RCJJレスキュー技術委員会のブログに、今年の日本大会の(レスキュー)の審査基準が掲載されていました。
(V1.0ということで、まだ変更になるかもしれない・・・という注意書きがあります。)
以下、あくまで私個人の感想です。
https://rcjjrescue.blogspot.com/2021/02/2021.html
で・・・まずは Rescue Line のヤツを見てみました。
どうも、今回の大会は、チームアピールのプレゼン大会のようで、この審査基準に従って、どれだけチームが決まった短い時間で高得点のアピールができるかを競う、弁論大会のようなものだと分かりました。
評価項目はこんな感じ・・・
これで、プレゼン賞や技術賞のようなものを決めるのなら良いのですが・・・これで、世界大会に参加するための日本代表(つまり Rescue Line での日本一のチーム)を決めるの!?
高専ロボコンのように「アイディア対決」ならわかるのですが・・・
今回の評価であれば、ライントレースができなくても、ギャップの通過や障害物の回避、傾斜路の通過などが単体でできれば得点になります。
本来の競技では・・・ギャップの通過ができても、ライントレースができなければ得点になりませんよね・・・だから、ライントレースがきちんとできることは、重要性で言えば競技全体の9割以上だと思います。
しかし・・・今回の評価では・・・評価項目J1でライントレースができると1点(たったの1点)
逆に評価項目B2で、モータードライバを自作していると4点(ライントレースの4倍の得点!)
モータードライバを自作することよりもライントレースがきちんとできることの方が100倍重要だと思うのですが・・・
なんか、この得点の割り振りが、全然納得できていません。
(特別なセンサーや、珍しいプログラミング言語を使うことよりも、確実にライントレースをできるロボットを作ることが大切なのではないですか)
本来のレスキューという競技を考えると、ハードが特別に素晴らしくなくても、ソフトが特別に素晴らしくなくても、スタートしてからゴールするまで確実に動くロボットが、良いロボットですよね。
本来の競技の結果ではなく、ロボット工作(ハードウェア)やプログラム(ソフトウェア)の技術力を競う大会にするということでしょうか!?
ということで、今回の大会は、これまでの競技(競技の得点で順位を争っていた)とは全く異なる競技会にするようです・・・
Rescue Maze の審査基準も見ましたが・・・まあ、同じですね。
本来の競技では、いくら素晴らしいカメラを搭載して、色の被災者や文字の被災者を発見できる機能があっても、経路を進める能力が無ければ被災者発見の得点になりません。だから、経路を(きちんと)進む能力は全体の9割以上の評価があっても良いと思います。
でも、今回の大会では・・・評価項目J1で迷路探索ができてもたった2点です。
ところが、評価項目J7で熱の被災者を発見できると4点です。
被災者発見よりも、経路をきちんと進める(これが迷路探索ですね)ことの方が100倍重要ですよね。
ということで、評価項目はさておき、評価の得点が、まったく納得できません。
(まあ、私が納得してないからといって、競技会がどうにかなるわけではありませんけどね)
ところで、評価項目J1には走行前方、J2には走行左側、J3には走行右側、と書かれています。これは何だろう!? ロボットの前にある熱の被災者を発見しなさい。ロボットの右側の実時の被災者、ロボットの左側の色の被災者を発見しなさい・・・ということでしょうか!?
これまでのレスキュー競技は、チームの総合力が重要だと考えています。ハードウェア技術、ソフトウェア技術、チームビルディング、スケジュール管理やコスト管理、設計、開発、テスト、改善のサイクルなど、全体としてどれだけバランス良くこなせるかでしょう。
そういったプロジェクトマネジメントの評価が抜けているように思います。
また、ロボットで言うと、いかにコンパクトに作るか(小ささ)、メンテナンスの簡易化(電池交換が楽ちんとか壊れた部品の交換が簡単など)、ハードの信頼性(壊れないハード、そういう意味ではモータードライバを自作することは逆にマイナス!)、ハード/ソフトの障害切り分けが簡単にできる(ロボット単体でセンサーの値を確認できるとか) こういうところが評価として重要(必要)なのではないかなぁ・・・
まあ、あくまで、私個人の感想です・・・(笑)