2022.07.06
「男性のがん予防にも」HPVワクチンが注目されている理由
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女性の子宮頸がんをはじめとした感染症を予防する、HPVワクチン。その定期接種の積極的な勧奨が2022年4月から9年ぶりに再開されました。また、情報がなかったために接種機会を逃した平成9年度~平成17年度生まれの女性への3年間限定のキャッチアップ無料接種も開始されました。
HPVワクチンは、日本では『女性のみが接種するもの』と思われがちなものです。しかし実際にオーストラリアでは15歳の男女の接種率が80%を超えており(*1)、アメリカ、イギリスなどの多くの先進国でも男女共に接種することが主流になっています。
「子宮頸がんは女性の病気なんじゃないの?」
「男性は関係ないのになぜ?」
そこで、横浜市立大学医学部産婦人科学教室の主任教授である宮城悦子先生にHPVワクチンについてお聞きしました。
![002](https://s.yimg.jp/images/csr/sdgs/img/archive/originals/120/002.jpg)
すると、決して男性も無関係ではいられない事実が次々と出てきます。
「HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染すると子宮頸がんを発症することがあり、日本では年間2,887人(2020年)の女性が亡くなっています(*2)。これを防ぐためには、性交渉によりパートナー間で感染してしまうピンポン感染をなくすことが重要です。
またHPVは女性の子宮頸がんだけではなく、男性自身のがんリスクも無視できません。尖圭(せんけい)コンジローマ(*3)などの性感染症や、咽頭がん、陰茎がん、肛門がんなど、男性もさまざまな病気を発症する可能性があるのです」
宮城悦子先生は「これからは男性も正しい知識を持ち、娘さんやパートナーと一緒にHPVワクチン接種について考えることが大切」と言います。
HPVワクチンの最新の情報や、正しい向き合い方などについて詳しくお聞きしました。