カナダ、ケベック州にある女子修道院の寄宿学校校長マザー・オーギュスティーヌ(セリーヌ・ボニアー)は、音楽教育に力を入れている。オーギュスティーヌ十代の頃、リストの「愛の夢」をピアノで演奏して優勝した体験が根底にある。たゆまぬ努力と高い目標が人生を豊かにしてくれるという信念の持ち主。
今しもグランド・ピアノが学校に届いた。届いたのはいいが、修道院の女性総長から緊縮財政を理由に一段の経費節減を求められる。さらに小言は教育方針にまだ及ぶ。それが古臭い良い家庭人となる女性を育成するというもの。断固拒否するオーギュスティーヌ。
総長との対立に上乗せするように、親友の娘を預かることになる。この娘は、アリス・シャンパーニュ(リザンドル・メナール)と言い、学校まで乗ってきたタクシーのドアを足で蹴飛ばすように閉めるというお転婆娘だった。オーギュスティーヌに言わせると、問題児と言うことになる。
その間クラシック音楽の名曲の数々、バッハ、リスト、ショパン、ハイドン、メンデルスゾーンが心地よく響き紆余曲折を経て、アリスが弾くショパンの「別れの曲」でゴールド・メダルに輝く。亡き母を思いながら第2の母として尊敬するオーギュスティーヌの首にメダルをかけ、ここまでこれた感謝を抱擁で応えた。
終盤は展開を急ぎすぎた嫌いがあるが、劇中での合唱の清らかさと芯の強いオーギュスティーヌを演じたセリーヌ・ボニアーそれにアリスを演じたカナダで有望な30人に選ばれているピアニストのリザンドル・メナールが印象に残った。ケベック州は公用語がフランス語で、この映画もフランス語。
監督
レア・プール1950年9月スイス、ジュネーブ生まれ。
キャスト
セリーヌ・ボニアー1965年8月カナダ、ケベック州生まれ。
リザンドル・メナール出自不詳
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