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中古で見つけると拾うかどうするか必ず考えるピアニストが何人かいます。
このピアニストは今年になって知って、見つけると拾うようになりました。
最初に「Together」と言うアルバムに出会いそのあとすぐに「Strenger Experience」に会いましたがそれも大変良かったと思います。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20080317
今度は録音的にはその中間2002年ニューヨークでの録音のアルバムです。
1曲目、秋の朝、雨にぬれた大地は一抹の憂いを含んだ豊饒を感じる始まりのピアノ、「Together」でも演奏されたおなじみのテーマになると、今回初めて演奏するアメリカのリズムの規範が加わって、しっかりしたラインのモンフェスが現れます。
2曲目も美しい曲ながら、オリジナルのフランスメンバーがモンフェスの抒情を増幅するようなスタンスなのに対し、このアメリカのリズムはモンフェスのフレーズにしっかりと反応するので、それに対応するモンフェスの抒情が、モンフェスとしてより才際だって見えてきます。
初顔合わせ、一発取りのニューヨーク録音の緊張が作る線のしっかりした抒情です。
4曲目、モンクの知った曲になると、和らいだ感じで軽妙さが加わるところがこれも初見の味わいです。
6曲目、“Simple Waltz”も「Together」に有る曲で、Larry Grenadierの重厚なベースが対峙して、曲としての強さがましています。
7曲目、“Giant Steps”は意表をつくピアノのソロから始まりおなじみのテーマに移っていうアレンジ、逆にテーマはゆったり美しく、こんなやり方が有ったのだとさすがモンフェスです。
Time In Carouge / MONCEF GENOUD
Moncef Genoud piano
Larry Grenadier bass
Bill Stewart drums
1 Prelude
2 Waiting For Birth
3 Time In Carouge
4 Reflections
5 Foncef
6 Simple Waltz
7 Giant Steps
8 Lovly Vidj
9 Oppossum