昨年の終わりごろかって、このアルバムをお正月の記事にしようと思っていたら急遽寺井尚子にかわってしまったけれど、題は「春から始める」です。
バイオリンの中古棚のアルバムにギドン・クレーメルの名前があって、タイトルが「EIGHT SEASONS」よくよく見ると、ヴィヴァルディとピアソラの名前があるので思い浮かぶのは「四季」と「ブエノスアイレス」、ヴィヴァルディの四季のアルバムを持っていないので、これはピアソラまで聴けて丁度良いと買いました。
ピアソラの曲は特に組曲仕立てではありませんが、ブエノスアイレスを関して4つの季節名の曲があります。ヴィヴァルディの「四季」と作品を交互に演奏していくというアルバムです。
このアルバム、単に季節が4っづつあるからと、組み合わせて演奏した企画アルバムではありません。1725年に出された四季を、現代のピアソラと組み合わせることで、現実味ある「四季」に仕立てているのです。
ですから、皆さんご存知のイムジチ合奏団の「四季」を想定すると、これが凄い落差で驚かされます。ピアソラの激しい感情の流れに心寄せるギドンは、「四季」を激しい人間の心の移ろいとして演奏します。ピアソラが譜面をいじっているような急激な変化、四季を生きる人間の主張が加わります。
間に挟まれるピアソラの季節は、弦楽団の広がりと、間に挟まれるヴィヴァアルディの「四季」のメロディが、激しい四季の移ろいに現代的なやさしさを逆に加えます。
華やかであれ、美しくであれ、強く、新春が訪れているのであります。このアルバムのような激しい息使いもふくめて、今年一年、激しく、強く、華麗に音楽と接していきましょう。
EIGHT SEASONS / GIDON KREMER KREMERATA BALTCA
Kremerata Baltica:
Gidon Kremer, artistic leader, solo violin
First violin: Dzeraldas Bidva, Eva Bindere (solo and continuo), Migle Diksaitiene, Myroslava Kotorovich, Sandis Steinbergs, Rasa Vosyliute
Recorded September 6-9, 1998, Reutlingen-Gönningen, Germany, at Evangelische Peter und Paul-Kirche
1. 'La Primavera' - Concerto In E Major, Op. 8 No. 1: Allegro
2. 'La Primavera' - Concerto In E Major, Op. 8 No. 1: Largo
3. 'La Primavera' - Concerto In E Major, Op. 8 No. 1: Allegro
4. Verano Porteno: Summer In Buenos Aires
5. 'L'Estate' - Concerto In G Minor, Op. 8 No. 2: Allegro Non Molto
6. 'L'Estate' - Concerto In G Minor, Op. 8 No. 2: Adagio
7. 'L'Estate' - Concerto In G Minor, Op. 8 No. 2: Presto
8. Otono Porteno: Autumn In Buenos Aires
9. 'L'Autunno' - Concerto In F Major, Op. 8 No. 3: Allegro
10. 'L'Autunno' - Concerto In F Major, Op. 8 No. 3: Adagio Molto
11. 'L'Autunno' - Concerto In F Major, Op. 8 No. 3: Allegro
12. Invierno Porteno: Winter In Buenos Aires
13. 'L'Invierno' - Concerto In F Minor, Op. 8 No. 4: Allegro Non Molto
14. 'L'Invierno' - Concerto In F Minor, Op. 8 No. 4: Largo
15. 'L'Invierno' - Concerto In F Minor, Op. 8 No. 4: Allegro
16. Primavera Portena: Spring In Buenos Aires