
レスター・ヤングの良さをもしくは凄さを理解しないまま、永くJAZZを聴いてきたなどと書いたらとたんに信用を失うかもしれないけれど、もともとたいしてないのだから、みえを張るよりか良いと思う。
当時レスターを聞いてもそれは凄いと思ったけれど、それをいつものように楽しんで、いいんですねと言えなかったことに、それを普段に言える人にコンプレックスを感じていたわけで、それがそのまんまでした。
でもまずいはまずいので、そこは少しは修正しないと思い、有名なアルバムを仕入れてきました。
1956年の録音で、この時期のレスター・ヤングがどのような状況に陥っていたかは、昨年出版されたジェフ・ダイヤー著村上春樹訳「バット・ビューティフル」の描写がこの時期で、なんとも悲惨な、もはやどうしようもなく病んでいたヤングを知っています。
レスター・ヤングの凄さを知るには、1930年代のベイシー楽団を聞くことが常識でしょうが、聴きやすいこちらがまずは昨日つながりです。
昨日のハリー・アレンよりかは軽やかに、そしてこびずに素直な節まわし、とても聞きやすくて、それでレスター・ヤング、1956年という時代が良いのです。
現代のハリー・アレンがこのまま吹いても決して褒められない。そこが現在系の辛いところ、そこが古い録音の良いところかもしれません。
久しぶりのレスター・ヤングは50前で、私は既にそこを通り越しているので、もはや怖がることもない、柔らかいフレーズはとても親しみを感じて(運命は似て欲しくない)良い機会でした。
PRES and TEDDI+1
Lester Young(ts)
Teddy Willson(p)
Gene Ramey(b)
Jo Jones(ds)
Recording Jan.13 1956
1.All of Me
2.Prisoner of Love
3.Louise
4.Love Or Leave Me
5.Take A Chance On Love
6.Love Is Here To Stay
7.Pres Returns