8時、起床。カレーとパンの朝食。
9時半に家を出て、大学へ。今日は11時から指定校推薦合格者ガイダンスがある。
文化構想構想学部と文学部合同で行ったのだが、カリキュラムの説明は私が行った。今回、この役目を買って出たのは、私自身が指定校推薦入学者で彼らの先輩であるということがあった。1973年春、この制度の第一期生として入学した学生の一人が私であった。推薦入学の合格は11月ごろに出る。だからそれ以後の4ヶ月間は受験勉強(受験戦争)から一足早く解放された自由な時間なのだが、同級生たちのことを考えると、その自由をおおっぴらに謳歌するのははばかられた。解放感と戦線離脱感、彼らの心情は私にはよく理解できる気がした。また、指定校推薦ということで、入学後、かなりのプレシャーを感じている学生がいるようなので、のびのびと大学生活を送ってほしい、ということを彼らに伝えておきたかった。
カフェテリア前では生協主催のイベントが行われていた ガイダンスは38号館AV教室で(私が説明をしている)
ガイダンスが終って、教務室で打ち合わせを一件やってから、「たかはし」に昼食をとりに出る。ぶりの刺身があったら食べたかったのだが、今日はメニューになかったので、豚肉生姜焼き定食にする。
大学を2時頃に出て、五反田の「ゆうぽーと」に牧阿佐美バレエ団公演「くるみ割り人形」を観に行く。伊藤友季子の復帰公演である。伊藤の役は金平糖の精なので、休憩後の第二幕からの登場である。私はこの二週間、休みなしだったので、その疲れが出たのだろう、第一幕はウトウトしている時間の方が多かった。そしておまちかねの第二幕。幕開きから伊藤は舞台の上にいる。私は拍手をしたかったのだが、誰も拍手をしないので、我慢した。主役が舞台に登場するとき拍手で迎えるのが普通なのだが、最初から舞台にいる場合は拍手はしないものらしい。でも、そんなことは気にせず、一人でも拍手をするべきだったか。伊藤の動きはあいかわらず繊細で流麗、他のダンサーとは明らかに違う次元にいる。しかし、「足の調子はもう万全なのだろうか」という心配が私の中にあるせいで、安心して観ていられない気分だった。おそらく伊藤自身にも、久しぶりに晴れの舞台に立った嬉しさと、若干の、払拭しきれていない不安があったのではないかと思う。そうした不安から完全にふっきれた彼女が、「眠れる森の美女」か「白鳥の湖」を踊るのを観たいと思う。
公演は5時に終り、大崎広小路から池上線に乗って蒲田に帰る。