー・バッハ」(ジャック・ルーシェ)でLPを持っていましたが、一時期小馬鹿にして人に上げてしまいました。(SSはCD中古で拾いました)
その後もバッハとJAZZの関係はずっと続いていて、バッハ好きだったので引き続き楽しんできました。
オイゲン・キケロやMJQ、ジョン・ルイスのピアノソロなんかがありますし、サラ・ヴォーンは“ラバース・コンチェルト”で歌ってました。
ロン・カーターがソロした恐ろしいアルバムもありましたが、ジョン・ルイス当たりを最後に聴いていません。
最近のアルバムで聴いていないのですが、ケニー・バロンとR・カーター、L・ナシュ、ステファン・ハリスでバッハを演奏しているのが2002年にあるのが気になります。
バッハをジャズにしたものは、バッハをどのように崩すかでおもしろかったり、なんだかなと思ったり、どちらにしても一線を超えた関係を意識しないわけにはいきません。
「そんなに崩しちゃイヤッ。」とか「どーだ良いだろう。」とか、一線を越えた関係を意識しなければなりません。そんな境界意識に少し疲れてきて、ここのところ離れていましたが、久しぶりに「BACK TO BACH」です。
デンマークのJAZZベースの重鎮Mads Vindingと同じくデンマークのクラシックのピアニストPoul rosenbaumのデュエットでバッハの曲を演奏しています。
Poul rosenbaumのピアノはクラシックの音だしで、タイムもアクセントもクラシックそのもの、何も変わらぬバッハそのものです。そしてVindingは音もアクセントもJAZZそのもの、Vindingを聴きたくて拾ったのでこれは変にピアノがJAZZによってこないですっきりと聴けます。
平均律クラヴィアやフランス組曲、カンタータなど幾つかは知っている曲が流れて最後は「種よ人の望みの喜びよ」と言うJAZZマンも良くやるカンタータで終わります。
Vindingを追っているとJAZZ、rosenbaumを聴いているとクラシック、二つが背反しているかと言うとそのようなことはまるでありません。寄り添いながら、相手の場所に入って影響を与えない、それでいながら二人でいることがいい。
二つが共存しあいながら、変に絡まることもないのに認めあっているような、疲れないでとても楽しい演奏をかんじます。
久しぶりのバッハとJAZZでしたが、構える必要もなく、素直な形で向き合えた好感の持てるアルバムでした。
実はこれで360円もうれしい。
BACK TO BACH / MADS VINDING & POUL ROSENBAUM
Mads Vinding bass
Pooul Rosenbaum piano
1-7 Partita no.1
8-11 Wohltemeriertes Klavier
12-17 French Suite no.2
18-21 Notenbuchlein fur Anna Magdalena Bach
22-24 Italian Concerto
25 Jesu,Joy Of Man's Desiring(from Cantata no.147)