JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

2冊がごっちゃに

2012-05-17 23:08:19 | 


港を回れば日本が見える 岡敬三 著



TOKYO 初夜ものがたり 梯 久美子 著

おもしろそうな本を図書館検索やネットでみつけると図書館に予約するようになった。
趣味が変わっている部分ではすぐてに入るのでかる。5~6冊予約を入れた状態でいると、いっぺんに数冊そろってしまうことがある。
今度一度にそろったのがこの二冊。

航海記が好きで、とりわけ苦しくて最悪の航海が好きなのだけれど、今回はリタイアしたオジサンがゆっくりと日本の海を一周する航海記がその一冊。

もう一つはインタビューを記事にまとめたもので、田舎から東京に出てきた人たち(有名人)の東京での生活のはじまりから、東京に出てくる思いなどがまとまっている。

一度のそろったこの2冊を少しづつ交互によんでいる。この読み方が思わぬおもしろさを作って、もともとおもしろい本をもっとおもしろくしてくれる。
もっとまじめに読めと、著者としては不本意かもしれないけれど、まあ誰にもご迷惑はかけていない。

まずは航海記の一節

「セールをあげて舳先を島の西に向けると、途端にに抑えつけられるような強い逆流にぶつかったので、エンジンを切らず島の西端までじりじり進んだ。針路を南にきって五分ほどすると、対地速度がピンと上がって六ノットを指した。島の南側に流れる黒潮の分流にのったのだ。エンジンを切り、後は名瀬に向かって一直線に走ればいい。」

こんなゆったりした気分になる記述だけれど、この著者ヴァン・ジャケットの情報室長を勤めた人で、高いセンスの都会人、その人が日本の端っこをたずねている感じです。

もう一冊はインタビュー相手が私より若い人が多く、すんなりしないところもありますが、まあ近い人1958年生まれの劇作家 鴻上尚史の話をまとめた一節

「で、二年生になるときに、荻窪に移りました。上り下りするときにカンカンカンって音のする外階段のついた、「太陽にほえろ!」で、犯人が潜んでいそうなアパート。家賃はたしか一万八〇〇〇円で、風呂はないけれど台所がありました。ボンカレーを温めて、包丁でピッと袋をきったのが、僕の生まれて初めての“自炊”でした。」

素朴な田舎からよくわからない東京にでてきて、でも意志を持って日本の真ん中に入り込む感じです。



私、生まれが東京そして一人の暮らしをしたことがありません、ましてヨットでの航海の経験もありません。身責任に面白い面白いですが、どちらも知らない私がこの二冊を少しずつ交互に読むと、末端をゆったりと生きる感じと、都会を航海しているような感じがごちゃ混ぜになって、都会と海での人間、すぐ隣り合わせみたいでこれは楽しかった。
コメント
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