都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

「外人」と呼ぶのはダイヴァーシティの時代に反しないか、インターナショナル観光客の数よりターゲットと満足度追及の「質」が重要

2022-06-20 02:06:13 | 都市経営

 TVなどで「外人観光客」誘致などと聞くと違和感がある

 外人の反対は日本人であり、外人とは非日本人のニュアンスを感じる。30数年前MITの学生であったときはInternational Student(s)と呼ばれた。アメリカに住むと母国はともかく、人種間の軋轢はあるもののアメリカ人となっていた。

 外人ではなく、国際観光客やインターナショナル観光客と呼べば良い。国内居住の方は、国際市民、インターナショナル市民と呼べば良いと思う。

 菅元首相が「円安をてこにインバウンド(訪日外国人客)事業を」( https://news.yahoo.co.jp/articles/7b7d6e9066575f8c6a44aab37b3807a22d2161cb )と相変わらずの発言だがマーケティングが分かっていない。

 観光とは少ないとホテルなどの設備稼働率が悪く、多いとオーヴァー・ツーリズムの弊害が出る。このコントロールが必要だ。つまりは、定常的に消費単価の高い太客を狙うのが賢明だ。

  DBJも2016年の「量」の必要性( https://www.dbj.jp/pdf/investigate/area/kansai/pdf_all/kansai1608_03.pdf )から脱却した。

 ホテルのセグメンテーションによるラクジュアリー・ホテルのポジショニングとターゲットとする高収入層を分析し、近年の観光変化を踏まえた需要予測を提示している。

 このターゲット狙いの「高級(1泊10万円以上)」ホテルも関西では京都を筆頭に整備が進みつつある( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF067VL0W2A600C2000000/ DBJレポート: https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/04a553256fc37c9cc760c851be286385.pdf )

 このターゲットに対し、長い滞在、高級な体験(地元の食事、文化・歴史の体験、特別な見学(貸切や早朝)など)を用意するのが「混まずに」、「いつも賑わい」、「世界から集める」という東京ディズニー・リゾート(TDR)につながる手法だ。

 なお、「いつも賑わう」と「人を集める」については1991年の新建築別冊にて当方がMITでの研究成果として分析している( https://drive.google.com/file/d/11iQaW8FH0qO1tCP6tYxbuMx0s0OGYxL4/view )

 国際観光客誘致もやっと「量」から「質」に転換した。さらに、MICEに絡み、同伴配偶者のイヴェント立案など更なる消費単価と満足度の上昇を図る観光企画が重要だ。今後のリピーター確保にもつながる。エコノミー・クラスを満席にする「量」より、ビジネス・クラスを選んでもらえ、満足して支払う顧客の開拓の「質」が重要なのと同じだ。

 観光は水商売に近い人気を重んじ、しかも、「わざわざ時間と金を費やす」しても「体験」したいという根源を忘れてはならない。なお、安物や混雑で疲労すれば悪い評判が尾を引く。

 これからは、街中でも「国際観光客」や「インターナショナル・ツーリスト」として認識し、「外人」と呼ばないのが良いと思う。

 我が国の一般人より日本文化の造形が深いインターナショナル研究者などごまんといるし、日本語も達者だ。古典や古文書も読めるぞ

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大阪万博はどうなる:事業見直しと大阪市のありかたの検討が必要では

2022-03-24 02:46:18 | 都市経営

 当方はオフィスの集積の分析が専門だが、86年~88年海遊館の事業計画を作成し200万人/年と予測し、現実化した実績がある。

 その観点から、面白い記事があった

https://news.yahoo.co.jp/articles/f8f1483f539c515d7f645300308bf4a7584ddb36 

https://news.yahoo.co.jp/articles/33e62635a3a94b04ff6c691da30270e7c7621d8a

 事業費2,900億円(B/S)がもともとの1,200~1,300億円から高騰とある。( https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/hakurankai/pdf/001_08_00.pdf )

3千万人の集客なら、9,677円/人になる。もちろん、運営の経費(P/L)もかかるため、B/Sから出捐やスポンサー料を引いたとしても回収可能なのだろうか。また、開催後の利用はどうするのだろうか。まさかIR( Integrated Resort )頼みではないと思うが。

 2025年4月13日(日)〜10月13日(月) 184日間、大阪市の公表( https://www.city.osaka.lg.jp/banpakusuishin/page/0000397329.html ) 「想定入場者数:約2,820万人」とすると、平均15.3万人/日(往復では倍程度(現地宿泊分がの祖かれるため))になる。これは、年間3千万人の東京ディズニーリゾート(TDR https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%BA%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%88 )の倍に相当する。つまりは、TDRの大入り満員が続くようなものだ。交通機関の負担が大きく、しかも地下鉄とバスの運行だ。TDRは東京駅から直線距離で10kmほどだが、大阪万博の夢洲は梅田から11km、新大阪から13kmある。しかも、これから交通機関整備のため分担率やピーク時間・曜日・季節の対応が不明だ。

 また、遅れて整備のIRについても出店側からの解除条項( https://news.yahoo.co.jp/articles/addac956fc10e0689603c1bfff49376a939cc21c )は不安だ。用地の土壌改良にも多額の資金が必要かつ計画遅延の恐れもあると聞く( https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20211222-OYO1T50002/ )。よしんば開業したとしても、コンヴェンション(最近はCon-vacation としてConvention+Vacationも多い)でも、同伴の奥様方の観光や、パーティでの知合いへの挨拶と情報交換などが求められる。京都で医学学会が多いのは奥様観光(なり切り舞子や世界遺産見学)が強いからだ。カジノと複合性だけでアメニティとしての歴史や自然のある、京都や奈良、そして都心観光の大阪ミナミに優位性があるだろうか。例えば、我々でもアメリカ観光に行く場合、ニュー・ヨークの都市観光とラス・ヴェガスのカジノ観光のどちらを選ぶ率が高いか考えればわかりそうだが。USJや海遊館も近いが回遊を誘発できるかどうかは未定だ。しかも1兆円を超える投資のリスク、それを回収するカジノでの賭け事とは社会的影響を考えると暗い気分になる。アジアや中東、アメリカのカジノの倒産事例もある。(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/2/3/7/3/4/0/8/_/houkoku1.pdf  https://www.cas.go.jp/jp/siryou/pdf/150519houkoku.pdf )なお、1兆円を借入金で賄えば、不動産担保があるとしてもリスクを見て5%程度の金利となろう。そうなると、利払いだけで500億円/年となる。

 万博1,600億円程の超過も気になる。京都市地下鉄の事業費が3,000億円程膨らみ、未だに財政の足かせになっている( https://www.nikkei.com/article/DGXLZO98426660U6A310C1LDA000/ )

 夢洲への過去の投資はSunk Cost( https://en.wikipedia.org/wiki/Sunk_cost )として認識し、ゆっくり活用を考える方が得策と思うが。南港(咲州)ですら活性化計画が必要な状況だ。( https://www.city.osaka.lg.jp/suminoe/cmsfiles/contents/0000432/432346/HP.pdf )

 さらに、MICEにしてもインテックス大阪が一度も全室稼働がなかったこと、立地として先日のコロナの大阪コロナ大規模医療・療養センターの利用が極低調だったこと、旧WTCのホテルは係争中であり、ATCも閑古鳥が鳴いていることも併せて考えるべきだ。

 地道かつ実直に、大阪市は都心居住とコンパクト・シティを目指し、欠けているアメニティ(水と緑の活用)をまずは推進すべきだろう。更に、区の併合も必要だ。

 関西が連合し、東京からの副本社(リスク分散のため 等)誘致によるオフィス集積の強化や都心産業としてのICTの発展などを狙うのが「クリエイティブ都市」( https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%AB%96%E2%80%95%E5%89%B5%E9%80%A0%E6%80%A7%E3%81%AF%E5%B1%85%E5%BF%83%E5%9C%B0%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%84%E5%A0%B4%E6%89%80%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%8B-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%80/dp/4478006199 )として選ばれるために必要だ。

 デパートの斜陽化が言われるなか、リゾートというハコモノ依存はもやもやした気分になる。

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長崎丸山遊郭(赤瀬浩):遊郭と産業を分析した名著

2021-11-21 02:15:14 | 都市経営

 遊郭の一般的内容をまとめたうえで、長崎の特殊経済と唐人、オランダ人駐日対応から遊郭・遊女を描いており必読の書だ。

 知見は:

・遊女は9C 後半遊行女婦(ゆうぎょうじょふ)、娘子(じょうし)と呼ばれ貴人の前で今様を謡う(白拍子など https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E6%8B%8D%E5%AD%90 ) 、中世には遊女集団として女系的「家」としての集団を形成、15C後半には遊女屋の経営者が男性となり、外部から遊女が流入、中世的な遊女集団が崩壊、近世以降、遊女屋は男性社会向けで性的欲望の場として雲煙、疑似的恋愛など演出し高額化するシステムが形成

・遊郭は公許でルールが厳格、私娼は岡場所→外場所(ほかばしょ)、遊里(ゆうり):江戸幕府、(明治政府も)無認可の売春を取締った

・公認遊郭として丸山遊郭(丸山町と寄合町)は吉原、島原、新町に市街地規模、後背地生産が貧弱で小型、対外貿易が特徴、

・貿易利益の還流(揚代や贈物など)が遊女の役目で、長崎第一の「商品」

・遊郭(堀と山)、周りの「茶屋」、「日本行(日本人のみ)」、「唐人行」・「阿蘭陀行」の外人相手で唐人屋敷や出島に出入りする

・吉原 上級:太夫・格子・三茶・梅茶、下級:鉄砲・けん鈍、囲(かこい)→丸山(身代金で奉公) 太夫、店(見世)、並 

・名付遊女(名義借り:手数料契約)・仕切遊女(特定相手の愛人契約)で唐人・オランダ人相手で遊女としての身分で唐人屋敷・出島に出入り

・舞いや小唄(もとは白拍子のため)のできる遊女が評価

・揚代:日本人 太夫で15匁(約3万円)揚屋送込 だが、「惣花(そうばな:大盤振る舞い)」など、各種祝儀が必要な場合も、唐人6匁、オランダ15匁、(但し見世は25%割安)

・唐人は優遇、薬種:梅毒治療の山帰来(さんきらい https://www.fukudaryu.co.jp/sozai2/sankiraiHP.pdf )など、書籍が貴重なため、唐人を丸山遊女でつなぎとめるため揚代を割安にした

・オランダ人は1年交代のため、遊女をほぼ毎日呼んだ例も、約450万円に相当、高給のため贈物などが多かった、ラクダも。子供ができた場合は年金基金と年金支払いも

・丸山遊女は「太夫衆(たよし)」、(一般客からは「女郎衆(じょろし)」と呼ばれた)は三味線など芸の(裏では色を売る不見転も)「芸子衆(げいこし)」芸子より格上と見られた→これはどこの遊郭でも同じ

・江戸時代に大坂芸子から地下(ちげ)芸妓が丸山遊郭で勢力を伸ばす、両立状態となる。維新後は芸子が芸者となり主役に

・ロシア人対応(1860年~):検黴(けんばい:梅毒検査)は反対にあう

・明治5年(1872)丸山遊女も解放令に:娼妓になり鑑札が必要、芸妓も、しかし全国色街のひとつとなった

 

 産業と色街の関わりを分析した観点が素晴らしい

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コロナ禍が収まると、インフルエンザ並みになるのか:観光はリスクがある

2021-09-20 02:15:06 | 都市経営

 風邪とSARS, MARSに今回のCOVID19がコロナ型のウイルスで、前からあるのはインフルエンザ・ウイルスであり、ちょっと内容が違う( https://www.saiseikai.or.jp/feature/covid19/influenza/ )。インフルエンザの棘はHA,MAが変化する( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/f73629bf882c9e97d82105aff783866a )

 対してコロナ・ウイルスはスパイク(S)タンパクがずらりとならんでいる( https://www.jiu.ac.jp/features/detail/id=6822#:~:text=%E3%83%BB%E8%A1%A8%E9%9D%A2%E3%81%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E7%90%83%E4%BD%93,%E7%9B%B8%E6%89%8B%E3%81%AB%E8%A7%A6%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 )

 インフルエンザも1918年のスペイン風邪では猛威を振るった。( http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/pandemic/QA02.html )今でも、毎年ワクチンの接種があっても猛威の年がある( https://president.jp/articles/-/33053?page=2 )

 これを見るにつけ、コロナ禍もワクチン2回接種で収まりそうもないが、折り合いながら平常を取り戻すのが得策だ。

 研究室の同期は観光会社を運営していたが、SARSに懲りて転業した。パンデミックに終わりはない。観光政策を声高に提唱するものは多かったが、リスクに着目した見解はなかった。観光とは、我が国では過剰投資でMinsky moment( https://en.wikipedia.org/wiki/Minsky_moment )を越え、さらにコロナ禍で需要が蒸発し、今や建築中や休業中案件取引など投機的取引スキームになってしまった。

 観光に頼る都市経営を選らんだ京都市の赤字は、リスク管理とITCなど進出意向のあるオフィスでの都市産業の育成など多様性が欠けていた。アベノミクスに追従し、ホテル旅館開発特化は門川大作の失策というしかない。厄災としか言いようがない。

 今後の安定成長のため学生を地元で雇用する都市産業(ITCや京都ハイテク系)育成に「お宿」を不足する洛中のオフィスに転換しオフィス供給量を増やすか、若年人口増加に単身向け都心アパートに転用(内廊下以外は殆ど同じ仕様のため)し賃貸料低下を図るのが得策だ。

 もっとも怖いのは、次のコロナ・ウイルスが出てこないかだ。観光業界にとっては大きなリスクとなる。

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オフィスは無くなるか:対面の重要性が必要なチームや職種での活用

2021-09-14 02:24:51 | 都市経営

 ジョブ型の採用にしても、課題に対するチームを形成し、課題達成はもちろんだが相互教育や協働での方策立案などが重要になる。となると、オフィスで顔をあわせて、気楽な会話からのつながりやコミュニケーションがより大切になる。

 また、印刷や飲み物のコーナーでの「ふとした出会い」がさらに貴重になり、立ち話でのテーマや人脈が広がりのツールとなろう。目的的な会話だけでなく、「雑談」の機会が大切になる。これは、今までのチーム単位での飲み会推奨ではない。仕事の合間での社内の出会いだ。昔からFMで言われている「無作為」の情報の交換であり、結節するGate Keeperが大事だ(MIT SloanでTom Allenに組織管理論としてFMを習った https://drive.google.com/file/d/11lwMu4zCKb8_ZjOul1D06DBGV7aaJ3t7/view?usp=sharing )

 プレゼンでもZoomでは、ボディ・ランゲージが伝わらず、会議形式で顔を合わせる場合の30%くらいしか伝わらないと感じる。資料のPowerPointでの説明はともかく、Q&Aの盛り上がりや展開とか、Body Heat が感じられない。

 今後のオフィスは、チームがいかにまとまるかとすると、無作為の会話や教えあい、知識の共有、課題解決の話し合いなどが重要になる。とすると、島型のフリー・アドレスよりも「なんとなくかたまる」クラスター型が良いように思う。

 オフィスでのノマド(放浪)ではなく、柔らかな「ムラ」の形成のようなものだ。週に決まった時間集まるように「コア時間」と「ムラの場所」がある方が良い。この管理がマネージャーの役割で評価される要素になる。

 テレワークは事務仕事や資料作成などには良いが創造的、課題解決的、プロジェクト的な職務やチームワークには向かない。デジタルではなく手書き、Zoomではなく雑談やひらめき、ルーティンではなく創造だからだ。

 オフィスの働き方や、働く職制、機能によりこれから変容しよう。コロナ禍の副産物といえるかもしれない

 とまれ、オフィス需要は、テレワークでのオフィス経費削減もあり全体として減少しそうだ

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競争力のあるリエゾン産業:医学部理学部の近辺にオフィス・パークの開発を

2021-06-24 02:44:00 | 都市経営

 アルツハイマー病の新薬ADUHELM(アデュカヌマブ)はBiogen とエーザイの共同開発だ( https://www.biogen.co.jp/ja_JP/news-insights/japanaffiliatenews/2020-12-10-news.html )

 BiogenはMITの北側にあるKendall SQのオフィス・パークに本社がある。30年前は古い工場跡で、近くのRoyal East( https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g60890-d323552-Reviews-Royal_East-Cambridge_Massachusetts.html )の中華ランチにMain St.を歩いたものだ。( https://www.google.com/maps/place/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD+%E3%83%9E%E3%82%B5%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%84%E5%B7%9E+%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8+%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%A2/@42.3634767,-71.096365,16.91z/data=!4m5!3m4!1s0x89e370aeb68b7f17:0xe23345d0fe2cd49a!8m2!3d42.3656686!4d-71.0823956 )

 MITはDARPA( https://en.wikipedia.org/wiki/DARPA )との関係もあり80年代からはインターネット、その後、メディア・ラボ、そして今はGenome(遺伝子)長者の時代と言われている。Biogen( https://en.wikipedia.org/wiki/Biogen )はMIT関係のノーベル賞受賞者などが創業した。今でも、MITの横にあり研究や採用のリエゾン(産学連携)がある。

 比べて、京大のiPS研究所にしても周りにオフィス・パークがなく企業との共同研究やスピンオフの創業の場がない。しかも、建築の高さ制限があり高層化もできない。

 南側の岡崎エリアにおいて移転や再開発など行い面的なオフィス・パークの整備が必要だ。京都市の産業政策はホテル誘致という観光依存が主流だった。

  しかし、コロナ禍で観光の目論見は破綻した。それよりも、学生の割合が最も高い政令指定都市としての優位性を発揮し大学とリエゾン関係を持つハイテク素子、ゲーム、医療、工学など企業誘致に注力すべきだ。

  観光も産業だが水物であり変動が大きい。それに比べ、製品として生産につながる技術の展開や起業は都市産業としての柱となる。また、大学の「近傍」でないと価値がない。

 シリコンバレーにしてもスタンフォード大学が核となり、顔を合わせる距離だから発展した。我が国でも大学近くで再開発等によるオフィス・パーク開発が喫緊の課題だ。特に、医学、理学、工学の近くに欲しい。

 京都市では目先の金よりも、都市の優位性を育てる「都市経営」が欲しい

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元町から三宮を歩く

2021-06-08 02:02:53 | 都市経営

 ひさびさに洋食の朝日に行き、帰り道は、元町、南京町、三宮と歩く。

 昼時の元町は、まあまあの人出。落ち着いている。しかし、シャッターを下ろしている店もある。ドラッグ・ストアが多いが、地元に根付いた喫茶店などは強みがある。

 南京町は、殆ど休業。人もまばら、裏のお店も休業が多い。近くの大丸は盛業で人が多かった。

 三宮へ歩くと、シャッターを下ろし、閉店で募集が目立つ。人は少ない。神戸と言うのにおしゃれ感が無く、携帯ショップなどナショナル・チェーンは開いている。JR駅前は再開発の準備中。

 阪急からの車窓風景で、山側も海側もタワー・マンションがエノキダケのようにまばらに立っている。嫌な風景だ。新規開発禁止( https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46433910R20C19A6AM1000/ )になったが遅きに失した。もともと、震災復興再開発でタワー・マンションが多かった( https://www.city.kobe.lg.jp/a13150/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/redevelop/kobe-kh/susume/index.html )のも行政としての陥穽だ。更に、高齢化や都心居住志向により坂道や眺望の良い立地から駅前居住(タワー・マンション)に変わったニーズも街の変化の要因だ。再開発や工場跡地、大型住宅用地活用などの開発が多いが不便な立地のタワー・マンションもある。

 おしゃれな神戸というイメージより、今や、洋食とステーキの街という思いがある。

 1万1千歩、ちょっと疲れた

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梅雨が早目で、大雨も、コロナとの二次災害が無きよう

2021-05-25 02:46:43 | 都市経営

 皐月の景色を楽しみに自転車で走ろうと思ったら、梅雨入り。テニスもできず、しかも21日からは大雨で朝から、iPhoneに大きな音で京都市の警報が入る。

 外は大雨。湿度が高いのがコロナ・ウイルスの予防には良かろう。人出も少なくなる。

 緊急事態宣言も月末までだったのが延長とのこと。図書館など不便が続く。飲食店の酒類も出ず経済は消費低迷でGDPも落ち込んでいる。かたや、ワクチンの接種は、菅首相だけが1日100万人と怪気炎をあげている。

 これで、オリンピックにこだわる菅首相の判断は尋常ではない。本日やっと、アストラゼネカとモデルナのワクチンが認可の見込み。第二次世界大戦の「失敗の本質」( https://jma-news.com/archives/aw_compass/3970 )において、①暴走する作戦への上部のこだわり(オリンピック)、②戦力の逐次投入(繰り返される非常事態宣言)、③海軍と陸軍の反目(遅れるワクチンの認可)、④ロジスティクスの軽視(ワクチンの輸送、接種、人員などのドタバタ)など共通点が多い。

 我が国は危機管理に弱い、今回の水害もコロナ禍のなか、避難場所の感染や病院の水害両面での災害が起こらないのを祈る

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観光公害(佐滝剛弘):事例が分かりやすい、観光客と地域をまとまめるDMOもこれから

2020-12-20 02:21:22 | 都市経営

 産業としての観光が注目。外国人の国内消費(宿泊、飲食など)の底上げが見込めるが、「観光客」と「地域」の利益相反がある。それにしても、アジア系を主体とした観光客の多さ、ガラガラというキャリー・バッグの音、スーパーやデパートの割引を待ち、夜中まで騒ぐという状態は、京都の街中が程度の悪い(順番待ちの順守がなく、芸舞妓の追っかけなどが横行するなど)テーマ・パークになったのかと思った。

 京都では、宿泊者の4人に1人は外国人となり、ホテル建設で過剰供給懸念、簡易宿泊所、民泊の増加もある。さらに日本人観光客が減少。

 これは、混んでいるから行きたくないという①「観光客(宿泊)」と日本人の「観光客(日帰り)」・「観光客(宿泊)」の対立ともいえる。また、観光シーズンと観光名所の平準化(時間)と分散化(場所)の指摘もある。

 これらは、91年に「ウォーターフロントの計画とデザイン 別冊新建築」 ( https://docs.google.com/file/d/0By9_5eJBeiyQQS1xVVA4dkFRaW8/edit )にまとめたのと同じことが今になって言われている。

 さらに、②「地域」の生活と「観光客」の観光が、生活の安寧、バスの利用、芸妓・舞子へのパパラッチなどいろいろな問題を生む。バルセロナなどでは、民泊による家賃高騰で、住民の郊外流出もあるという。京都では、ホテル開発ばかりでオフィスと住宅不足で、大阪や滋賀への流出がある。

 さらに③「地域の企業」が開発で景観破壊や過度の集客を狙うという「地域の住民」を無視した営利行為の指摘は良い。

 その他、入山料のような自然破壊や混雑緩和の方策と負担はこれからあるべきだ。

 Destination Management Organization (DMO)のような第三者機関を入れて、地域の観光経営として、観光収益と満足度向上、地域との調和などを考えるのは得策だ。しかし行政の交通、都市計画、地域団体との調整が多岐にわたるため立案権限、実施権限などを明確に付与する必要がある。

 と書いたらコロナ・ショックが来た。観光に波があるのはあたりまえだが、3月、4月の京都観光地はゴースト・タウンだ。今回の世界的なコロナ禍のような災害要因も経営のリスクとして内部留保を高める経営が必要だ。また、災害後に向けて、海外・国内とも高額消費観光客にターゲットを絞り、「混まない上質な」観光を目指す政策など官民連携の上( https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001366729.pdf )、用意しておきたい。

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街間格差(牧野和弘):業界からの観点

2020-11-14 02:25:38 | 都市経営

 軽い読み物。「街」の選択こそ「住まい選びに重要」というのは賛同できる。当方は、都心の大型跡地に立つタワー・マンションなどを「都心立地」と呼んだ。衣(医)食住(教)のある街に立つマンションを「都会立地」と区別していた。本著作は都会立地の選好をしている。

 選考の基準はアメニティ(歴史、緑)、コミュニティ、大学近く、新陳代謝(施設の再開発、住人の入れ替わり)など多面的に街を評価している。

 当方は、洛中を選んで、楽しく生息している。医食教があり住もある、そして商と観光もある。自転車で10分走れば世界遺産が多い。絵の題材も自然と街中に多い

 いうことはないが、観光公害が厄介だ(現在はコロナ禍で解消)

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大阪都構想の否決を喜び、今後の政策と負の遺産の解消

2020-11-10 02:22:18 | 都市経営

 大阪市廃止・特別区設置住民投票( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%B8%82%E3%82%92%E5%BB%83%E6%AD%A2%E3%81%97%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%8C%BA%E3%82%92%E8%A8%AD%E7%BD%AE%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E6%8A%95%E7%A5%A8 )でやっと否決され、大阪市民も慎重な判断ができると安心した。いまやタレントの橋下徹の府庁移転騒動から、都構想まで反対を述べ続けた( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/s/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E9%83%BD/1 )

 

1.大阪市の再建の必要性

 今の大阪府の地域GDPは39.1兆円、大阪市は19.8兆円で大阪市を除いた大阪府は19.3兆円になり、大阪市のウエイトが大きい。しかし、大阪府と市の地域GDP成長率は全国を下回っている( 大阪市資料P4 参照 https://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/cmsfiles/contents/0000003/3793/02-2019-1.pdf )大阪市では産業のシェアも低下している。

 大阪府・市での副都市ビジョン( http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27077/00245567/gaiyou2020003.pdf )も用意されていたが、経済面での成長が都心から10km以上(東京なら東京駅から羽田空港くらいの距離)の夢洲(北港)での2025大阪・関西万博とIRに頼るという「箱もの」行政の典型だった。咲州(南港)での府庁舎ホテルやATCが難航しているのにその先の開発に頼るとは、バブルでの大阪市負の遺産の学習効果がなさすぎる。そもそも、東京都が羽田空港の周辺開発があるとして経済効果を期待するだろうか。また、万博施設やIR施設がお荷物にならないという保証があるのか。

 さらに時の運だが、コロナ禍はまさにインバウント゛・ツーリズムからの離反というパラダイム・シフトを引き起こした。

 今回の否決の中で大阪市再建の必要性と副首都となる必要性だけは認識ができた。また、府と市の重なりの無駄も大学統合などで解決の事例ができた。これは維新の会の数少ない功績だろう。

 

2.大阪市再建は総合区で

 住民投票の結果を精査すると、大阪市内の南北問題が明らかになった。しかし区が多すぎる 大阪24区は東京23区を基準として、人口比 3.52(275万人と968万人)から23/3.52=6.5位が適当と思う。6区としても、今回の4特別区より多く合意形成を図りやすいはずだ。

区が多すぎる弊害としてJR天王寺・近鉄阿部野駅の周辺開発がある。北は浪速区と天王寺区、南は西成区と阿倍野区の4つに囲まれている。これでは地元の区をまとめる手間が多すぎてまちづくりの障害になる。

 特別区が否決されたため総合区( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8F%E5%90%88%E5%8C%BA#:~:text=%E7%B7%8F%E5%90%88%E5%8C%BA%EF%BC%88%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%94%E3%81%86%E3%81%8F,%E6%97%A5%E3%81%AB%E6%96%BD%E8%A1%8C%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%82

参考:前回否決後の大阪市資料https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/cmsfiles/contents/0000369/369027/setsumeikaishiryou.pdf )の適用で区をまとめ直しながら大阪市のありかたを探るしかない。

 都市経営として「副首都」を目指すなら、東京からの移転の受け皿(企業・官庁・研究機関など)となるオフィスを梅田と新大阪に集中し開発を促進する。新大阪駅の使わないJRヤードの利用も有効だ。さらに、千里ニュータウンの再開発で住宅の供給も併せて狙いたい。なにわ筋線(2031年 http://www.kr-railway.co.jp/naniwa.html#:~:text=%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%82%8F%E7%AD%8B%E7%B7%9A%E3%81%AF%E3%80%81(%E4%BB%AE%E7%A7%B0,%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E9%89%84%E9%81%93%E8%B7%AF%E7%B7%9A%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=%E7%AD%89%E3%80%81%E5%A4%A7%E9%98%AA%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%AB%B6%E4%BA%89,%E3%81%AA%E9%89%84%E9%81%93%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 )を見越し西区や中ノ島の住宅・オフィス開発が望まれる。コンパクト・シティを目指すべきで、遠隔地箱もの行政の時代ではない。

 また、心斎橋から南部は大阪エンターテインメント・エリアとして、堺市も交え整備が効果的だ。さらに上町台地の歴史やその先の天満宮までの軸線は歴史軸として整備の効果が見込まれる。

大阪は自身の持つものを生かさず、「新しい施設」頼りで最近の失敗がある。

 

3.橋下徹の責任は問われないのか

立役者は橋下徹( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E5%BE%B9#%E6%94%BF%E6%B2%BB%E5%AE%B6%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6 )で、しかもうまく途中で逃げて評論家もどきで稼いでいる。無責任としかいいようがない。ハシズム(橋下主義)とはうまく立ち回ることにかけてはパソナ会長等に収まっている竹中平蔵( 一部の意見 http://www.marino.ne.jp/~rendaico/seitoron/jimintoron/history/koizumiseikenco/takenakaco/ronbunmondaico.html )に似ている。

 2度にわたる大阪都構想と住民投票により100億円の財政の無駄( https://news.yahoo.co.jp/articles/ffabc90550e812fc07e42c97b60b75284ad32a76 )や、大阪府の咲洲庁舎とホテル訴訟( https://r.nikkei.com/article/DGXMZO63014820V20C20A8AC8000?s=4 )の種をまいた当事者だ。これだけの負の遺産を作った当事者だが2015年の一回目大阪都構想否決の後、任期満了で政界引退とした。その後はタレントとなっている。

のうのうと現在の大阪松井知事と吉村市長に「お疲れ様」で済ますのは納得がいかない。

 

 橋本徹の当初政策は関西州で賛同できるものであった。しかし、府庁移転に変質し、更に大阪都構想に2010年ダブル選挙の折に変異し橋下・松井体制となった。新しさを前面に出したポピュリズムだったとしか言いようがない。

 日本維新の会もハリボテの看板政策が2度にわたり否決となり、国会での立ち位置や大阪での信頼が不安定になった。

 

4.ポピュリズムへの恐れ

 新規な考えや、特定の層・集団の関心をあおるポピュリズムが、アメリカのトランプ大統領をはじめ台頭の兆しがある。社会の分断と格差の拡大につながる。理性を重んじ、感情に流されるのを嫌う、啓蒙重視のピンカ―などは大いにトランプを嫌っている( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/5d3abf0d306a0972609567131ea98fdb )つまりは、ポピュリズムとは同じ考えを好む「感情」の集団を作ることだ。

逆に社会に求められるのは、格差是正や弱者救済の利他の心を持つ「理性」だ。実現には対話や協調、交流や相互尊敬の態度が必要だ。そのための税制や福祉、国際や地域交流(Social Capital)が重要になる。

 

 政治家が私欲に走ってはいけない、また市民は騙されてはいけない、一部の集団の熱狂は危険だ、格差は断絶を呼ぶ

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徳島市長にびっくり、市政の混乱を収め、駅前再生からコンパクト・シティ化を

2020-04-20 02:36:36 | 都市経営

 公共事業の汚職からみで知事もが変わった2002年の太田知事( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%94%B0%E6%AD%A3 )とすぐの退任など保守王国だが時々変化があるお土地柄。

 阿波踊りや、市民ホール建設でごたごたがあり、さらに駅前のそごうも夏に撤退予定。これでデパートなし県確定。しかも、市民は軽自動車依存で、徳島駅前は閑散としている。地方都市の都心空洞化の典型で、しかも政治にまとまりがない。

今回市長当選の内藤佐和子 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E8%97%A4%E4%BD%90%E5%92%8C%E5%AD%90)の前任も遠藤彰良(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E8%97%A4%E5%BD%B0%E8%89%AF )と四国放送関連が続き( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E5%9B%BD%E6%94%BE%E9%80%81 )新市長もコメンテーターを約7年というのは引っかかる。株主が徳島新聞( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E6%96%B0%E8%81%9E#%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE )であり、阿波踊りの利権問題などに関与していたからだ。

 とまれ、再開発ビルのそごうも撤退。駅前も、昔の繁華街だった東・西新町も閑散とするなか、コンパクト・シティ化を本格的に進めてもらいたい。でないと、インフラ維持や福祉のコストに対して、都心の活動が低下しすぎる。そごうの後に市民病院や救急機能など駅前にふさわしい利便性と集客性の高い都市施設を持ってくれば良い。ホールもこちらにするのが順当だ。

 郊外のショッピング・センターとの競争や軽自動車依存から公共交通機関への乗り換えなど課題が多い。

 コンパクト・シティとはボディ・ヒート(密集)だ、いわゆるクラスターだが新型コロナとは違う。

 本気でやる徳島市再生のまちづくりに必要なら、応援したいな

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大阪(加藤政洋):大阪の色町・スラム・盛り場の3つに着目した歴史と産業構造、バブルの遺産、まとめが甘い

2019-11-14 02:47:22 | 都市経営

 散文調だが、読み物として楽しめる。地図と、堀の開削と変遷などあれば都市の骨格とモーダル・シフトを示せたと思われる。堀と埋立地、産業、船運、鉄道駅、高速道路は、都市経営の観点が欲しい。

 

 文学的なアプローチであり地霊(ゲニウス・ロキ)や、ストーリーを探している。知見は: 

(梅田)

・梅田、地霊の不在、市街機地改造法と「大阪駅前市街地改造事業(1ビル~4ビル)

・環状線の完成とターミナル、国鉄、阪急、阪神、地下鉄、「インテリ的」

・闇市の占拠と「梅田繊維街」の「新大阪繊維シティ」のへ移転

・地下街の闇市管理として、新聞スタンド、松葉、ぶらり横丁(大阪市民共済会からのまた貸し)、アリバイ横丁(阪神百貨店ふるさと名産街)など地下道の占有許可→後に立ち退き

 

(ミナミとキタ)

・鉄道駅、難波(大阪的な街)と梅田(オフィスで未来的)の色町出現

 

(谷町筋)

・大阪谷町既製服協同組合(1951年、天満橋~谷町5丁目 洋服の既製品の問屋、6~7丁目機械・工具・地金など170軒)

・大阪城近くの警察本部、師団の立地で官服、軍服の問屋街と軍需関連の機械商

 

(心斎橋)

・アメリカ村、日限萬理子のカフェ「ミュゼ大阪」とサーファー文化

・反対側はヨーロッパ村

 

(新地)

・松島遊郭(明治初年)

・今里新地は近鉄が後押しの新興の近郊花街(6,5,4,3間の道路による区画整理)

・飛田新地(1918年)は南の大火(1912年)、難波新地の貸座の移転で阪南土地(株)がディベロッパー

・明治初年、千日前の墓所が阿倍野墓地に移転

 

(ミナミ)

日本橋たもとの露天「市」(東京と同じだ!)→黒門市場に(1903年内勧業博覧会の前)・

・千日前は墓所の跡地再開発、明治期に「千日前発起人」の香具師たち、明治末年の南の大火、楽天地に

・浅草とミナミのアナロジー、線的は山谷・新吉原・浅草、三角形の釜ヶ崎・飛田・新世界、遊郭・墓地・木賃宿の組合せは難波を継承

 

(バブルの負の遺産)

・大阪1990:バブル崩壊時期の計画、面的拡大とプロジェクト乱立、都心の再整備がない

・土地信託→港湾局、交通局、計画局の3Kがプロジェクトを競う、記述のほか南港には廃止されたワイン博物館(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B5%E3%82%8C%E3%81%82%E3%81%84%E6%B8%AF%E9%A4%A8%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%A0 ) や菱垣廻船展示の博物館、なにわの海の時空館 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%82%8F%E3%81%AE%E6%B5%B7%E3%81%AE%E6%99%82%E7%A9%BA%E9%A4%A8 )など、土地信託案件以外にもあった

・阿倍野再開発の失敗と地域分断、ハルカスからとキューズタウンの2本の並行するモール軸となり界隈性がない。地霊は消え去った

 

 軽い読み物、大阪の歴史に詳しくないと内容が分からないかもしれない

 

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芸術と社会の約束、表現、資金

2019-11-06 02:26:36 | 都市経営

 最近、芸術でどこまで表現していいかと補助の在り方が議論されている。

 表現は、日常でも言って良いこと、場の雰囲気を言ってはいけないことがある。もちろんパワハラやセクハラはだめだ。これを超える表現とするなら芸術として深化する。つまりは自分の発見、体験などを芸術表現とすることだ。ただ単に、美術館にふさわしくないものを展示するのは、デュシャンの便器( https://www.google.com/search?q=%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BE%BF%E5%99%A8&rlz=1C1CHBD_jaJP871JP871&oq=%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BE%BF%E5%99%A8&aqs=chrome..69i57.663j0j8&sourceid=chrome&ie=UTF-8 )の模倣だ。単に置くなら博物館の役割でその時は、保存の意義や来歴を述べる必要がある。

 補助は、企画の趣旨を見極めなされるべきだが、前衛的な発表が補助を要求するのはあまり事例がない。印象派でも、当時のAcadémie des Beaux-Arts ( https://fr.wikipedia.org/wiki/Acad%C3%A9mie_des_beaux-arts_(France) )への対抗として独立展だった( https://en.wikipedia.org/wiki/Impressionism )。補助付きでないと開催できないのはどうしてかと訝る。

 芸術は、表現だがそこには「どうしても表現したい」という激情の後押しがある。金や舞台ではない。評価が厳しく競争がある。

 こういうことを書いていると、31年前、ロスコの絵を初めてハーヴァードの美術館で見たときを想い出す。上下二つの四角、そして魅力となんでこういうものを、ここでと思った。心に残る「表現」があった。

 ロスコの絵と、最近の展示騒動は違う

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災害の経験の共有を

2019-10-25 02:51:44 | 都市経営

 今回の一級河川の越水や決壊について「この10年予算がつかなかった」とあるが本当だろうか。高水治水(堤防内に洪水をためる https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%BB%E6%B0%B4 )の限界、内水氾濫、支川の洪水など問題がある。

 できれば、かつての一部に氾濫原をもつ治水方式があればいいのだが、反対に天井川の下にある氾濫原が住宅開発されるという事例も言いたくないがある。

 すべては、高度成長期のスプロール(都市拡大)による。人口減少というなら、見捨てるエリアも「洪水危険地域」として都市計画で指摘し、新規開発抑制を行う時代だ。そのようなエリアは長くても50年ほどの歴史しかないはずだ。

 半面、武蔵小杉のタワー・マンションの洪水による停電事故など「ざまあみろ」のような風潮がある。考えてみよう、いつ何が陥穽になるかわからない。今回の事故で、地下電気室のタワー・マンションは値崩れとなるが、これが市場形成だ。(所有者には気の毒としか言いようがないが)陥穽を実証したエリアは暖かいまなざしで助けあおう。でなと知見が集約できない。

 減災には、事例の共有と失敗の蓄積が必要だ

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