二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

空気の枝折り戸 2021-12(8月19日)

2021年08月19日 | 俳句・短歌・詩集

移ろっていったもの
黄ばんだもの
壊れかけたものや壊れてしまったもの
かさこそと動くもの
廃棄しなければならないもの

・・・ゴミ溜まりにはそれらがあつまって
うめいている。
人間の生活から出ていって
まだ前世のにおいや
形状や

あるいは感情や
その他のものをひきずっている。
数羽のカラスと黒いレインコートを着た匿名の人物が
そこで何やらあさっている。
ゴミ回収車がやってくるまでに

ゴミ回収車がやってくるまでに
かれらは目的を達成しても
しなくても
どこやらそのへんの枝折り戸をおし開けて消える。
空気のなかの枝折り戸。

生活というものの底辺・・・のようなところ。
そこにはどこだって空気の枝折り戸が隠れていて
移ろっていったものや黄ばんだものを連れさる。
やがて炎となり
有毒ガスとなり

雲散霧消するものをいつか
いつか見届けて それを
それをことばに変換し
マッピングしてみよう。
世界地図によく似た地図の端っこのほうに。

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