二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「日本の宿命」佐伯啓思著(新潮新書)レビュー

2014年03月21日 | 哲学・思想・宗教
佐伯啓思さんのお名前だけは以前から存じ上げていたが、著書を読むのははじめて。
西部邁さんの流れをくむ保守の論客といったくくりかたをされているようであるが、それほど単純に割り切れる思想の持ち主ではなかろう。
社会思想史の観点から、戦後日本の政治と社会に、鋭利な矢を放っている・・・とわたしには見えたが、本書をまだ読みおえてはいないので、評価は読みおえたあとで行おう。
タイトルが抽象的すぎて、なにについて書かれた本なのか、推測の余地はまったくない。
別なタイトルを考案すべきだったとおもう。「新潮45」に連載された記事を組み直し、手をくわえて一冊にまとめたものだそうである。
第一章「橋下現象」のイヤな感じ
第二章 総理の品格は、国民の品格
第三章 無脊椎の国、ニッポン
第四章 日本は本当に独立国か
第五章 真珠湾攻撃から70年
第六章 開国という強迫観念
第七章 開国と維新の精神
第八章 福沢諭吉と近代日本の矛盾
第九章 1980年代論

この人の憲法論議、安全保障論議、外交論議は、その現実性(運用にあたって、あるいは政策実施にあたって)はともかくとして、鋭い示唆に満ちていて、興味深いものがある。
戦後史の諸問題については、吉田茂首相と彼が下した決断をどう評価するかで、岐路が分かれてしまうところがある。
読みおえたら、つづきを書こう。

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