猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

竹宮 恵子(当時) 「地球(テラ)へ」 萩尾 望都 「スター・レッド」

2009年01月08日 16時24分07秒 | マンガ家名 た行
 上写真は、
竹宮惠子氏 「地球(テラ)へ」 新装版 1~3巻 ㈱スクウェア・エニックス 2007年5月6日ともに初版 初出 「月刊マンガ少年」 1977年1月~1980年5月号まで
萩尾 望都 「スター・レッド」 小学館 小学館文庫 1995年5月10日初版 初出「週刊少女コミック」 1978年~1979年連載

 
 この二つはだいぶ前同じ日に地元の BO で見つけ、バーゲンになっていたので安く手に入れて堪能しながら読んだもの。偶然とはいえ、同時期に連載され、しかも内容が エスパーと一般能力の人間との闘い という大筋が同じもの。
 スター・レッドの方は後半異星人も絡んでくるけれど、続けて読んでしかもしばらく経ってこうして思い出しながら感想を書いているとどっちがどっちのエピソードだったやら… 頭悪い私。。。

 70年代後半から80年代はじめにかけては、 大泉サロン の出身者であるおふたりはSFに夢中だったらしい。ざっと見ても、

竹宮 惠子氏
1977年 地球へ
     夢みるマーズポート(『SFファンタジア地上編』)  これは「私を月まで連れてって」 の0話目だったと思うけど。
1978年 砂時計-三つのSF世界  
1980年 決闘2108年
     アンドロメダ・ストーリーズ 
1981年 私を月まで連れてって!
     地球(テラ)フォーミング

萩尾 望都氏
1975年 11人いる!
1976年 東の地平・西の永遠  (続・11人いる!)
1977年 百億の昼と千億の夜
1978年 ウは宇宙船のウ(Bradbury傑作選)
     スター・レッド  
     宇宙船乗組員(Bradbury傑作選)
     左ききのイザン
1980年 ラーギニー
     酔夢
     銀の三角
1981年 A-A´
1983年 4/4カトルカース
1984年  X+Y
     ハーバル・ビューティ
1985年 マージナル


 他に佐藤 史生氏が1976年から1980年代に書いているものはほとんどSFだし。もっともこの方はその後の作品もSFばかりか。

 最近の竹宮、萩尾両氏はスペースオペラ的なSFは描いていないですね。時代の流行というものもあるかも知れません。
 
松本零士 宇宙戦艦ヤマト 1974年~TV放映
松本零士 銀河鉄道999 1977年~1981年 週刊少年キング連載
高橋留美子の 「うる星やつら」 もSFだよな~、地球が舞台だけど。 1978年~1987年 週刊少年サンデー連載


 ところでこの1980年前後というのは、竹宮・萩尾両氏とも30歳を越えて知力・体力ともに充実、油がノリノリの頃。これらは当時描かれたお二人の代表作、傑作の内のひとつ。(お二人とも代表作多すぎて) 以下の記事では竹宮氏が 「テラへ…」 は剛速球だったと語られています。

マンガナビ 漫画のススメ記事 → 『地球へ・・・』は心身ともにぎりぎりの豪速球だった

 「スター・レッド」 の方も、これが週刊連載だったとは思えない 絵の完成度 があり、今見てもほれぼれする。私個人的には 萩尾氏 の1980年代の絵柄が特に好きなんです。

 実は…偉そうに書いてきましたが、私この2作品とも今回初見だったんですよね~はぁ~、何をいまさらとお思いの方も多いと思いますが、リアルタイムの頃は私も20代後半でちょっとマンガどころじゃない私生活を送っていたもので (あまり深くは詮索しないで)
 で、前々からじっくり読んでみたいと思ってまして、マンガ喫茶でも手に取ってみたんですが、「テラへ…」 は何しろ長丁場だし、手元に取っておきたいとも思ったもんで待ってました。一昨年この新装版が出た時におっと思ったものの、3巻同時に買い込むにはちょっとお高い。BO落ちを狙ってました。(笑)

 「スター・レッド」 は萩尾 望都パーフェクトセレクションの中にあったけど、これも1冊1,680円でしたね。文庫でいいやとこちらを購入しました。重ね重ねごめんなさい。 (誰に?) 4冊とも長く自分の蔵書にしますので許してね。
 あれれ、あまり内容には触れないでいるうちに長くなってしまいましたがもうちょっといけるかな。

「地球(テラ)へ」
 文句なくかっこいい宇宙活劇 ! はらはらどきどき3巻一気に読みました。ちょっと宇宙船とか機械類の表現がつたない気もするけれど、今のようにそれ専門のアシスタントや外部スタッフを雇う需要も供給もなかった頃、マンガとしては十分見られるのでしょうがないでしょうか。

 「スター・レッド」 
 最近は男性の主人公 (おじさん率とみに高し) の多い萩尾氏の作品ですが、これはかっこいい女の子が主人公です。才色兼備でESPで、しかもなんか色っぽいよ彼女。可愛い女の子は萩尾氏良く描くけれど、主人公でこんな色っぽい子は少ない気がする。 ゴールデンライラック のビクトーリアの成長した頃の色っぽさとはちょっと違ってて、萩尾氏の中では珍しいな~。
 感想がちょっとになってしまいました。引き続き萩尾氏の 「マージナル」 読んだので、(これは再読) その感想書きますから許してね~~



      萩尾ファンと思っていたのに読んでないものがあまりに多いと知って青ざめたトミー。
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短編の名手 高橋 留美子

2008年09月04日 11時19分35秒 | マンガ家名 た行
 トップ写真は 満天さん にお借りしている 高橋 留美子氏 の短編集・傑作選など。

 男性作家でも女性作家でも確かに短編の上手な漫画家さんはいると思う。もちろん、そうでなくともその人のマンガ全般が面白くないというわけじゃない。長年長編を連載し、話が面白く続いて人気が落ちず、しかも大団円をうまくまとめてこれぞ名作 ! と言われる作品 (はて、あなたはいくつ思い浮かべられる ? ) をものしながら短編はちょっとね、という方もおられよう。

 本のページ数が多くなった昭和40年以降は読み切りといっても何十ページもあるから短編というよりも中編になっていて、前中後編+読み切り1つでコミックス1冊分になってしまうものもある。短編と言ったら、8ページ・16ページ長くてもその倍くらいか ?

 私が上手だなと思っているのは、(あくまで主観) 女性では 水野 英子氏、萩尾 望都氏、上の写真の 高橋 留美子氏、山下 和美氏 や 吉野 朔美氏 もなかなか。最後の二人は短編の連作ものが良いかな。
 男性では SFショートの藤子 不二雄氏、石ノ森章太郎氏の初期少女マンガ、あすなひろし氏、 最近の男性作家さんはよく知らないのでごめんなさい。

 短編では起承転結のしっかりしたお話はもちろん、やはりオチが重要だと思うわけで、短いうえに納得させられるオチがないものは印象にも残らない。上記の皆さんは皆ふたひねりも三ひねりも練りに練ったお話で読者をその世界に引き込んでしまう。それがシリアスでもギャグでもほのぼのでも、人の心に残っていく。


 そこで今回の高橋氏だけれど、上の主に青年誌に発表された一連の作品達はかっこいいヒーロー・ヒロインは皆無で、この手のマンガ本をよく読んでいるような中年サラリーマン男性やその奥さんが主人公のことが多い。お腹のたるんだ、さえないサラリーマンやら、家事に姑にご近所付き合いに疲れた奥さんたち…。
 しかもお話は日常に起こりそうな家族間の設定・状況の中で起こり、でもちょっとないかな~、あるかな~くらいのところがまた上手いなと思うんだけれど。

 女性の側から読んでいると、こんな生活感のある短編をよくぞ青年誌に発表してくれたな、女性の立場や家庭の仕事を厭味じゃなく描いてくれたな、男性だって大変だよな、といろいろ思う。あまりジェンダー論は言いたくないが、高橋氏が女性だから描けた作品だ、と言いたい。

 高橋氏には少年誌で何年も連載された 「犬夜叉」 とか 「らんま1/2」 とか 「めぞん一刻」 とか 「うる星やつら」 とか先ほど私の言った 長年長編を連載し、話が面白く続いて人気が落ちず、しかも大団円をうまくまとめてこれぞ名作 !  がいくつもある。
 でも最近の彼女の本質はこのような、ファンタジーではない現実の生活から浮かび上がる人生の機微を映した見事な短編にあるのだと思う。
  tooru_itou さんお勧めの 「赤い花束」 では涙がこぼれました。

 ↑ すみませんm(_ _)m  tooru_itou様のお薦めは 「専務の犬」 で 「赤い花束」 ではありませんでした。(コメ欄に tooru_itouさんよりご指摘いただきました。) 大変失礼いたしました。

 高橋 留美子氏は、ストーリーテラーで絵もうまい、本当のマンガ家さんだと感心する。

 
 いやさ、同じところをぐるぐる廻って楽しい 「王家の紋章」 も嫌いじゃないけどね。 -終わるんだろうか、終わらないと思うけど。- 子供の時から読んでます ! 細川先生ファンです ! これからの展開も楽しみです ! あわわ。。。。
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とりの なん子 「とりぱん」

2008年03月10日 13時28分39秒 | マンガ家名 た行
 先週末、うっかり ザ恋愛インタビュアー - あなたの代わりに1000人にインタビューしてきました。 なんてのに引っかかり、ズタボロな答え  ↓ 

 いつも悩んでいて、あきらめる恋愛をし、いつも泣かされて別れ、ややS気味の人がお似合い・・・

 にガックリして気落ちしていましたが、なんの、40年かけて探した (いまの結婚したのが40歳) 大人なだんな をゲットし、泣いてすがるボーイフレンドたちをかき分け振り捨て、ハワイで結婚したこの私に向かって 何をほざくか~~ と一蹴してちょっと落ち着きました。

 続けて週末は手持ちのマンガの中から
北上 れん 「ホネヌキにされたい」
日高 ショーコ 「リスタート」
草間 さかえ 「はつこいの死霊」
まんだ 林檎 「画面の告白」  いづれもBLなので興味ない方はパスしてね。

 などを読みふけり、一途な年下攻めっていいわ~と癒されてだいぶ気分も高揚してきたところで読んだのがこれ。(ああ、長い前置き)

 
        とりの なん子 「とりぱん」 1~4巻 ㈱講談社 ワイドKCモーニング


           いつも感謝の たれぞ~さん にお借りしています。

 実はまだ3巻までしか読んでいないのですが、もう誰かにこの気持ちをを伝えたくて・・・。何度大声で笑い、うっと泣き、マンガに興味の無いだんなのところへ持って行って無理やり読ませたことか。

                   これ、おもしろ~い !

 基本は給餌台を設置して野鳥を観察している とりの氏 の野鳥観察日記なのだが、野鳥達の人間臭い性格がもう笑えて笑えて。
 出てくる脇役 (?) もみなさん個性的。野草の処理・料理のプロにして漬物名人のお母様、釣りや野草とり、庭の手入れなどいかにも里山のお父さんという感じのお父様、近所の猫ミーちゃん(8kg この子最高 ! )などなど。
 本当は北東北地方の大都市のベットタウンらしい作者の住んでいる新興住宅地は、私の住んでいる関東地方の住宅地とは気候など大違いなのに、なに、この郷愁は・・。
 作者の子供の頃の思い出など出て来るが、現在の話の方が多いのに、読んでいると自分の子供の頃の事をたくさん思い出す。

 夏、昼寝から覚めてぼーっとした耳で聞くヒグラシのカナカナカナ・・・・という鳴き声、夕方不気味なこうもりが群れて飛んでいたうちの庭の闇、ピーンと晴れた冬の朝、鉄道の鉄橋から見る富士山の勇姿 (実家のあたりでは空気の綺麗な冬の、見晴らしの良いところでしか富士山は見られません)、霜柱をざくざく踏みつけて遊んだ日陰。誰にでもある思い出の数々。

 それとは別だけれど、大泣きしたエピソードが2巻の半ば頃の カマさんシリーズ。大風の後に玄関先で拾った オオカマキリのメス を生餌を与えて1ヶ月ほど飼っていた、という話なんですけど、卵を産んで死んだときには不覚にも大号泣。
 風邪引いて体力が落ちていて弱気になっていたとはいえ、何100キロも離れた知らないマンガ家さんの飼っている たかが昆虫 のことで何でこんなに泣けるのか、不思議だなぁ。

 昔、マンションの8階に住んでいたとき、不精なので観葉植物の鉢一つ置かなかった。そのくせここには自然がないなあと思っていたが、ハタと猫がいるじゃないかと思った。当時2匹いた猫たちは唯一のこの部屋の自然だと気がついたのだ。息してシッ○してウ○チして、けんかして甘えてすねて出てこなかったりする。ああ自然って偉大だ。

              本当は自分という人間族が一番性悪な自然なんですけどね。
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竹宮 惠子 「ブライトの憂鬱」 ⅠとⅡ

2007年01月23日 13時44分00秒 | マンガ家名 た行
 右 「ブライトの憂鬱」 平成14年(2002)5月1日 初版
 左 「ブライトの憂鬱 2」 平成17年(2005)2月2日 初版

 私のお気に入り、「わたしを月まで連れてって」  感想はこちら → 

「わたしを月まで連れてって」

 の続編2冊。おヤエさんとハリアンさんの双子の息子の方ブライトの不機嫌な日常の理由とは。いえ、ブライト本人が引き起こしていることばかりなんですが。彼はESP(エスパー)なんです。

 本当のESPがいたらこんなもの (?) かしら。人間不信にはなるわよね。電車の中でボーッとあらぬことを考えていて、ハッとこの電車の中にESPがいて、私の心の中を読んでいたら・・・なーんて考えた事ないですか ? ぞっとしますよ。もっとも読むほうもこんなアカの他人のおばちゃんの心なんていちいち覗く趣味もないでしょうし、やったとしても疲れるだけでしょうけど。

 ブライトが周りの人間にそれをやらずにいられないのは小心者だから・・・とも考えられませんか。一見完璧 (生まれ、財力、勉強みんな) とも思えるブライトが本当は。本人は双子の妹を守る為なんて言ってますが。人間なんて弱いのよ。他人より優れた能力があったら使わずには居られないのよ。
 
 ケーコたん (竹宮 惠子) のSFは又一歩進化したように見える。これは2000年~2004年の作品で、その後はこんなSFを描いていないように思うけど (描いていたらどなたか教えて) もっとこの路線見たいです。出来たらこの続きを。

 10年後くらいからの、「私を月まで~」 の繰り返しから見たいんだけど。
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竹宮 惠子 「私を月まで連れてって」 完全版

2006年12月26日 12時41分38秒 | マンガ家名 た行
          連載当時のカラーまで再現した完全版、全6巻です。

 ㈱白泉社 1冊 980円 2005年8月から出ていましたが、しばらく知りませんでした。中古で1~4巻まで売っていたのでとりあえず買い、5と6巻はセブンαワイで購入。ネットオークションで探すのは、私やったことないのですが、どっちがどっちなんでしょ。2冊くらいなら、送料かけるよりセブンイレブンにて手数料なしで受け渡し出来る新品の方が、今回はいいかなーと。

 「フォアレディ」 連載中は、リアルタイムで毎号楽しみに読んでいました。しかし、今回このコミックスを読んでいて、最初と最後の方は読んでいないなぁと思っていたら、「Vol.1 夢みるマーズポート」は、1977年『SFファンタジア 地上編』に載っていたのですね。そして、「Vol.48 ハリアンさんの日曜日」以後は『プチフラワー』1986年3月号からとなっているのを知りました。その間が 「フォアレディ」 連載らしいです。見たこと無いわけだ。

 巨匠、竹宮 惠子が「Fly me to the moon」 のメロディーに乗せて送るSFラブロマンス!!最初の頃は・・・そうだったのですが・・・????。
様々なSF作品やSF作家が例に出てきて、SF好きにはたまらないでしょう。連載が長くなってくると、内容がSFばかりではなくなってきますが、面白さは変わらず゛、特にハウスキーパーのおヤエさんの存在がーーー読んだ事ある方、わかりますよねー、最高でしょ後半は主役の年の差カップルを完全に食ってます。おませなESP11歳のニナと、A級アストロノウツ(宇宙飛行士)ダン・マイルド26歳のカップルも可愛いんだけどね。

 4巻の後半くらいからおヤエさんにプロポーズ70回以上の大富豪の跡取り息子ハリアン・シェラトン氏がお出ましになります。それからの展開が又おかしいのよ。
 1度読んだものを買うのは、私よっぽどなのですが、これはずっと面白かったと言うのが頭に残っていて、「完全版」 と言う事もあり我慢できずに買ってしまいました。続編のハリアンとおヤエさんの双子の子供たちの物語、「ブライトの憂鬱」 全2巻も買うつもりになってます。
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「陽の草原の物語」 作画 塔野 藻裳(もも) 

2006年12月11日 10時45分32秒 | マンガ家名 た行
    ㈱ ルネッサンスブックス 刊 原作 黒住 格(いたる) 「草と太陽」 より

 11月28日の当ブログにコメント頂いた、塔野 藻裳さんという方のコミックスです。コメント頂き早速塔野氏のブログに伺ったところ、古代を舞台にコミックスを出されたところだというので、古代は私も好きな時代とて、早速購入させて頂きました。(アマゾンにて)
 
 原作者の黒住氏は眼科のお医者様で、ネパールにおける長年の眼科医療活動で毎日新聞国際協力特別賞を受賞なさっていますが、残念な事に2003年3月に亡くなられています。
 作画の塔野氏は大阪府池田市出身の方。

 すぐに手元に届きましたが、2~3日他のものを読んでしまっていたので、この週末に読みました。
 大和朝廷黎明期の頃のお話で、地方の一部族、ひとつのムラが中心になっています。主人公はそのムラの部族長の子供。物語はまったくのフィクションながら、当時なら必ず日本全国にあったに違いない、と思われる大きなストーリー展開で、又人間の描き方も現代ものを読んでいるような普遍的なエピソードがちりばめられています。夢物語の昔々のお話ではありません。
 少年の成長物語とも読めるし、帯にあるように 「自己実現」 のストーリーでもある。

 もうちょっと主人公の 稲速(いなはや) を見ていたかったな、という思いを残しながら読み終わりました。

 あとがきにかえて ― という原作者とのかかわりなどのお話に、塔野氏の思いが溢れて、これだけでひとつ小説を読んだように感激してしまいました。
 表紙や解説など載っていますので、興味がおありの方は見に行ってみて下さい。 ↓

   コミックスホームページ   →     陽の草原の物語


   ブログページ        →     塔野 藻裳の漫画な旅路
 
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「風と木の詩」 作: 竹宮惠子

2006年06月16日 11時14分59秒 | マンガ家名 た行
          さてさて、この大物はどうカキコしようか。

 私の持っているのは、小学館版のコミックです。(この写真とは違う)
 この作品は1976年から1984年まで連載されていますが、小学館版は、連載中に出版が始まったものではないかと。流石に現在は絶版です。
 17巻くらいまであると思うのですが、最後の2巻が買い集めた当時、どうしても見つからなかったので、ラストは違う出版社のを買いました。読めればいいんです、私。

 「日出処の天子」と同様、この大作には幾つもファンサイトが有って、私ごときが一ブログで云々なんてとても言えません。先日うちにあるコミックをぱぁ~と読み飛ばして再読しようとしましたが、読み飛ばせないのですよ、これが。つい何日もかけてじっくり読んでしまいました。

 ご存知、竹宮惠子先生(当時は恵子)の大傑作にして代表作。しかし、読むたび痛くて辛い。途中でやめる人も多数いると聞く。だいたい主人公の二人、セルジュとジルベールは心も体も痛めつけられ過ぎ。よくこれで生きていけるなぁと思うのは私だけでないでしょ。

 通しで読んでいると、セルジュは大事なピアノを弾く時に限って、腕を痛めつけられてるし、ジルベールは毎回 (毎月か・後には2ヶ月に1回の連載) 傷が絶えない上に、毎回犯されまくってるし。最後には麻薬まで打たれてる。

 最後に行くほど、悲惨なんだけど、読んで見届けないといけない気がするのよ。そして毎回涙する。この作品、現在終わっているところで本当の構想の半分だとかNHKの「マンガ夜話」で言ってたような。(はっきりしません。すみません)ジルベールのいない、この後のお話しはどうなってくのか。続きが読みたいものです。もう、無理なような気もするが。


 皆さんは最後まで読めましたか?

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「ホットロード」 紡木たく マーガレットコミックス

2006年06月15日 09時03分44秒 | マンガ家名 た行
 最近、猫の介護で夜のお出かけが出来ないので、大人しく自分の本棚に持っているマンガコミックなぞを読んで過ごしている。紡木 たく氏のはこれしか持っていない。というか、やはりこれが氏の最高傑作かなぁと思うのだが、ファンの方はどう思われるだろうか。
 今は絶版になっているようだが、私が持っているのはこの、マーガレットコミックス全4巻のもの。

               
 

               


               


 コミックス1巻目は1986年12月発行となっているが、コミックス発行時どころか連載中もすでにこの物語の主人公の14歳少女より、その母親の年齢だった私。どうしたきっかけでこのマンガに出合ったか思い出せないが、マンガ読み空白期間の30歳代に、はまった貴重なマンガである。現在30代中頃の女性には、とても懐かしく、影響を受けたマンガではないか。青春のバイブルでした、なんて書評もあるくらいだ。社会現象になったくらいヒットしたから、私も知っているのだろう。

 今調べてびっくりしたが、2005年3月に「特別企画 ホットロード 全2巻セット」とか出ている。20年を経てまだ出版されている (読まれている) のですね。


 お話は、14歳少女と暴走族の頭(アタマ)になった少年のもどかしい恋愛話なんだけど、淡々とお話が進んでいく。もちろん他にも、母親と娘の物語、憧れの先輩カップルの話、教師と生徒の話、暴走族同士の抗争の話、少年の方の家族の話、といろいろ展開するのだけれど、こうやって文章で書いてもあの感じは伝わらないなー。

 流石に私は当時の中坊みたく (暴走族入りてーまでは) はまらなかったが、今で言えばNANAのように青春のドキドキ感一杯で胸がトックントックンしたよ。


 まだ読んでない方、チャンスがあったらぜひ読んでください。自分の中学生の頃、自分の子供が中学生の頃、こんなだったんだなーと思い当たります。

 
 あ~、ハルヤマ好きだったな~。当時好きだったやつとイメージ重ねてた。(あくまでイメージです)
 きゃっ。

 
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竹宮 惠子 「紅にほふ」

2006年06月01日 11時21分19秒 | マンガ家名 た行
     竹宮作品では、これが好き。

 膨大な量の作品のある竹宮 惠子先生。これまたとても全ては買い揃えられないので、家にあるのは「風と木の詩」とこの1・2巻のみ。マンガ喫茶では「天馬の血族」をじっくり読みました。そういえば、「天馬の血族」は完全版というのが出ているようだけれど、最後のバタバタを書き直した物なんでしょうか。どなたか教えて。

 「私を月まで連れてって」は、連載中に楽しみに読んでいて、(ビッグコミック スピリッツだったっけ)コミックになってからマンガ喫茶で読み直し。通して読むと又、竹宮先生のポップな魅力全開で楽しい作品でしたね~。


 で、「紅にほふ」ですが、
             
                 

                紅にほふ2巻の表紙

 
 最初、小学館のビッグゴールドコミックスの1巻を手に入れて、続きが読みたくて、読みたくて、でも2巻と3巻が見つからなくて。持っているものは初版で、帯に月刊「ビッグゴールド」にて連載中とある。これを買ったのは出版後ずっと後ですが。


                 
 

                最初持っていたのはこっち



 去年、ネットで取り寄せてコンビニで支払いと受け取りができる、と言うセブンアンドワイというシステムを利用するようになったので、中公文庫コミック版の1巻と2巻を買いました。ビッグゴールドコミックスの方が版が大きくて好きなんですが、絶版になっているらしくて。ビッグの方は3巻ありますが、中公文庫の方は2巻にまとまってます。

 作者の家族とおぼしき女性達の戦前・戦中・戦後の女性史。旧満州の、今となっては珍しい風俗とか、華やかなで悲しい芸者さんの世界とか(芸者置屋が前半の舞台)一転して、戦中・戦後の厳しい生活など、教科書で勉強するより、こちらを読んだほうがよっぽど現代史の勉強になる。途中写真を転写したようなページに当時の政情を説明してあって分かりやすい。

 手製のリュックひとつで南方から引き上げてきた自分の父親の姿がだぶって、(見たわけじゃないけど) 2度目3度目に読んだ時の方が泣けました。

 50歳代の私でも、先の大戦は歴史のかなた。月並みだけど、若い方にこそ、読んでもらいたいと思います。

 
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