家では飲みませんが、JAZZクラブへいく機会が増えて、カクテルなども飲むようになりました。そのまま飲んでも、カクテルのベースにしてもこのごろではジンよりかウオッカが多くなりました。
ずっとウオッカと表現していましたが、最近では発音の近いウオツカに修正される方向のようです。
世の中戦争は絶えませんが、7年におよぶ戦争が昨年暮れに終わりました。
ウオツカ戦争というのだそうで、穀物ジャガイモが原料のもの以外は」ウオツカと認めないとする-ポーランド、スウェーデンなどとサトウキビやぶどうが原料でも認め得るべきだとする-イギリス、オランダなどとの論争です。
議論は2007年12月17日に「原材料を明記することによって。ウオツカと認める」という結論になりました。内容はともかく、戦争が終わることはうれしいことです。でもブドウのウオツカってどこに有るのでしょう。
これからはウオツカで正しく酔うことにしました。
この強いお酒で正しく酔うには、春のサイダーみたいな音楽ではだめなわけで、このアルバムにしました。強力、強烈、ノックアウト間違いなしです。
中古屋さんで出会うと拾うことにしているUri Caineがグスタフ・マーラーの音楽を編曲したアルバムです。編曲と言うような生やさしいものでなくユリがマーラーと言う固まりを飲み込み、かみ砕き、消化して排出したような強烈なアルバです。
この前強烈な印象を受けた David KrakauerのLivein Krakowと通じている東欧の強い酒を思い起こします。
曲名は英語では解りづらいので日本の曲名ではこうなります。
1 交響曲第5番、葬送行進曲
2 少年鼓手「子供の魔法の角笛」より
3 いま太陽は輝き昇る「亡き子をしのぶ歌」より
4 ふと私は思う、あの子たちはちょっと出かけただけなのだと「亡き子をしのぶ歌」より
5 交響曲第1番「巨人」3楽章
6 交響曲第2番「復活」、原光
7 けさ野辺を歩けば「さすらう若人の歌」より
8 交響曲第5番、アダージョ・モデラート
9 春に酔える者「大地の歌」より
10 だれがこの歌を作ったのだろう「子供の魔法の角笛」より
11 告別 「大地の歌」より
まずはメンバーを見てください。この人たちが全力演奏と言うのがイメージです。
1曲目トランペットのファンファーレからバイオリンのテーマ、G・バートンの「葬送」もそうですが雰囲気がにてきます。とてもストリングスのアレンジが上手い。
爆発的なピアノ音とエフェクトのギターとグレゴリオ調の男性ヴォーカルの2曲目
リズムはアフリカンに、これほど爆発したピアノ和音があるのでしょうか。
つながって3曲目は東欧の静かな朝のひと時、かなり細かく処理した音が入っているので、ケインがいかに力を入れているかと言うことが解ります。
4曲目、マーラーの曲とは思えない、クラブのPOPの曲のよう、M・フォーマネクという人のベースが良い感じです。
5曲目、クレズマーミュージックの本質、もの悲しく、そしてユダヤの民族的強さを踊るように表現するジョシュ・ローズマンのトロンボーンが凄い演奏です。マーラーがJAZZミュージシャンかと思うほどのケインの編曲です。
6曲目ストリングスからの導入は美しく、格調高くただしなぜか物悲しい、マーラーの特徴でしょうか、目を閉じ祈る感じです。
7曲目突然モダンなピアノトリオこれがまた素晴らしい、結局マーラーの音的ベースがしっかりしているからでしょうか、色々な技法をチープにしないユリ・ケインには本当に驚きます。
8曲目はとても静かなピアノから、やさしい管弦楽へと移るところ、しかし簡単にはしないケイン、常に不安が、喜びの横に見え隠れするような凄いアレンジです。
9曲目はクレズマー風、ところがしっかりモダンJAZZアンサンブルでジョーイ・バロンなどのここの技量が光ります。
10曲目ディヴ・ダグラスのトランペットの独演。
最後は原曲でありばオーボエで吹かれるメロディーをヘブライ語の賛美歌の歌詞で歌わせる素晴らしいアレンジ、この音楽をなんと呼ぶのだろうと思ってします存在です。
ウオツカを飲みながら聴いて、どちらがダウンするかを競うような、だからいつもいつも聴くのでなく、心して強いウオツカを準備して聴く音楽です。
urlicht/primal light / Uri Caine
Uri Caine (p)
Joey Baron (ds)
Aaron Bensoussan (perc)
Danny Blume (g)
Dave Binney (ss)
Dean Bowman (vo)
Don Byron (cl)
Dave Douglas (tp)
Mark Feldman (vln)
Michael Formanek (b)
Larry Gold (cello)
Arto Linsey (vo)
DJ Olive (turn table)
Josh Roseman (tb)
1. Symphny No.5, Funeral March
2. The Drummer Boy From "The Boy's Magic Horn"
3. Now Will The Sun Rise As Brightly From "Songs Of The Death Of Children"
4. I Often Think They Have Merely Gone Out! Form "Songs Of The Death Of Children"
5. Synphony No.1 "Titan", 3rd Movement
6. Symphony No.2 "Resurrection", Primal Light
7. I Went Out This Morning Over The Countryside From "Song Of A Wayfarer"Symphony No. 2 "Resurrection", Andante Moderato
8. Synphony No.5, Adagietto
9. The Drunkard In Spring From "The Song Of The Earth"
10. Who Thought Up This Song From "The Boy's Magic Horn"
11. The Farewell From "The Song Of The Earth"