前の記事はこちら RoboCupJunior Rescue Line – Rules 2020 その2
変更部分だけ説明すれば、あっさりと終わると思っていたのですが・・・(変更部分が)結構ありますね。
NEW 2.7.2 The black line will begin again at the exit of the evacuation zone.
黒線は、救助区域の出口で再び始まります。
救助区域の入口で一旦終わった黒線が、(救助区域の出口から)再び始まってゴールタイルまで続きます。
・・・というのが追加されました。
NEW 2.7.3 The evacuation zone is 120 cm by 90 cm with walls around the 4 sides that are at least 10 cm high and coloured white.
救助区域は120 cm x 90 cmで、4辺の周りの壁は少なくとも10 cmの高さで白く着色されています。
これ、何が「NEW」なのだろうと、2019年ルールと見比べてみると・・・白色がNEWなのですね。レベル2の避難場所が黒色なので、それと区別が付けば壁の色は何色でも良いと思うのですが・・・まあ、色が明確になったということで・・・
NEW 2.7.5 At the exit to the evacuation zone, there is a 25 mm x 250 mm strip of green tape on the floor.
避難区域への出口では、床に25 mm x 250 mmの緑色のテープが貼られます。
はい、もう、何度も出てきたし、最初の絵(図)にも描かれていたので、分かりますね。
NEW 2.7.7 The evacuation point can be placed in any of the non-entry/exit corners in the evacuation zone.
避難場所は、救助区域内の出入口の無いコーナーに配置します。
これは、2019年ルールの3.8.1が移動したものです。昨年のルールでは「入口」となっていたのが「出入口」に変更されました。
(ある意味、2019年ルールも出入口だったのですが・・・)
NEW 2.8.2 A victim represents a person and is in the form of a 4-5 cm diameter ball with a maximum weight of 80g
被災者は人を表し、最大重量80 gの直径4〜5 cmのボールの形をしています。
被災者は直径4~5cmのボールですが・・・重さが規定されました。最大80gだそうです。
ゴルフボールが(最大)45.93gということなので、80gは結構重そうですね。
NEW 2.8.4 The victims will be located in a random manner in the evacuation zone. There will be exactly two live victims and one dead victim placed in the evacuation point.
被災者は救助区域にランダムに配置されます。 救助区域には、2人の生きている被災者と1人の死んだ被災者がいます。
2020年のルールの目玉ポイントですね。被災者の数が規定されました。(固定されました) だから、この生存者2名と死んだ被災者1名という情報はプログラムに組み込んでも良いことになりました。救助部屋で被災者を救助していて、既に2人の生存者(銀の玉)を救助したあとは、生存者はいないと明確に判断できるわけです。
これで、どうなったら、救助部屋を出て、ゴールを狙うか・・・という作戦が立てられるようになりました。
※英文の evacuation point は evacuation zone の間違いだと思います。最初から避難場所に被災者が居たら救助できませんよね。(笑)
NEW 2.9 Rescue Kit
2.9.1 A rescue kit is represented by a light block with dimensions 3 cm x 3 cm x 3 cm of under 50 g, and it will be a blue colour.
2.9.2 Teams can either choose to carry a rescue kit to drop off into the evac zone, or to have the rescue kit on the path towards the evacuation zone
2.9.3 If the team chooses the rescue kit to be placed on the path, the placement will be on any tile prior to the evacuation zone, but with at least 15 cm from any gaps, speed bumps, inclined tiles, walls, obstacles,and edges of the field.
2.9.4 For teams that choose a level one evacuation zone and the rescue kit to be placed on the path, it will be placed after the final speed bump and obstacle before the evacuation zone.
2.9.5 For teams that choose the rescue kit to be placed on the path, when viewed from above, the furthest point of the rescue kit will be maximum 5 cm from a nearby black line. rom a nearby black line.
2.9.1レスキューキットは、サイズが3 cm x 3 cm x 3 cm、重さが50 g未満の青色のブロックです。
2.9.2チームは、(最初からロボットに搭載した)レスキューキットを救助区域に移動して降ろすか、救助区域に向かう経路にレスキューキットを置くかを選択できます。
2.9.3チームがレスキューキットを経路に置く選択した場合、レスキューキットは、救助区域の前の任意のタイルに配置されますが、ギャップ、スピードバンプ、傾斜路、壁、障害物、およびフィールドの端から少なくとも15 cm離れています。
2.9.4避難場所にレベル1を選択し、さらに、レスキューキットを経路上に設置することを選択した場合、レスキューキットは、救助区域の前の最終のスピードバンプと障害物の後に配置されます。
2.9.5経路上にレスキューキットを配置することを選択するチームの場合、上から見た場合、レスキューキットの最も遠い点は、近くの黒い線から最大5 cmです。
こんな感じでしょうかねぇ。
2020年ルールで追加されたレスキューキットです。
ドラフト版では、経路の途中に置かれたキットを(ロボットが)拾って避難場所に運ぶしか無かったのですが・・・それは流石に難しいだろうということで、「レスキューキットを最初からロボットに載せておく」という選択肢が追加されました。
つまり、チームは競技毎に以下の2つから選択します。
①レスキューキットを最初にロボットに搭載しておく
②経路上に置かれたレスキューキットを途中で見つけて積み込む
この②をできるチームがどれだけいるのか・・・期待しています・・・(笑)
最初からロボットに積んでおけば、救助区域の中で避難場所を見つけたらそこに落とすだけでレスキューキットの配布が成功します。
また、途中でキットを拾う場合でも、避難場所をレベル1に設定すれば、スピードバンプや大きな障害物の後に設置されて・・・つまり、レスキューキットを持ち上げなくても、押して動かすだけで避難場所に入れることができるだろう・・・という、お助けルールですね。(2.9.4)
あとは、レスキューキットが置かれる場所の条件が書かれています。
まあ、実際の競技では、「障害から離して黒線の上に置く」ことになると想像してます。
※2.9.4の英文にある choose a level one evacuation zone は evacuation point の間違いだと思います。(チームが選択するのはレベル1の避難場所(黒の三角)であって、レベル1の救助区域ではありませんよね。 笑)
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