フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月19日(月) 晴れ

2011-12-20 00:54:34 | Weblog

  9時、起床。くるみパンとバターとホットミルクの朝食。

  ブログを更新し、年賀状の文案を考える。

  昼食は昨夜のおでんの残り。汁がしみこんでいて旨い。

  午後から大学へ。

  雑務を片付けて、4時半に大学を出る。今夜は下北沢の劇場「ザ・スズナリ」でパラダイス一座の公演「オールド・バンチ 男たちの挽歌 完結篇」を助手のAさん、Tさん、非常勤講師のAさんらと観ることになっている。ところが、私、何を勘違いしたのか、下北沢でなく、吉祥寺に行ってしまった。約束の5時ちょうどに待ち合わせ場所の駅の南口の改札に着いたのだが、まだ誰も来ていない。おかしいな、と思いつつ、手帳を開いて確認すると「5:00 下北沢南口」と書いてあるではないか(もちろん自分で書いたのだ)。おそらく、娘の芝居の公演がたいてい中央線の沿線であるので、演劇=中央線という回路が頭の中にできあがっているのであろう。Aさんに電話をして、状況を説明する。不幸中の幸いだったのは、吉祥寺から下北沢へは井の頭線一本で行けることと、開演は7時からで十分に時間の余裕があったことである(開演前にお茶でもしましょうということになっていた)。5時半に下北沢に着き、カフェで合流できた。

  パラダイス一座とは2006年に3年間の期間限定で立ち上がった平均年齢80歳(当時)の高齢者劇団である。2006年12月の旗揚げ公演「オールドバンチ 男たちの挽歌」のときのメンバーは、脚本・山元晴多、役者はいわゆるプロの役者ではなく、戌井市郎(90歳、文学座の演出家)、瓜生正美(82歳、青年劇場の劇作家・演出家)、岩淵達治(79歳、ブレヒト研究者で演出家)、観世栄夫(79歳、能楽師)、中村孝夫(75歳、元東宝ミュージカル演出家)、本多一夫(72歳、劇場経営者)、肝付兼太(72歳、声優・演出家)の7名であった。私は旗揚げ公演は観ていないが、2007年12月の「続オールドバンチ 復讐のヒットパレード」、2009年2月の「続々オールドバンチ カルメン故郷に帰る」を観ている。今回の「完結篇」は、当初の予定にはなかったものだが、2009年の夏に座長の戌井から2011年のクリスマスに「男たちの挽歌」の改訂再演しようという提案があり、他のメンバーも賛成した。しかし、本格的な準備に入る前の2010年に戌井と山元が相次いで他界したため、2007年に他界した観世を含めて3人の「追悼公演」として、今回の公演が実現した。脚本の改訂は佃典彦が行い、戌井の役は女優の赤座美代子が演じた。
  演劇の世界で生きてきた爺さんたちが、真面目に、ときにおちゃらけて、芝居をする。それを観客達は食い入るように、ときにハラハラしながら、観る。ストーリーはしっかりあるが、ストーリー云々よりも、その場その場の老優たちの台詞回しや歌(たくさんの歌が歌われるのだ)を楽しむというのが「オールドバンチ」の正しい観方ではないかと思う。今日の公演は満席で立見も出ていたが、千秋楽のクリスマスとクリスマスイブはなぜか空席があるという。いまから予約しても間に合います。

http://www.ryuzanji.com/

  観劇後、台湾料理の店で食事をして、帰宅は12時頃になった。楽しい一夜だった。