時代が英雄を作ると言うことがまだ判らない北野
どうしても英雄を強調したい彼は
USA資本主義・西欧資本主義を
全部破壊した英雄として
プーチン氏を後世に語るのだろうか?
・・・・
・・・
・・
・
<お知らせ>
世界的なリーダーから絶賛された
日本の偉人は誰でしょう?
・「彼は国際社会で重要なリーダーだった」
・「彼のリーダーシップは世界に大きな影響を与えた」
このように高く評価されたこの人物。
しかし、世界の評判とは裏腹に、
国内ではまるで大悪党のように
扱われることも…
国内と国外で評価が
真っ二つに分かれる日本の偉人とは?
>詳しくはこちら
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
★ディープステイト陰謀論の源流
パワーゲームメルマガ読者の皆さま
こんにちは!
北野幸伯です。
アメリカでは昨年、
「内戦が起こるかもしれない」
といわれていました。
『CNN.co.jp』2024年3月25日付
『米国は新たな内戦の瀬戸際にあるのか』
を読んでみましょう。
〈トランプ前大統領は、恐らく
これまでで最も声高に叫ぶ予言者だろう。
もし自分に対する刑事告訴が
24年の大統領選の敗北につながることがあれば、
「国に混乱が起きる」と警告している。〉
〈22年の著書
「アメリカは内戦に向かうのか」の中で、
名高い政治学者のバーバラ・F・ウォルター氏は
米国の状況について、誰が想定するよりも
内戦に近づいていると主張する。〉
〈国家安全保障会議(NSC)の元メンバー、
スティーブン・サイモン氏と
ジョナサン・スティーブンソン氏は、
北アイルランドと中東における
宗派間の争いについて深い知識を有する。
彼らも同様に、米国が簡単に
内戦に突入する恐れのある状況を説明している。〉
ーーー
そして、「どのように内戦がはじまるのか」も、
だいたいイメージできていました。
・2024年11月の大統領選でハリスが勝利する。
・トランプは2020年の大統領選時同様、敗北を認めず、
「選挙では大規模な不正が行われた。本当に勝ったのは私だ!」
と宣言する。
・2020年の大統領選後同様、
大規模なデモが起こる。
・2021年1月同様、大規模な暴動に発展する
(この時はアメリカ議会選挙事件が発生した)。
2020年の大統領選時、「トランプが負けを認めない」
「大規模デモ」「大規模暴動」は起きました。
だから2024年にトランプが負けたら、
そこまでは容易にイメージできます。
問題は、「大規模暴動が内戦に発展するのか?」
という話だったのです。
しかし、内戦は起きませんでした。
トランプが勝利し、
ハリスがあっさり敗北を認めたからです。
問題は、「なぜアメリカは、
内戦前夜までいったのか?」ということです。
「社会が真っ二つに分断されているからだ」
というのが答えです。
・移民受け入れに賛成か、反対か?
・銃規制に賛成か、反対か?
・中絶に賛成か、反対か?
・LGBTQに賛成か、反対か?
これらの問題で、アメリカは、
まさに真っ二つになっています。
そして、こういう現象は、
欧州でも起こっています。
欧州諸国でも、ほとんどの国で分断が進んでいる。
そして、ほとんどの国で、
移民排斥を求める極右が台頭しているのです。
アメリカが内戦前夜になったのは、
社会が真っ二つに分断されているからである。
問題はここからです。
【 なぜアメリカや欧州は、
社会が真っ二つに分断されたのでしょうか? 】
これ、皆さんわかりますか?
トランプさんと欧州で台頭している
極右の後二つの共通点をあげてみましょう。
そう、彼らは
・ウクライナ支援に反対
・親プーチン
なのです。
これは、偶然でしょうか?
偶然ではありません。
ここからは、
◆『ハイブリッド戦争 』志田 淳二郎
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を参考にお話しします。
2013年秋、ウクライナの
親ロシア大統領ヤヌコーヴィッチは、
EUとの関係強化を目的とする協定の
調印問題を抱えていました。
2013年11月21日、ヤヌコーヴィッチは、
EUとの交渉中止を発表。
その結果、EUへの接近を望む
市民のデモが起こってきました。
ヤヌコーヴィッチは武力でデモの鎮圧を図ります。
しかし、デモは収まりませんでした。
2014年1月27日、
アメリカの国務次官補ヌーランドは、
駐ウクライナ米大使パイアットに電話をかけました。
彼女は言います。
「この問題を解決するのに、(アメリカが)手を貸して、
国連にこれを解決するのを手伝わせたら
素晴らしいでしょうね。
そうしたら、ねえ、EUなんかくそくらえよ!」
パイアット大使は言いました。
「国連に協力させるために
何かしなければならないと思う。
あなたもそう思うだろうが、
あそこが高度を上げ始めると、
ロシアの方はそれを吹き飛ばすように裏で動くだろうから」
ロシアの諜報機関は、
この会話を傍受していました。
2024年2月4日、
この会話の録音がYoutubeに投稿されました。
〈電話の暴露の効果は絶大だった。
ウクライナ問題をめぐり、
EUをののしる発言をした米国と
ヨーロッパの間に楔を打ち込むことができた。
そればかりではない。
ヌーランドの夫はネオコン(新保守主義)の論客
ロバート・ケーガンだった。
ネオコンはイラク戦争と
イラクの体制転換を唱道したこともあり、
米国やEUが、ウクライナの体制転換を企図しており、
こうしたネオコンやグローバリストによる
主権国家への攻撃を阻止するために
ロシアは行動を起こす必要があるという
ロシア側のナラティブ(=ストーリー)を創り上げるのには
非常に好都合だった。〉(p70)
――
プーチンは、アメリカ国内での
情報戦を開始していきます。
▼プーチン、対米情報戦の目的
プーチンには二つの目的がありました。
一つは、アメリカ社会を分断することです。
〈いよいよロシアは、
米国を情報戦の標的として直接定めた。
黒人初のバラク・オバマ政権下の米国は、
人種、銃規制、性的少数者、移民など、
国民のアイデンティティに関わる多くの問題を抱えており、
ロシアは、米国社会に横たわる
こうした問題を情報の力で先鋭化させ、
米国社会を分断させる情報戦の準備に着手した。〉(p71、72)
――
既述のようにアメリカ社会は現在、
完全に分断されています。
・銃規制に賛成か、反対か?
・LGBTに賛成か、反対か?
・中絶に賛成か、反対か?
・移民に賛成か、反対か?
これらの問題は、
元から存在していたでしょう。
しかし、プーチンが情報戦によって、
これらの問題を「過激化」させていったのです。
▼プーチンによるトランプ支援
プーチンの情報戦、もう一つの目的は、
トランプを当選させることです。
〈それから間もなく、2015年6月16日、
トランプが大統領選挙への立候補を表明したことは
ロシアの情報戦にとって追い風となった。
SNSを駆使し、歯に衣着せぬ物言いで
支持を拡大させるトランプの登場を受け、
IRA(註:「インターネット、リサーチ、エージェンシー」。
プリゴジンが設立し、情報工作を担った。)は、
米国社会における「右翼」、「左翼」、「黒人」の
三つの「戦線」を標的に、SNS上で
集中的に情報戦を開始した。〉(p72)
――
具体的に、「右翼」「左翼」「黒人」戦線では
何が行われたのでしょうか?
・右翼戦線
オバマが推進する移民、イスラム教徒、性的少数者に
寛容な政策を痛烈に批判するコンテンツを
SNS上で展開する。
結果、右翼がトランプ支持にまわるよう仕向けた。
・黒人戦線
黒人有権者に白人への憎悪を煽り、
恐怖心を植えつけ、選挙をボイコットするよう呼びかけた。
クレムリンは、テキサス在住の
「パメラ・ムーア」「ジョン・デーヴィス」など、
存在しない人物のアカウントをSNSにつくり、
情報を発信することで、
アメリカの世論に影響を与えていきました。
・左翼戦線
プーチンが長年嫌っていたヒラリーを落選させること。
左翼戦線でIRAは、ヒラリーを攻撃した。
そして、泡沫候補だった
緑の党のジル・スタインへの投票を呼び掛けた。
ジル・スタインは、
〈 ロシアの「影響力の代理人」だった。
そもそもスタインが大統領選挙への立候補を表明したのは、
ロシア国営メディアRT(ロシア・トゥディ)の
米国向けチャンネルだった。〉(p75)
――
ここまではプリゴジンのIRAの情報戦でした。
一方、ロシア軍の諜報機関GRU
(=ロシア連邦軍参謀本部情報総局)は、
ハッキングによってヒラリー・クリントンの
選挙対策本部長ポデスタから
5万通のメールを盗んでいました。
そして、ヒラリーにとって都合の悪い情報を
ジュリアン・アサンジの「ウィキリークス」に
どんどん流していきました。
追い詰められるヒラリーをみてトランプは、
「ウィキリークス!私はウィキリークスが大好きだ」
と発言し、喜んでいました。
ロシアの情報戦の結果、
当初泡沫候補と思われていた
トランプが勝利しました。
〈選挙当日、これまで一連の情報戦に加担した
ロシア人たちこんな言葉を交わしていたという。
「俺たちが、米国を偉大にしたんだ」〉(p77)
――
ロシア政府の高官たちが、
トランプの勝利したのを見て、
大喜びしていたのは本当です。
彼らは口をそろえて、
「これは我々の勝利だ!」と叫んでいました。
プーチンが勝利したときよりも喜んでいるのをみて、
私は、「ロシアはアメリカ大統領選挙に介入したのだな」
と確信しました。
▼ディープ・ステイト陰謀論の出所
2016年のロシアの情報戦は、大成功でした。
目論見通りトランプが勝利し、
分断が固定化されてしまったのです。
〈2016年大統領選挙における
ロシアの情報戦の影響はその後も尾を引いた。
大統領選挙を経て、米国内では
政治的主張をめぐるさまざまな分断状況が固定化し、先鋭化した。
そればかりではない。
米国内ではディープ・ステイト(闇の政府)論に
代表される陰謀論が深刻なまでに蔓延した。〉(p78)
〈ディープ・ステイトや
グローバリストと戦う「救世主」トランプの下、
「米国を再び偉大にする」ことを目論む右派の陰謀論者
バノンやルドルフ・ジュリアーニ、シドニー・パウエルらが
大統領上級顧問や弁護士の立場で
トランプや彼を支持する陰謀論者たちと
個人的関係を持ったことは状況をさらに悪化させた〉
――
2020年の大統領選挙で、
プーチンの友トランプは敗れました。
しかし、2021年1月6日、事件は起こりました。
〈トランプの演説を聞き
興奮した群衆は議事堂に向かった。
ワシントンDCに雲のかかり始めた
寒空の午後のことであった。
やがて約800人の暴徒が議事堂への襲撃を開始した。
この時の衝撃は、いまさら繰り返すまでもない。
暴徒化した米国民が、
米国の民主主義の象徴たる議事堂を襲撃する映像は、
世界中のメディアに取り上げられ、
米国の国際的信用は地に落ちた。〉(p80)
――
さて、この議会議事堂襲撃事件について、
ロシアは、どう反応したのでしょうか?
〈この日、ロシア政府とつながりがあると思われる、
あるアカウントにこのようなツイートがあった。
「帝国が崩壊していくさまは、なんとも美しい」
ロシアは、サイバー諜報で窃取した
情報の暴露などの工作をせずとも、
陰謀論を含む偽情報の拡散を主とする
影響工作を継続的にしかけるだけで、
回復不能なレベルにまで米国社会の分断に拍車をかけ、
首都を米国民の手によって攻撃することが可能であることを
実証したのであった。〉(p81)
――
▼まとめと教訓
ここまでの流れをまとめてみましょう。
・ロシアのIRAは2016年、
右翼戦線、左翼戦線、黒人戦線工作によって、
また軍諜報はハッキングによって得た情報の暴露によって、
プーチンが嫌うヒラリー・クリントンを落選させ、
親プーチンのトランプを勝利させた。
・ロシアの情報戦によって、
アメリカ社会は完全分断された。
・トランプは2020年の大統領選で敗北したが、
それを認めなかった。
・2021年1月6日、トランプ支持者による、
「アメリカ議会議事堂占拠事件」が起こった。
・またロシアの情報戦により、アメリカで
「ディープ・ステイト陰謀論」が爆発的に広がった。
・ロシアによって分断されたアメリカは今、
「内戦前夜」になった。
というわけで、
「ロシアの情報戦で、アメリカは内戦前夜に追い込まれた」
と志田先生は主張しているのです。
私たち日本人が得るべき教訓はなんでしょうか?
「ディープ・ステイト陰謀論」の出所は
クレムリンだと知り、踊らされるのはやめましょう。
この陰謀論を子供のように信じていれば、
日本社会も真っ二つに分断され、
そのうち内戦の危機になってしまいます。
ちなみに志田先生の著書『ハイブリッド戦争』には、
日本で活動している「クレムリンのエージェント」の名前が
実名で複数登場しています。
実名で挙げられた人が
本当にクレムリンのエージェントなのか、
私にはわかりません。
しかし、興味がある方は、確認してみてください。
◆『ハイブリッド戦争 』志田 淳二郎
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ご一読ください。
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このメルマガ の著者:
国際関係アナリスト
北野 幸伯
「卒業生の半分は外交官、半分はKGBに」
と言われたエリート大学:
ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学を
日本人として初めて卒業。
その後、カルムイキヤ共和国の
大統領顧問に就任。
大国を動かす支配者層の目線から
世界の大局を読むことで、数々の予測を的中。
自身のメルマガは、ロシアに進出する
ほとんどの日系大手企業、金融機関、政府機関の
エリート層から支持されている。
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敗戦の苦しみを味わいました…
「二度と同じ過ちを繰り返してはいけない」
「あのとき、どうすれば勝てたのか?」
多くの日本国民が、その反省・教訓を知らないせいで、
今、新たに始まった“米中覇権戦争”でも、また負け組に
入るかもしれない岐路に立たされています…
私たち一人一人が、世界の大局を正しく読み解くことで、
厳しい時代でも豊かに暮らしていけるように…
賢い国民が増えることによって、今度こそ、
日本が勝ち組に入り、希望ある日本を次の世代に
受け継いでいくこと…
それこそが、私たちの目的です。
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