
なんともマヌケな話ですが、それが現実なので記事にします。
昨年末に買ったアルバムでも記事にしていなかったアルバムの、題名もきめて書き始めて、途中演奏者をけんさくしたら、なんと自分の書いた、その記事のアルバムに当たりました。
ということで既に記事にしているのに、すっかり忘れて、アルバムを買って、記事にしてしまいました。
それも、評価のランクも違ってしまいました。トホホ・・
アルバムはCarsten Dhalのアルバムで、昨年末に中古で仕入れましたが、まえのは記事にした当初は余り気に入らなくて、どうやら中古屋さんにいったらしく、棚にはありませんでした。
当時の記事の題名は「ムツゴロウ食をべたことありません」で、題は思い出しました。
今回このアルバムを聞き始めて、前と同じようにアリャリャとおもったものの、ひょっとしていいかもと聞き進んで思い浮かんだ題名が「月に吼える」
群馬県出身の日本近代詩の父と称される萩原朔太郎の第一詩集のタイトルの「月に吼える」です。
詩は嫌いでないので読んだことはあるでしょうが、まるで忘れてしまっています。覚えているのは詩集のタイトルだけ、そのタイトルが思い浮かんだので、詩とは関係ありません。
アルバムの音を聞いていて思い浮かびました。
1曲目、アルバート・アイラーにチョット似ているビブラート、現代のブラスバンドでは絶対楽器を取り上げられてしまうようなアルトのおとで、アンリャと思って始まります。
2曲目、これもアルト・サックスのソロが大きくフューチャーされた演奏で、スパニシュ調の演奏、昔ブラバンの先輩の吹く、“闘牛士のマンボ”のおぞましいアルトソロを思いだしました。
バックのディールのピアノがとても美しい。
3曲目、完全フリーで始まるアルトから始まってこれは短いインプロ、4曲目、このアルとのひとオーネット・コールマンのフリークなのかもしれません。
6曲目、吼えるアルトのバックでは怒涛のドラムス、ベースも強靭なリズムをあおってと、聞いているうちに懐かしいフリー・ジャズを思い出しました。
気のあったミュージシャンが集まって、昔やっていた形式で自由に演ろうみたいに、ある意味個人の自由が4つ集まったような演奏で、その側から見れば、これはなかなか楽しいアルバムに思えてきました。
以前のときに「どちらでも」といっておきながら、今回は「いいと思う」に変更です。
いつも聞きたいアルバムにはなりませんが、なんか懐かしいエネルギーを感じます。
このメンバーで新しい録音もしたみたいですから、評判も悪くは無かったのかもしれません。
沢山JAZZを楽しんだ人ならば、アイラーとかオーネットとかアラン・シルヴァなんか思い出して楽しいかもしれません。
10曲目、もの悲しさを含んだアルトのバラッド・プレー、やっぱり題は「月に吼える」で良いと思ったわけです。
敗戦とその後を経験していない朔太郎の作品は、余り惹かれた想い出がありませんが、病弱な青年の繊細な未熟間があるのでしょう。
アルバムとはイメージ違いますが、折角ですから、「月に吼える」内の一遍を読んでください。
「むつごろうを食べたことありません」は読むことありません。
かなしい月夜 萩原朔太郎
ぬすつと犬めが、
くさつた波止場の月に吠えてゐる。
たましひが耳をすますと、
陰気くさい声をして、
黄いろい娘たちが合唱してゐる、
合唱してゐる。
波止場のくらい石垣で。
いつも、
なぜおれはこれなんだ、
犬よ、
青白いふしあはせの犬よ。
Experience / Carsten Dahl
Carsten Dahl(p, per)
Jesper Zeuthen(as)
Nils "Bosse" Davidsen(b)
Stefan Pasborg(ds)
1.Andedans
2.Okto
3.Stop One
4.Psykocalypso
5.Small Intermezzo
6.Do You Know Homeless?
7.Statements
8.Stop Two
9.Dem Tanzen Fur Thomas(Agergaard)
10.15 Gode Grunde Produced by Carsten Dahl