年明けして始めてのショップでは中古2枚とCD化された古いアルバムと新譜を2枚しいれましたが、初めての人がこのアルバム、チョット試聴したら、ピアノとベースの音が良いので買ってみました。調べたらスペイン、バルセロナのピアニストらしいですがまるで知りません。
最期の1曲を除いてピアニストの作品ですべてプレリュードという題がついています。
1曲目丹精なピアノとベースのアンサンブルから始まる演奏はベースの音が好きな感じで録音されていてとても好感もてます。
クラシックの響きを持ちながら真摯にジャズのアドリブをしています。このような取り組みをするピアニストは、えてして無意味なJAZZ風フレーズを弾きますが、このフレーズはシャープです。
2曲目、良くアレンジされた演奏はアドリブとテーマが均衡とれて、ここら辺がヨーロッパのピアノ・トリオの良いところです。
4曲目、バッハの曲のような、副題も‘Invention and prelude’ですから素直にバッハ、バッハの感じをなぞるというようなこともなく、かなり長いのにバッハ風の曲が破綻しないのは見事、途中のベース・ソロも秀逸です。
6曲目、サロン風にホーンをいれて、ペットのソロはまだ20才前だと思う、ドラマーホルヘ・ロッシーの息子君、かなりキチンと吹くことができる、もしかして注目かぶになるかも知れません。
7曲目、クラシカルな美しいメロディは副題‘Wait for me listening to Bill Evans’とついて、ピアニストのフェバリットが現れています。
8曲目、ベース・ソロから美しいピアノのメロディ、この曲もアドリブときちんとしたアレンジが組み合わさった、このアルバムらしい演奏です。
最期は女性のヴォーカルで、作曲はピアニストのおじいさん、スペイン語かポルトガル語で美しいボサノバかと思う曲。
聞いていてかなり驚く演奏、軽いクラシックのようで、美しくあるのにシャープな切れ味、たとえばホテルのラウンジで流れてもいいような雰囲気なのに、内容はしっかりとある演奏。
ラウンジ・音楽といえば軽視した表現になりますが、音楽を楽しむ中世のサロンの雰囲気を現代にもってきて、この演奏を楽しんだら良いような、上等なインテリジェンスを感じます。
そんな演奏に影響されて、題名はフランス風にしてみました。
PRELUDE / Xavir Dotras
Xavier Dotras (p)
Cesar Martinez (ds)
Toni Pujol (b)
Carme Canela (vo on 9)
Felix Rossy (tp)
1.Prelude I ‘Salve’
2.Prelude II
3.Prelude III
4.Prelude IV ‘Invention and prelude’
5.Prelude V
6.Prelude VI
7.Prelude VII ‘Wait for me listening to Bill Evans’
8.Prelude VIII
9.No em diguessis adeu (feat. Carme Canela)
2011年作品