「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)10月8日(金曜日)
通巻第7076号
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CIA、中国情報に特化する新機関を設立
最大の脅威はアルカイーダからチャイナへ
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10月7日、米国CIA( 米中央情報局)は、中国の脅威に情報収集分析などの対応を特化させた新組織「中国ミッションセンター(CMC)」を設立した。
ポンペオ前国務長官は「敵は中国国民ではない。中国共産党である」と明言したが、CIAのバーンズ長官も「脅威は中国国民ではなく中国政府だ」と強調した。
「中国ミッションセンターは、米国が直面する最も重要な地政学的脅威、敵対性を増している中国政府に対しての任務を強化する」としている。
しかし今頃になって中国情報に特化した組織をCIAが設立したとは、いままで何をしていたのかという疑問を抱くだろう。
米国内で中国人スパイがやりたい放題の情報工作を展開してきたが、オバマ政権まではなんら有効な対策を講じず、また妖しい中国人にもじゃかすかとヴィザを発給してきた。トランプは中国人留学生のヴィザまで制限したが、バイデン政権は、この規制を徐々に緩和していく方向にある。
ウィリアム・バーンズCIA長官は八月のアフガニスタンからの米軍撤退直前、カブールを極秘裏に飛んで、タリバン幹部のバラダールと秘密協議をしたという情報が流れた。本人は肯定も否定もしていない。
バーンズは外交畑出身の官僚。ヨルダン大使、ロシア大使を歴任後、国務副長官へ上り詰めた(官僚としては最高位)。オックスフォード大学に留学組。
日本はバーンズに「旭日大綬章」を授与している(2018年)。