喫茶店の看板犬 マルちゃん

　会社の近所に、30年くらいやっている喫茶店があります。今は母娘で切り盛りしてて、そこに柴犬が居る。正確には、夕方住居から散歩に来て、そのまま終わりまでのご出勤となる。マルちゃんと言って、私はその子が4ヶ月くらいの時からの知り合い。

　いつも綺麗に手入れされていて、毛並みは艶々、ブランド物の首輪がよく似合っていた。ぎゅっと抱いたらいい匂い。うちのガサ男(ミックス犬)とは大違い。見るからに都会のわんちゃんだった。

　その犬付き喫茶店が、今日3月17日で閉店となる事になった。詳しい事は知らないが、元々西麻布に今時こんな昭和レトロな喫茶店、よくやっていけてるなぁと思っていたので、びっくりはしない。しないけど寂しくなる。私が今居る事業所が本社の近くから引っ越してきて約9年くらい。道の向かいのこの喫茶店にはよくマルちゃんを見に(さわりに)行ったものだ。


　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　常連さんには何をされようが大人しいマルちゃん。


　柴犬は、結構気性が激しくて、歩いている柴犬に不用意に手を出したりすると、吠えられたり、噛まれたりする。このマルちゃんも噛みはしないが、うちの社員が手を出して吠えられたりしていた。でも、常連さん(特に女性)には何をされても我慢。店のドアの向こうに居て、ドアを開けると尻尾を振って熱烈歓迎、知らない客にも店に入る人には愛嬌を振りまいていた。

　本社の近所に住んでいるとは言っていたが、マルちゃんにいつも会えなくなるのは本当に寂しい。又ひとつ、私の

　　　　　　　　　　　　　　　　「店の名はライフ」


　が無くなって行く。