
出来たらラーソ・ダニエルソンがベースを演奏する、ラース・ヤンソンの新譜が出ないかと思っているとこんなアルバムが出たので驚きました。下記にありますが、Ulfのリーダーアルバムで、なお且つエスビョルン・スヴェンソンの曲集、Till BronnerやPaolo Fresuも吹いているという反則みたいな、ちょっとあわてるような感じです。
そして1曲目の美しいこと、不安定と美しさが、見事に融和しています。ちょっと技量が出すぎでしょうか。
ダニエルソンのベースラインだけでESTのエッセンスが抽出されたような、原曲より幻想的な仕上がりです。バックのエレキがうまい具合にエフェクト感をつけて,ペットはここはTill Bronnerで良いフレーズです。
2曲目,E.S.Tの雰囲気をとても良く捕らえピアノエフェクトなしで表現していることが面白い、凝ったサウンドで最後のエレキギターは息子さんでしょうか。
素材のE.S.Tに対しての表現は山ほど考えられる気がします、3曲目では,メロディーをオーソドックス、カントリー風、生ギターの良さをだした好編曲です。
4曲目“Tuesday Wonderland”はストリング・カルテットを入れた格調高いアレンジでダニエルソンのアルコ、正確さは凄い。
そのダニエルソンのピッチカートから入り、ラース・ヤンセンの美しい音色でピアノを弾く大好きな曲です。
あまりにぴったりしすぎて、演奏してないよう様に感じる、見事はまったピアノとギター。
新緑の山道を車で走っています。重なり合う緑のなか、中を走るこちらもそこに解け込むような、感じです。この曲や次の6曲目こちらも溶け込んでしまいます。
7曲目ヤンソンがピアノを弾いていることを気が付かない。うますぎて気が付きません。トロンボーンのNils Landgrenはアルバムによって好みがバラツキますが、ここではダニエルソンのファンキータッチのベースラインにのってクルセイダースをおもいだしました。
9曲目、ここではMortinLundのドラムスが浮かび上がってきて、ランソンのピアノもライブのように乗った感じです。スヴェイソン曲集のピアノを弾くのにラース・ヤンソンは最高人選です。
11曲目Fresuがミュートで参加、ストリングカルテットと一緒になたて、スケールが大きな演奏でドラマチックな終演です。
ESTの曲集ならば、ESTを聴けば良いのではと言えないことはありません。
ESTの刺激性はありませんし、おとなしいと言えばおとなしい。
そんな中でどこかに答えはないかと聴き直してみました。
そして私には1曲目、Ulf Wakeniusのアコーステック弦の作るメロディと音がその答えのような気がします。とてもソフトでいて、しみるようなメロディはUlfのアコの世界、ここにこのアルバムの独自性と美しさを感じます。
LOVE IS REAL / Ulf Wakenius
Ulf Wakenius(g)
Lars Danielsson(b,cello,effect)
Lars Jansson(p)
Morten Lund(ds,caron,per)
radio.string.quartet.vienna:
Bernie Mallinger(vln)
Johannes Dickbauer(vln)
Cynthia Liao(vla)
Asja Valcic(cello)
Special Guests:
Till Bronner(tp on 1)
Paolo Fresu(tp on 11)
Nils Landgren(tb on 7)
Eric Wakenius(el-g on 2)
1 Seven Days Of Falling
2 Dodge The Dodo
3 Believe,Beleft,Below(Love Is Real)
4 Tuesday Wonderland
5 Elevation Of Love
6 Pavane "Thoughts Of A Septuagenarian"
7 Good Morning Susie Soho
8 Eighthundred Streets By Feet
9 When God Created The Coffeebreak
10 Shining On You
11 Viaticum