1908年代に放蕩な妻と謹厳実直な夫の心の動きを織りなすラヴ・ストーリー。統計局に勤める頭脳明晰な貴族のクリストファー・ティージェンス(ベネディクト・カンバーバッチ)は、列車の個室で出会ったシルヴィア(レベッカ・ホール)と結婚した。しかし、シルヴィアは懐妊していた。これを伏せたままシルヴィアの放蕩は治まらない。
しかもクリストファーの強烈な怒りもない。つまり暖簾に腕押し状態。親友に語ったクリストファーの心境は、「離婚は下品だし紳士である以上しない。浮気もしない。彼女の夫が務まるのはインド総督ぐらいのものだ」ここで言うインド総統は、国王エドワード7世のことと思われる。エドワード7世は、1901年から1910年までインド皇帝を務めたとある。
シルヴィアの男とのアバンチュールは、夫・子供を残してパリに駆け落ちという事態になった。一方のクリフトファーにも変化があった。統計局では、「統計局は閣僚の主張を支持する義務がある。法案を正当化する数値を出せ! 要望に沿うのが君から出てこないなら、担当を外されるぞ!」と脅される始末。やむなく数値を改変した。
そんなときの気晴らしはゴルフに限る。そのゴルフ場に乱入してきたのが、ヴァレンタイン・ワノップ(アデレイド・クレメンス)という若い女性参政権活動家だった。クリストファーが追っていた警官から逃がしてやり、徐々に二人は接近していく。ヴァレンタインの心は、妻でなくてもいい愛人でもいいという惚れようなのだ。この心は封建的な空気が横溢していた時代にしても、ヴァレンタインの女性の地位向上を標榜している運動とは相いれない。よく言われる恋は盲目というわけか。
ヴァレンタインとの関係を知ったシルヴィアは、夫を取り戻そうとするが時すでに遅し。やがて恋のパレードの終わりが見えてくる。
BBCの作るドラマが大好きで、さがして観ている。品があって出演する俳優もいいしストーリーも面白いからだ。
1976年ロンドン生まれの ベネディクト・カンバーバッチは、15世紀のイングランド王リチャード3世の血縁で演技力も高く評価されいる。
1982年生まれのレベッカ・ホールも演技力には恵まれている。本作では憎々しいほどの女を演じた。
可愛いいアデレイド・クレメンスは、1989年オーストラリア生まれ。 ベネディクト・カンバーバッチと裸のラヴ・シーンを見せてくれる。
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