フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月25日(水) 晴れ

2023-01-26 11:17:59 | Weblog

8時、起床。

居間のテレビで『舞いあがれ!』をやっているのを観ないようにしてトイレに行き、洗面所で髭を剃り、一階に降り、雨戸を開け、仏壇・神棚の水を替えて手を合わせて戻ってくると、『舞いあがれ!』は終わって『朝イチ』をやっていた。

ロールパン、スープ(トウモロコシと薩摩芋)、目玉焼き、豚肉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

本日の『舞いあがれ!』。本線のイワクラの話の傍らで舞の幼馴染の貴司の短歌賞への応募の話が進んでいる。「受賞すると収入が増えるの?」と妻が私に聞いた。「いや、短歌で(俳句でも)食べていける人は少ないよ。俵万智クラスになれば話は別だけど」と私は答えた。「でも、古本屋の客は増えるだろうね」。

冬深し猫は朝から膝の上 たかじ

冬晴れの寒い一日になるだろう。

昨日のブログを書いてアップする。

11時半に予約している整骨院へ行く。午前中に予約するのと夕方に予約するのはどちらがよいだろう。治療を受けてすっきりしてから仕事をするのと、仕事をしてから治療を受けてすっきりするのとどちらがよいか、一長一短である。来週は夕方を予約した。博士論文構想発表会(オンライン)の後である。

蒲田税務署に行って、確定申告の書類をもらってくる。税務署と刑務所は音が似ているが、刑務所にはまだ行ったことがない。

昼食を「燈日」で食べようと、矢口渡へ行く。

「リヨン モアール」で朝食用のパンを買う。

「燈日」は満席だった。蒲田に戻って駅ビルの「東京純豆腐」で先週食べて美味しかった牡蠣スンドゥブを食べようと思ったがこちらも満席だった。ランチタイムはどこへ行っても混んでいるような気がしたが、「テラス・ドルチェ」を覗いてみたら空いていた。

いつもはランチタイムが混んでいるのだが、年配の客が多いから、今日のような寒い日は客足が鈍るのだろう。

昨日の昼食は「喜楽亭」のチキンカツ定食とガッツリ系だったから、今日は軽めにしておこう。海老ピラフ(コーヒー付)を注文する。ランチタイムは1000円である(ランチタイムを過ぎると1200円)。

食後のコーヒーを飲みながら、オンデマンド授業の原稿に手を入れる。ミニ・コーヒーゼリーがサービスで付いてきた。

帰宅して原稿書き。

本日の東京の日没は5時2分。

原稿を仕上げて、夕食前に収録をする。「7時半までに終わるから」と妻に言ったが、7時39分までかかった。妻がふくれている。

夕食は鰺フライ、ハムカツ、里芋とネギの味噌汁、ごはん。

妻がふくれたのは、せっかくの揚げたてのフライが冷めるからである。「美味しいね」と妻の機嫌をとりながら食べる。

食事をしながら『夕暮れに、手をつなぐ』第2話(録画)を観る。

オンデマンド授業(最終回)のコンテンツ一式をMoodleにアップする。

妻が「お風呂出ました」と書斎に来て言った。あまり時間を置かずに私も風呂に入る。今月のガス代が先月に比べてだいぶ上がったのだが、それはガス料金が上がったことに加えて、床暖房のレベルを上げたことと、風呂を沸かしてから湯を行くまでの時間が長い(その間、湯の温度は一定に保たれている)ためだと妻は考えており、昼間、私が書斎にいるときは居間の床暖房を切ること、妻が風呂から出たらすぐに私が入るように言われているのだ。節約生活である。

風呂から出て、アマゾン・オーディブルで出久根達郎のエッセー集『本のお口よごしですが』を聴く(朗読は金田賢一)。元古本屋の主人だった直木賞作家が古本をめぐって書いた洒脱な文章である。

1時、就寝。


1月24日(火) 雨のち晴れ

2023-01-24 22:08:55 | Weblog

8時半、起床。

連絡を受け、パソコンを立ち上げて、一仕事。

食パンが切れたので、近所のコンビニにパンを買いに出る。

ロールパン、スープ(生姜入り和風スープ)、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

本日の『舞いあがれ!』。航空機部品のセミナーに母と一緒に参加した舞だが、意欲的な発言をして、同席していた菱崎重工の重役荒金(鶴見慎吾)に声を掛けられる。舞の父親のことを知っていた。父親はかつて菱崎重工で働いていたことがあったのだ。荒金が舞の夢(航空機の部品を作ること)の実現のためのキーパーソンになることは間違いあるまい。この役こそ、吉川晃司に演じてほしかった。『下町ロケット』での帝国重工の財前部長のイメージで。鶴見慎吾も悪くはないのだが、どうしても『チコちゃんに叱られる!』の「たぶんこうだったんじゃないか劇場」に登場する彼と重なってしまうのである。

昨日のブログを書いてアップする。

レビューシートのチェック。第14回のオンデマンド講義のレビューシートなのだが、何か勘違いしているのか、全体を通しての感想とか、お礼とかを書いているものが数枚ある。あのね、最終回じゃないからね。もう一回あるからね。

2時近くになって、昼食を食べに出る。気温は低いのだが、日差しがあるところはそうでもない。

多摩川線に乗って下丸子に行く。

今年初の「喜楽亭」。馴染みの店で、今年になってまだ行っていない店が他にもいくつかある。

汚かったメニューが新しくなった(値上げしたのである)。「値上げするのは申し訳ないような気がして・・・」とご主人が言う。どの店でもしています。しかたがないですよ。しかし給料は上がらない。税金は増えそうだ。内閣支持率はさらに下がるでしょうね。

ところでポークソテーライスだけ定食ではないんですね。「はい、ご飯はどんぶりではなくお皿で、味噌汁ではなくスープなものですから」。あっ、これだけ洋食なんですね。

いつものチキンカツ定食を注文する。100円値上げして950円。まだ千円札でお釣りがくる範囲内である。

客は私だけ。いつものようにご主人とおしゃべりをしながら食べる。ごちそうさまでした。

どこかでコーヒーでも飲んで帰ろうかと思ったけれど、寒いので直帰する。

「広島屋」の建物が消滅した。

「ここ何があったんだっけ?」と言われるようになるのだろう。でも、私は忘れないだろ。

帰宅してレビューシートのチェック。

夕食は豚シャブ。

私はバラ肉で、妻はロース。

「今日のバラ肉は脂身が多くて厚切りだね」「ロースも食べていいよ」

〆は明太子のお茶漬けでさっぱりと。

食事をしながら『リエゾン~こどものこころ診療所~』初回(録画)を観ていたら、入院中の卒業生から電話がかかってきて、しばらく話をする。来週にはひとまず退院豚なるようだ。

最近は人とめったに電話で話さなくなった。メールやラインで連絡を取り合うことがほとんどである。でも、電話の方がいい場合もある。

放送原稿の準備。収録は明日。

風呂から出て、日記を付ける。

1時、就寝。


1月23日(月) 曇り

2023-01-24 12:31:51 | Weblog

7時45分、起床。8時前に起きられた。

1階の雨戸を明け、仏壇と神棚の水を替え、リアルタイムで「舞いあがれ!」を観る。前回から4年が経過していた(舞は何歳になったのだろう)。今週のタイトルは「大きな夢に向かって」。明るい週になりそうである。

トースト、スープ(参鶏湯)、目玉焼き、ウィンナー、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。うん、これはかなりしっかりした朝食である。

王将戦第二局は挑戦者の羽生九段が勝ち、一勝一敗とした。毎日新聞の王将戦のホームページで棋譜を確認したが、羽生が先攻し、藤井の反撃をしっかり受け切って勝ちを決めるという非常に充実した内容の勝利であった。これでシリーズは俄然面白くなった。

ゼミ論集の目次を作成する。学生に氏名・論文タイトルに間違いがないかを確認し、最終版は通し頁を振って提出するようにメールで伝える。

今日は冬の曇り日。

皮膚科に行って指のイボの治療。

その足で池上線に乗って池上へ。車内で「SALUS」(東急沿線情報誌)に目を通す。「沿線街さんぽ」は武蔵小山がとりあげられていた。小山台高校(私の母校)があり、林試公園があり(たまに行く)、長いアーケードがある街である。お隣の西小山もいい。

「ヒトナミ」に昼食を食べに行く。ランチタイムのためだろう、テーブル席はいっぱいだったので、カウンター席に座る。

ガパオライスを注文する。目玉焼きがちゃんとした形状で来た(笑)。

タバスコをたっぷり振りかけて食べる。

さっきまで客がいっぱいいたのがウソのように私だけになった。スタッフのマリスさんの姿が見えないので(店長の息子さんが手伝っていた)どうしたのだろうと思っていたら、「彼女は長野に帰ったんです」と店長さんが言った。「でも、ときどき東京に遊びに来ていて、イベントのあるときなどはお店を手伝ってくれます。昨日も来てくれたんですよ」。そうだったんですか。では、また会えるかもしれませんね。

家まで歩いて帰ろうかとも思ったが、寒いのでやめておく。

帰宅して、昨日のブログ(句会ブログ)を書く。

本日発表の東京の新規感染者数は2677人。ネットニュースでは3000人を下回ったのは10月31日以来というような報道の仕方をしているが、それはうわべだけのことで(全数調査ではないのだ)、死者は30人と依然として高いレベルのままである。10月31日の死者は7名に過ぎなかったことを見落としてはならない。ちなみに死者30人は全員50代以上である。政府はうわべの数字を根拠として規制緩和を進めようとしているが、高齢者が死ぬことは老年人口の割合を低下させるから社会全体としてはよいことだと考えているのかもしれない。

夕食はおでん。

おでんをおかずにごはんを食べるのは関西の人には奇妙なものに映るだろう。ちなみにちくわぶは関西のおでんにはない具である。彼らはちくわぶが「穴の空いた太いうどん」にみえるらしい。私は大好物です。

食事をしながら『罠の戦争』初回(録画)を観る。2回目はどうしよう。妻は復讐ものが好みではないので、観るとしても私だけが観ることになるだろう。

昨日のブログを書き上げて、アップしてから風呂に入る。

1時、就寝。


1月22日(日) 晴れ

2023-01-23 22:05:28 | Weblog

9時、起床。12時に寝たのに9時まで寝ているというのはいただけない。一度、7時頃にトイレに起きたので、そのまま起きればよかったのだが、まだ外がちゃんと明るくなっていないので(日没の時間は遅くなっているが、日の出の時間は早くなっていない)、ついつい暖かい布団の中に戻ってしまったのである。

トースト、スープ(オマール海老のビスク)、目玉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。甥っ子が出産の内祝いに「スープ・ストック・トーキョー」のスープ(冷凍)をたくさん送ってきてくれたので、今日から朝の食卓にはしばらくスープが付くことになる。いろいろな種類があり、今日はオマール海老のビスクにした。寒い冬の朝に暖かいスープはいい。

食事の後、昨日のブログを書きながら、NHKの将棋トーナメント、中川大輔八段と久保明九段の一戦を観る。局面は後手の劣勢にある久保9段が5五の歩を5六に着いたところ。角で金取りと5七歩成りを両狙いである。AIの予想手(最善手)はその両方の狙いを放置しての8六桂打ちである(!)。6六角と金を取られても、それが詰めろにはなっていないから、9四桂、7一王、6七香(角が逃げたら8二金で詰み)で勝ちという読みであろう。なるほどなぁ。実際、中川八段は8六桂と打った。プロらしい一着だった。

それにしても、対局を観戦しながら、ブログを書くのは無理である。どうしたって盤面に目がいってしまう。そして一緒に考えてしまう。これは私が生半可に将棋が強い(アマ三段)からである。

1時からオンライン句会があるので、直前にコンビニで肉まんとあんまんを買ってきて、パソコンの前で準備をしながら頬張る。

やはり懸念していた通りzoomの接続が不安定なので別のパソコンに切り替える。本日は主宰の直美さんがご家族の事情で欠席となったので私が司会進行役である。投句は11名(33句)だが、ライブでの参加は、あきこさん、月白さん、えみこさん、さやかさん、渺さん、私(たかじ)の6名。事前選句が、蚕豆さん、花さんの2名。羽衣さんが遅れてライブ参加できるか微妙ということ。では、始めましょう。

句の読み上げは月白さんにお願いした。NHKのアナウンサーのように淀みなく読み上げてくださった。兼題は「音を入ること」。

読み上げの後、言葉の意味の確認などをしてから(たとえば「冬彦忌」は寺田寅彦の命日)、選考タイム。天(5点)一句、地(3点)二句、人(1点)二句を各自が選ぶ。

私は次の5句を選んだ。

天 たわわなる蜜柑夕日を吸ふごとし

 「夕日を浴びる」では平凡だが、「夕日を吸う」としたところがいい。初句会にふさわしい句である。

地 聴罪師となりて睦月のカフェに居る

 カフェというのは不思議な空間で、近くのテーブルで話す客の声が聞こえて来るが、こんな場所でそんな話をしますか(聞こえてますよ)というような内容のことが時々ある。もちろんこちらは聞こえていないフリをするわけだが、あたかも懺悔する人の話を壁の穴越しに聴く司祭のようでもある。

地 春支度エスカレーターの長きかな

 一瞬、解釈に戸惑う句だが、「春支度」を本来の意味である「新年を迎えるあれこれの準備」と受け取れば、あれもしなけばこれもしなければと気忙しい気分の中で、渋谷あたりに買い物に出て、地下鉄の駅からエレベーターに乗って地上に出るまでの「長いなぁ」というじれったい気分を詠んだものと解釈することができようか。 

人 煤逃や古書市で買うプレヴェール

 「煤逃(すすにげ)」とは「煤払」=大掃除をしないで(足手まといになるだけだからと)外出すること。それが許されるとすればうらやましい話である。プレヴェールはフランスの詩人で、シャンソン「枯葉」の作詞者でもある。煤逃という情けない行為とプレヴェールの詩集を買うというちょっと気取った行為の取り合わせに滑稽味がある。

人 半分の月北風に切り取られ

 いま日本列島は十年に一度の寒波に見舞われている。このタイミングで鑑賞すると「切り取られ」のシャープな感じがひしひしと伝わってくる。

全員の選考が終った。集計結果は以下のようになった。

16点 たわわなる蜜柑夕日を吸うごとし 羽衣

 今回の特選句。月白さんと私が天を付けた。平易な句であるが、誰もが知っている(実際に観たことがあるかどうかは別にして)暖かで豊かな風景が広がっている。ライブで参加している人の句ではなかったので、誰の句だろうという話になり、たぶん羽衣さんの句だろうという意見が大勢を占めた。実際、その通りだった。

13点 春支度エスカレーターの長きかな えみこ

 あきこさんと蚕豆さんが天を付けた。あきこさんら女性陣は、「春支度」を「春の装いをして」と解釈されたようである。そういう解釈もありえるけれども、その場合、「エレベーターの長きかな」とどう結びつくのかが難しいのではないかと思ったが、あきこさんは「長き」から「春日」=「長き日」(昼間が長くなる)を連想してのんびりした雰囲気と解釈し、月白さんはスカートの裾がエスカレーターに吸い込まれらないか気になっていると解釈されていた。作者のえみこさんは「新年の準備」「春の装い」両方に解釈されてもいいつもりで作られたとのことだった。

11点 煤逃や古書市で買うプレヴェール 蚕豆

 オンライン参加の6人中、渺さん以外の5人が選んだ。自分の句は選ばないことになっているので、もしかして作者は渺さん? と思ったが、違った。では誰の句だろうという話になり、「煤逃」という珍しい季語、「古書市」好み、「プレヴェール」をもってきた一種の気取り、これは蚕豆さんに違いないと大方の意見が一致した。その通りだった。

11点 マグリッドの忘れていった冬帽子 渺

 えみこさんが天を付けた。ルネ・マグリッドの絵には山高帽を被った男がよく登場する(顔はハトや林檎で隠れている)。読み手の側にそうした知識(教養)があることを前提にした句である。もしかたらアントワーヌ・ローランの小説『ミッテランの帽子』のことも意識されているのかもしれない。私がこの句を選ばなかったのは、「煤逃」と同じ作者(蚕豆さん)の句だろうと推測して、同じ作者の句から二つとるのはやめておこうと判断したからだが、作者は渺さんだった。


ルネ・マグリッド「山高帽の男」

8点 聴罪師となりて睦月のカフェに居る 月白

 月白さん曰く「私の句は男性に採っていただけることが多いんです」。実際、渺さんと私が地、蚕豆さんが人を付けたのだが、その言の意味するところは何だろうか。フェロモンのようなものが句から漂っているのだろうか(笑)。おそらく人生の物語として味わい深いものがあるのでしょう。ちなみにこの句はカフェで作者が友人から重い相談を受けたときのことを詠んだものとのこと。

8点 掘削機ガガガ男の腕に雪 月白

 これも月白さんの句。さやかさんが天を付けたが、マッチョな感じ(ガテン系)が漂っているからだろう、男性陣は渺さんだけが採った。作者の説明では、これは工事現場ではなく、山崩れで埋まった民家の中にいるはずの老夫婦を救出すべく作業にあたっている現場を詠んだものだそうだ。ニュースで見てました。

7点 冬休みジョーカー吾子に引かすまじ 羽衣

 ババ抜きをしていて、我が子がジョーカーを引かないように念じる(カードの並びにも細工をするのかもしれない)母親を詠んだものである。なんという過保護なという印象をもったが、「ジョーカーを引くと急に機嫌が悪くなったり騒ぎだしたりすると大変だから」と小さなお子さんのいるえみこさんが擁護していた。であれば勝ち負けを争うのではない、福笑いあたりがいいんじゃないでしょうか。

6点 とろとろと曜日溶けゆく年酒かな 犬茶房

 酒飲みの人の作った句を酒飲みの人が選んだ。

6点 お正月キラキラしてる穀潰し 直美

 渺さんが天を付けた。「穀潰し」とはこれまた強烈な語句である。たんに働かない(稼ぎがない)というレベルではない。酒・博打・女で身上(しんしょう)を潰すレベルである。当然、周囲からは非難され肩身の狭い思いをしているであろう。そんな男がお正月には生き生きとして見えるという句。作者は誰だろうという話になり、直美さんだろうということになり、事実、直美さんだった。

6点 炬燵から腹ばいで出る四日かな 犬茶房

 花さんが天を付けた。たんに「出る」ではなく「腹ばいで出る」である。酒浸りの正月だったのだろうか。

4点 大寒やコートを着ない男たち たかじ

 私の句。特殊な男たちではない。サラリーマンの中には寒い日でもスーツの上にコートを着ない人たちというのが一定数いるのである。「寒がりでない」ことをアピールしているのだろうか。それはアピールするに値することなのだろうか。『女のいない男たち』(村上春樹の短編集のタイトル)が頭の片隅にあったかもしれない。

3点 戦慄の走る青カビの蜜柑 えみこ

 月白さんが地をつけた。私も当初、選句の候補に入っていた。「たわわなる」で蜜柑の句を選んだので、蜜柑で二つ選ぶのはやめておこうと選外にしたが、句そのものとしては印象に残った。この「戦慄」は誰もが感じたことのあるものだろう。

2点 半分の月北風に切り取られ 月白

 さやかさんと私が人を付けた。子どもが作った句のように見えて、感性は鋭いと思う。

1点 令和五年母のおせちは極まれり さやか

 花さんが人をつけた。私は採らなかったけれど、どこか気になる句ではあった。「極まる」とはどういうことなのか。豪華なお節なのだろうかと。作者によると「ようやく全部が自分(母)の納得する味付けにできた」ということらしい。なるほどね。

1点 冬休み白くまの目はやさしそう あきこ

 えみこさんが人を付けた。うっかり、上野動物園の白熊は悲しそうな目をしていた(北極が恋しいのではないだろうか)という話を私がしたら、えみこさんもそれに同調してしまった。あきこさんはうつむいて「これは縫いぐるみの白くまです」と言った。いじめたみたいじゃないか。

1点 ヒュルリララ一途な思い雪女 たかじ

 私の句。選んで下さった渺さんは、これには「元歌」があることをちゃんとご存じだった。森昌子『越冬つばめ』である。♪ヒュルリ ヒュルリララ ききわけのない 女です~ 「ききわけのない」を「一途な思い」に、「女です」を「雪女」(季語)にした兼題句である。

今回は点数の分散が少なかった。みんながいい句だと思う句が一致していたということである。

次回は3月5日(日)。

兼題は出席者の中での最上位者であるえみこさんに出してもらうことになった。「始」か「終」のいずれかの字を入れること。・・・何度も兼題を出しているとだんだんひねってくるものである。

句会が終ったのは3時。少し横になってから、散歩に出る。

「スリック」に顔を出す。

大きな赤いダリアが飾られている。

紅茶はアールグレー(アーマッド)。

シフォンケーキはプレインに、お願いして、甘納豆(宝尽くし)を添えてもらった。

先客の二人連れの女性が店を出て、私が本日最後の客になった。何度か連れて来た卒業生の一人がいま病気で入院中なのだが、私のブログで「スリック」の閉店を知って残念がっていますという話をマダムにしたら、「ファイト!」のポーズをしてくれたので、スマホで撮ってその人に送ったら、「うわー!ありがとうございます」とすぐに返事が来た。早く退院できますように!

論系ゼミ1期生のミサキさんのお友達(同じマンドリンサークルだった)が私のブログで「スリック」の閉店を知って、先日来店されたという話をマダムから伺った。ブログの読者は裾野がけっこう広いようである。これから2月末の閉店までの期間に、隠れた「スリック」ファンの方が来店されるのではないかしら。マダム、よろしくお願いします。

帰宅して、『山下達郎のサンデーソング・ブック』をタイムフリーで聴きながら、昨日のブログを書く。

夕食はポークソテー、玉子と野菜のスープ、ごはん。

シンプルな塩と胡椒の味付け。

食事をしながら『花火師望月星太郎の憂鬱』第2話(録画)を観る。高橋一生と橋爪功に挟まって本田翼がなかなかいい演技をしている。

『リバーサル・オーケストラ』第2話(録画)も観る。1時間もの2本は疲れるが、30分ものと1時間ものなら許容範囲内。門脇麦がいい。

昨日のブログを書き上げてアップしてから、風呂に入る。

12時半、就寝。


1月21日(土) 晴れ

2023-01-22 22:58:00 | Weblog

8時半、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。ランチを卒業生と食べる約束があるので、朝食は軽めに。

食事をしながら『ドキュメント72時間』の再放送「大阪 昭和から続くアパートで」を観る。

そのままブログを書いてアップしようとしたが、途中でWI-Fiが切れて、消えてしまった。

11時半近くに家を出る。天気はよいが風が冷たい。マフラーをしてくればよかった。

蒲田駅で卒業生のメグミさん(論系ゼミ9期生)と待ち合わせ、大井町の「丸八」へとんかつを食べに行く。

12時前だったが店内は思いのほか混んでいて、店の奥のカウンター席に案内される。この席は初めてだ。個室ではないが、離れ的なコーナーで話をするのは案外いい席だ。古い店員さんに聞いたら、ここは以前は二階席(畳席)に上がる客たちの控え席だったらしい。

実際、すぐ横には二階席(畳席)に上がる階段があり、下足棚はたくさんの靴が並んでいる。ちょっと上がってみたら畳席も満席だった。

「あなたはヒレカツとロースカツはどちらが好き?」と聞いたら、「ロースです」というので、彼女には上ロースカツ定食を、私はいつものカツサンドを注文する。

カツサンドが先に運ばれてきた。コーラも注文する。

いつものことだが断面が美しい。よく切れる包丁でカットしているのだろう。これだけで食欲が刺激される。

上ロースかつ定食。

満面の笑みである。私とカフェ巡りをする卒業生の中で彼女は一番の健啖家である。ごはんのお替りをした。

カツを揚げていた若旦那がわざわざ挨拶に来て下さった。「店内でカツサンドを注文されるお客様というのは珍しいので、もしやと思いまして」と。お土産に注文する客が多いのですね。でも、私は作り立てを食べたいんです。今日も美味しくいただきました。客足が戻って来てよかったですね。

食後のコーヒーは「ポットリー」で。

カウンター席に座る。マダムと新年のご挨拶。

ブレンドコーヒーを注文する。ウェッジウッドのユーランダーパウダーブルーとルビーのカップで出してくれた。

彼女は学生のときコーヒー研究会に所属していた。コーヒーやカフェに関することをマダムにあれこれ質問していた。

「ポットリー」のケーキは一種類、チーズケーキのみで、マダムの手作りとのこと。初めて注文してみた。予想とは違った形状で出て来た。レアチーズケーキで、アイスクリームを掬うようにパックからお皿に盛られた。ビスケットを添えて。「兎さんですか?」と聞いたら、「いいえ、ミッキーマウスです」。失礼しました。

寺町池上に移動する。彼女は池上は初めて。早咲きの梅が何輪がほころんでいる。

本門寺の階段を登る。

野生化したオウムかと思ったら、飼い主の方がそばにいた。「飛ばないのですか?」「はい、飛ばないです」

豆まきの準備が進んでいる。お相撲さんとか芸能人が来て、ここから豆とか何やらをまくのだ。

大堂に参拝して、大香炉に線香を立てる。

本門寺の中の公園。

スマホのカメラの自撮りは彼女にお任せ。

境内は風が吹ているが、公園の中は風は吹いていない。ジャンバーを抜いて身軽になってもらってポートレイトを撮る。

ジャンプ!

浮遊!

そろそろ陽が傾いて来た。

池上散歩の最後は「池田屋」で。

小腹が空いてきたので、おでんと葛餅のセットを注文する。あたたかいおでんが美味しい。

「蜜はたっぷりかけるのが好きです」

たくさん食べる人は神経も図太いように思われがちだが、さにあらずで、彼女はけっこう繊細なところがあり、それで人間関係に苦労することもある。でも、一皮むけたみたいですね。就職して4年がたち、重要な仕事も任されるようになった。頑張ってください。

彼女を蒲田駅の改札に見送る。次は風の冷たくない季節のカフェをいたしましょう。

帰宅して「福山雅治 福のラジオ」をタイムフリーで聴きながら、昨日のブログを書く。

夕食は鮭の野菜あんかけ、サラダ、ごはん。

食事をしながら『星降る夜に』初回(録画)を観る。古風でロマンチックはタイトルである。キャッチコピーは「人は恋で生まれ変われる。教えてくれたのは10歳下のあなたでした」。脚本は大石静。信頼感はありますね。

妻に買物のついでに購入しておいてもらった『NHK俳句』2月号。

 波を追ふ波いそがしき二月かな 久保田万太郎

風呂から出て、明日の句会の選句をすませておく。

12時、就寝。