眼の赤い鷺が夜のこちら側で鳴いている。
大事なものをなくしてしまった
と鳴いているのだ。
それが何かをきみはかんがえている。
根っこを洪水にさらわれた大木が
つぎからつぎへ倒れていく。
倒れていく地響きを聞いている。
耳をふさぐんじゃない
それらをちゃんと 最後まで聞くのだ。
それはつとめであり
願望であり
悲しみである。
きみもさっきなくした昨日の夢のなかで
眼の赤い鷺のように鳴いていた。
きみを迎えにくる人はいない。
うしろには大木が黒々と何本も倒れている。
あれは父であり祖父であり
そのさきの先祖たちなのだ。
やがては倒れる 何もかも。
昨日の夢を思い出そう。
なるべく正確に思い出し
あちこちに散らばった紙片を拾いあげて
途切れていることばのあとに
何行かを付け加える。
それがさしずめ きみやきみたちの役目なのだ。
大事なものをなくしてしまった
と鳴いているのだ。
それが何かをきみはかんがえている。
根っこを洪水にさらわれた大木が
つぎからつぎへ倒れていく。
倒れていく地響きを聞いている。
耳をふさぐんじゃない
それらをちゃんと 最後まで聞くのだ。
それはつとめであり
願望であり
悲しみである。
きみもさっきなくした昨日の夢のなかで
眼の赤い鷺のように鳴いていた。
きみを迎えにくる人はいない。
うしろには大木が黒々と何本も倒れている。
あれは父であり祖父であり
そのさきの先祖たちなのだ。
やがては倒れる 何もかも。
昨日の夢を思い出そう。
なるべく正確に思い出し
あちこちに散らばった紙片を拾いあげて
途切れていることばのあとに
何行かを付け加える。
それがさしずめ きみやきみたちの役目なのだ。