フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

10月7日(木) 晴れ

2010-10-08 11:39:15 | Weblog

  8時、起床。秋日和。ようやく天候が安定してきたようである。今日は会議の予定はない。午前中を自宅で過ごせるというのはありがたい。時間の流れがゆるやかになる。カレーライスと牛乳の朝食。今朝は新聞もTVもノーベル賞の話で持ちきりだ。

  教務関係のメールを何本か書いてから、授業の準備。昼過ぎに家を出る。昼食は「maruharu」で本日のサンドウィッチとスープ。スパム(ランチョンミート)とアボガドのサンドウィッチがとても美味しかったので、もう一人前テイクアウトしようと思って注文したら、私がいま食べたのが最後とのこと。滑り込みセーフだったわけだ。嬉しいような、悔しいような。先日、教務の同僚の肥田先生に「maruharu」の場所を教えてさしあげたら、その日のうちに「maruharu」に行かれたそうで、サンドウィッチもお店の雰囲気もとても気に入られたのであるが、そのとき、店内は女性客であふれていたそうで、「こういう中に大久保先生は座っておられるわけですね」と言いながら、「そうか、そうか」と肥田先生は自分で言ったことに自分でうなずいておられた。

  4限は大学院の演習。先週は見えなかった東京スカイツリーが見える。授業が終るころ、知らない(登録していない)番号からケータイに電話が入った。教務関係の緊急連絡の可能性もあるので、電話に出ると、一文の卒業生で日本テレビの記者をしているSさんからだった。ごぶさたしていますの挨拶もそこそこに、「村上春樹がノーベル文学賞を受賞した場合を想定して、取材の準備をしているのですが、早稲田関係の方でどなかたコメントをいただける方を紹介していただけないでしょうか」と言われる。学生時代の指導教授とか、同級生でいま文学部の先生になっている方とかと言われるが、私が知るはずがない。そもそも早稲田の関係者で探そうとするところに無理があるように思える。日頃から、村上春樹についてよく言及している学者や評論家の名前を数名あげて、そちらへ取材を申し込むのがよいと思うと答える。「僕でもいいけど」と言おうとして、やめておく。


写真では東京スカイツリーはわかりにくい(中央少し右より)

  5限の時間に卒研の指導を一件やってから、6限は講義「ライフストーリーの社会学」。39号館、382教室は定員300名のところ、受講生は200名。ちょうどいい感じだ。夜間の授業をわざわざとろうという学生は授業内容に対するモチベーションが高いように感じられる。
  7時45分に授業が終り、その足で、飯田橋のギンレイホールに『春との旅』を観に行く。8時10分からの回で、数分前に滑り込む。駅の売店で購入したパンと煎餅を本編が始まる前に食べる。座席の半分くらいは埋まっている。これまたちょうどいい混み具合だ。仕事帰りに映画を観ようと言う人は作品に対するモチベーションが高いに違いない。『春との旅』を映画館で観るのはこれで二度目だ。そろそろDVDが出る頃と思うが、映画館で観られるのであれば、映画館で観たい作品だ。先日、同僚の小林先生とも話したのだが、仲代達也の演技、とくに台詞回しは、少々芝居がかっていて(舞台俳優に特徴的な台詞回しなのではないだろうか)、他の共演者たちから浮いている印象を受ける。今回も食事の場面が多いなと感じた。そして同じシーン(はると父親が語り合うシーン)で右の目から涙がこぼれた。

  11時半、帰宅。ノーベル文学賞はペルー出身の作家、バルガス・リョサが受賞した。