文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2023年アメリカ映画『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』

2025年03月25日 | 映画
 3/24(月)千葉劇場にて。監督はショーン・プライス・ウィリアムズ。主演はタリア・ライダー。


 主人公のリリアンは、少女から成熟した女性へと移る多感な季節を迎えている。この作品は、そんなリリアンの目に映る現代アメリカの影の部分をシュールに描いてゆく。やはり、アメリカはUnited Statesを直訳した「合州国」ではなく「合衆国」なんだ、と、改めて思わされた。相容れない文化や宗教を持った人たちが集まり、時に共有し、時には分断の中で、それぞれが合衆して(United)かろうじて一つの国が形成されている。そんな危うい世界を、リリアンはさ迷ってゆく・・・正直言って、眼をそらしたくなる映像や、あまりにも現実から離れている設定と感じるプロットもあった。が、表面に浮かび上がる上澄みばかりのテレビにはうんざりしていたので、たまにはこんな映画を観るのも悪くない。



以下は、千葉劇場のホームページより引用。
『物憂げな少女リリアンが繰り広げる、現代アメリカの闇を巡る奇妙な旅を描いたドラマ。サウスカロライナ州の高校3年生リリアンは、恋人トロイや親友テッサ、アナベルら同級生たちと一緒に、修学旅行でワシントンD.C.を訪れる。どこか物憂げなリリアンは、はしゃぐ同級生たちを冷めた目で眺める。夜、皆でカラオケバーへ繰りだした彼女たちは、陰謀論に取り憑かれた男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。派手なパンクファッションのケイレブに導かれて店のトイレに逃げ込んだリリアンは、大きな鏡の裏にある“秘密の扉”から地下通路を通って旅に出る。(2023年製作/104分/R15+/アメリカ)』

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瑞庵オープンマイク2025/3/14

2025年03月18日 | ライブ
 9日にも千葉のライブハウス「瑞庵2」ブルースセッションにいったが、それに続き、14(土)夜の隔月第二金曜夜に行われているオープンマイク「マーシーのアコギで遊ぼ」に参加させてもらった。今回が2回目の参加。

 ホスト役の「マーシー」こと小川さんは、カントリーソング系のミュージシャンだが、ここではジャンルや使用する楽器に関係なくだれでも参加できるオープンマイクになっている。わたしも、アコースティックギターを弾く、という基本を忘れないために参加させてもらっている。この日は、リゾネーター・ギターを使ってのソロ曲を4曲演奏してきた。最近は、エレキギターばかり弾いているが、やっぱりアコースティックギターの音は良いものだ。拙い演奏だが、聞いてくれた人には喜んでもらえたようなので、これからも参加する事に意義を見出して頑張りたい。




 ボディ内にリゾネーター(resonator)と呼ばれる共鳴器が入っているものを総称して「リゾネーターギター」と言っている。が、リゾネーターにも、シングルコーン、トライコーン、スパイダーコーン、などの種類がある。さらに、ボディにも、金属の材質の違いがあり、木製のものもある。それにより、音質も値段も大きく異なってくる。写真のシングルコーン・リゾネーターギターはドイツ製の「コンチネンタル」というメーカーのもの。金属ボディの材質は、ブラス(真鍮)ではないかと考えているが、はっきりしたことはわからない。

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瑞庵2ブルースセッション2025/3/9

2025年03月11日 | ライブ
 今日は、14回目の3.11。14年前の東日本大震災の時、千葉県でも太平洋沿岸では津波に襲われ亡くなったり行方不明になった方も少なくない。こちら千葉市内でも液状化の被害が出た。そして、その後の福島第一原発の事故。当時、まだ寝たきりで存命していた母の介護をしていたが、正直言って途方に暮れた。あの日のことを忘れずに、日々を過ごしたい。


 さて、3月9日、千葉のライブハウス「瑞庵2」恒例第二日曜夜のブルースセッションに参加してきた。このところ、腰痛もあってセッションには行っていなかったが、なんとか体調も戻ってきたので久々に参加させてもらった。去年の秋以来なのでおよそ半年ぶり。自分では音のコントロールに満足出来ないこともあったが、なんとか6曲をギターとヴォーカルをこなし、歌えることがうれしかった。


 使用しているギターは、ESPにオーダーしたオリジナルの12弦。聞いてくれた人には、概ね好評だった。中には「シタールみたいな音でしたね」と、感想を言ってくれた人も。12弦ギターを知らない人なのかと思い、「(複弦の)1・2コースはユニゾン(同じ音)で、他はオクターブでチューニングします・・・」などと説明してきたが、余計なことだったかも・・。また、参加したい。

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千葉市稲毛海岸2025/3/1

2025年03月04日 | 日記・エッセイ・コラム
 3/1(土)午前、花粉の飛散が本格化する前に、自転車で稲毛の人工海浜まで行ってきた。


 海に突き出たデッキがあり、 土曜日だったので近隣の人たちで賑わっている。


 そのデッキの上から東京方面。右端に幕張メッセやマリンスタジアムがある。この日は気温が20度近くまで上がり、水面から靄が立ち上る感じで視界が期待したほどよくなかった。


東京湾に浮かぶヨットなどが多く見えた。後方に、よく見るとスカイツリーが写っている。普段は、もっとはっきりと見えているのだが、残念。

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ストラトキャスターのその後

2025年02月25日 | ギター
 先日、紹介したシェクター(SCHECTER)のストラトキャスター「 L-A-ST-AL/R」。自分で改造してリアピックアップのみにした。が、結局フロントピックアップを付けたくなり、さらに手を加えてみた。



 これが、取りあえずの完成段階で、リアピックアップのみでヴォリュームだけの状態。


 さらに手を加え、フロントにセイモア・ダンカンのテレキャスター用のピックアップをつけてみた。テレキャスターのフロント・ピックアップは小さめで指弾きでもあまり邪魔にならない。弦間ピッチが合うかどうか心配だったが、許容範囲内だった。当然必要になる切り替えスウィッチをつけて、さらにトーンも加えた。


 フロントに加えたのは、家にあったダンカンの初期のピックアップで、40年近く前に買って持っていたもの。この頃のダンカンは、まだ自社工場のみで生産されていたので、品質が高く、今のものとはトーンが違うという評価もある。確かに、音質的に豊かな気もするが、確信に至るほどでもない。しかし、カバーがないタイプで黒いままなので、リアピックアップと色違いのツートンカラーになってしまった。金属のカバーがサウンドハウスで2000円程なので、買い求めて、付けるか考え中。
 というわけで、改造・改良は、ずーっと終わりそうにない。自分でホビー用の工作機械を使ってやっているので、さほどお金はかからないし、楽しみながら時間をかけて続けている。

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荒屋敷貝塚2025/2/17

2025年02月18日 | 考古・エッセイ
 気候が良いので、墓参がてら千葉市若葉区貝塚町にある国の史跡である荒屋敷貝塚に行ってきた。特別史跡の加曾利貝塚からは、直線で2キロくらい。


 逆光になってしまい、ちょっと見にくいが昭和43年3月建立の石碑。この奥の広場のような空間が貝塚で、かなり大きい。




 左端に大きい樹が見えるが、下の写真はその根元を撮ったもの。

 白く見えているのが貝殻。二枚貝が多いようだ。



下の2枚は、荒屋敷貝塚から少し離れた所。台地の下にあたる場所で、かなり急な斜面になっている。なので、上から落ちて来ている多種類の貝殻が観察できる。

 

 道に落ちている貝を、種類ごとに土嚢の上に並べて撮ってみた。上の巻貝は千葉では「ナガラミ」と呼ぶダンベイキサゴか。中段は二枚貝で左から赤貝、アサリ、ハマグリ、などか。そして、下段の小さい巻貝は「イボキサゴ」で千葉市内の貝塚ではこれが最も多く見られる。「イボキサゴ」は、現代では食べられることは無い小さな巻貝。縄文時代も食用としていたとは考えにくく、何に使ったのか色々な説がある。わたしが個人的に好きなのは、土器で多くの貝を煮詰めてから身を干して「だしの素」のようなものを作り、他の地域と物々交換する際の「商品」にしたのではないか、という説。貝塚から出土する黒曜石などは、現代の分析で神津島や長野県などのものであることが判明している。タダで貰えるはずはなく、交易をする行商人の様な人がいて、交換していたのではないだろうか。縄文時代の流通は、かなり進んでいたようだ。そんな想像をすると、なんとなく、ロマンがあって楽しい気がする。

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1973年フランス映画『ブルースの魂』

2025年02月11日 | 映画
 2/7(金)、千葉劇場にて。映像や音を修復しての劇場公開作品になる。監督はロバート・マンスーリスで、2022年4月に92歳で亡くなっている。この作品はフランスのテレビ局の企画で制作されたらしいが、1973年当時、日本はもちろん、アメリカでもほとんど公開されなかったという。観ればわかるが、黒人の生活に対するフランス人の偏見が見え隠れする。おそらく、それが公開されなかった理由だろう。

 映画の最終場面で、ブラウニー・マギーが「Blues is truth(ブルースは真実)」と言って、エンドロールになる。そのブラウニー・マギーがヨーロッパに演奏旅行に行った際の逸話を、どこかで読んだことを思い出した。それは、記者から飲酒のことなどを問われて「わたしは酒も飲まないし、もちろんドラッグもやらない」と答えると、「あなたは本当のブルースマンではない」と言われたという。「あいつら、何か勘違いしてるよ」と回顧していたが、ヨーロッパでのブルースマンに対する偏見が良く表れている話だ。この映画でも、かなり作為的な編集の仕方が認められる。出演者のほとんどがすでに亡くなっているが、もし、生きていてこの作品を観たらがっかりするような気がする。
 とはいえ、昔の映像あるいは音源からノイズを除去して迫力ある生々しいシーンが続く。ほとんどの映像が我が家にもあるが、改めてきれいな映像で観られて良かった、とも感じた。さらにもう一点、翻訳が素晴らしかった。調べてみたところ、字幕の翻訳をしたのは福永 詩乃という方らしい。アメリカの音楽文化に詳しい研究者かと思ったが、ヒンドゥー語などのインド映画の翻訳も担当している翻訳家のようで、才能ある人だなあ、と感心ひとしきり。おそらく、この作品が作られた半世紀前だったら、この様なセンスの良い字幕が付くことは無かっただろう。それほど、文化の違いを翻訳するのは至難なことなのだ。

 なお、フランス語の原題は『Le blues entre les dents』。「dents」は英語のDentalに近い言葉のようで、歯の間から出てくるような自然なブルース、というほどの意味らしい。ちなみに、英題は『The Blues Under The Skin』。



以下は、千葉劇場のホームページより引用。
 『「ブルースの魂」
監督ロバート・マンスーリス
出演B.B.キング、バディ・ガイ、ジュニア・ウェルズ、ルーズヴェルト・サイクス、ロバート・ピート・ウィリアムズ、マンス・リプスカム、ブッカ・ホワイト、ソニー・テリー、ブラウニー・マギー、ファニー・ルイス、ジミー・ストリーター
B.B.キング生誕100 周年記念。製作から50年を経て、2K修復版にて劇場初公開。1970年代の伝説的なブルースミュージシャンたちの演奏をとらえた映像と、ハーレムに住む若いカップルの愛と苦難のドラマを融合させた音楽映画。フレディ(ローランド・サンチェス)は子供のころ生活のためノースカロライナ州から母親に連れられてニューヨークに出てきた。だが武装強盗の罪で5年間服役、出所後ハティ(オニケ・リー)と結婚し二人で母親の家に居候している。フレディは刑務所の病院で働いた経験を生かして看護助手をやろうと職探しをする毎日だがうまくいかない。街をうろつきハティに金を無心してはビリヤード場に出入りし鬱とした日々をやり過ごしている。そんなフレディに嫌気がしたハティは、仕事帰りに立ち寄るなじみのバーでブルースを歌う男と駆け落ちを図るが…。(1973年製作/88分/フランス)』

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わたしのレコード棚ーザ・バンド The Band

2025年02月04日 | わたしのレコード棚
 今年(2025年)の1月21日、ザ・バンド The Bandの最後の生存メンバー、ガース・ハドソンがニューヨーク州ウッドストックで死去した。87歳だった。ザ・バンドは、アメリカ南部出身のレヴォン・ヘルムを除く他のメンバーがカナダ人で、1967年から1976年まで主にアメリカで活動したロックバンド。 1976年 11月25日 、 サンフランシスコでの最後のコンサートを映画化した『ラストワルツ』が日本で公開されたころ、わたしは大学生だった。無駄がなく、洗練された音使いに感動したものだった。ライブ演奏にもかかわらず、あれだけの完成度の高い演奏が出来る各メンバーの演奏力にも感心した。ロックバンドとはいえ、ジャンルを超えた演奏力を持った人たちだったのだ。

 ひとつの時代の終焉、とも言えるのかもしれない。以前はLPレコードも持っていたが、今、手元にあるのは下のCDだけだ。追悼の意味を込めて、取り上げておきたい。


 1968年から1977年までにリリースされた18曲を収録したCD『The Band GREATEST HITS』。Capitolレーベルから2000年に発売されている。


 CD解説内の写真。左から、ピアノのリチャード・マニュエル(1943-1986)、ベースのリック・ダンコ(1942-1999)、オルガンのガース・ハドソン(1937-2025)、ギターのロビー・ロバートソン(1943-2023)、右端にドラムスのレヴォン・ヘルム(1940-2012)。オリジナル・メンバーの全員が様々な楽器を演奏でき、それぞれヴォーカルもとれる。なので、普通のバンドでは到底考えられないような、多彩な音作りが可能だった。


 こちらは、裏面。

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2025年日本映画『港に灯がともる』

2025年01月28日 | 映画
 1/23(木)千葉劇場にて。英題『 THE HARBOR LIGHTS』。監督は安達もじり。出演は、富田望生、伊藤万理華、青木柚、山之内すず、麻生祐未、甲本雅裕、他。

 阪神淡路大震災から今年で30年。その間にも、東日本大震災、熊本地震、そして昨年の能登半島地震、と大規模災害が起こっている。30年の歳月の中で、国そして全ての生活する人々は阪神淡路大震災の教訓をに生かしていない、そう思わざるを得ない。同じ悲劇が繰り返されている。予想される、南海トラフ巨大地震に襲われたとき、おそらく、首都圏など都市部は壊滅し機能不全におちいることだろう。そして、この映画で取り上げられたような、心が崩壊する人が多く出るだろう。混乱の中で破壊行為が多発し、無法地帯化することにもなりかねない。今からでも、災害に耐えうる都市の構築と、災害時の心構えを日頃から話し合える場を設ける必要がある。


 主人公の灯(あかり)は、外出時には必ず大きいヘッドホンをつけ、まるで外の世界を拒絶しているかのようだ。が、神戸の人々との対話の中で、人の温かさに触れ、表情は徐々に明るくなってゆく・・。映画のエンドロールの前、最終場面・・主題歌が流れる中一人たたずみ、やがて街を歩き出す灯、その時も尚ヘッドホンは外せない姿が映し出される。その灯を演じた富田望生(みう)という女優さんが好演している。わたしの知らない俳優さんだったが、調べてみると、福島出身の24歳ということで東日本大震災に遭遇しているらしい。映画は神戸が舞台なので、当然関西弁のセリフがほとんど。その上で、うつ状態に苦しむ状態から緩解に近づく主人公の表情をこなしており、感心させられた。おそらく、かなりな撮り直しの上で完成させられた作品だろう。この作品の主題歌「ちょっと話を聞いて」で作詞も担当しているようで、多彩な才能を持った人のようだ。けっして美人ではないが、アイドル上がりの女優さんには出来ない演技力が認められる。これからも、地道にコツコツと活動してもらいたい。

以下は、千葉劇場のHPより引用。

『「港に灯がともる」
1995年の震災で多くの家屋が焼失し、一面焼け野原となった神戸・長田。かつてそこに暮らしていた在日コリアン家族の下に生まれた灯(あかり)。在日の自覚は薄く、被災の記憶もない灯は、父や母からこぼれる家族の歴史や震災当時の話が遠いものに感じられ、どこか孤独と苛立ちを募らせている。一方、父は家族との衝突が絶えず、家にはいつも冷たい空気が流れていた。ある日、親戚の集まりで起きた口論によって、気持ちが昂り「全部しんどい」と吐き出す灯。そして、姉・美悠が持ち出した日本への帰化をめぐり、家族はさらに傾いていく。なぜこの家族のもとに生まれてきたのか。家族とわたし、国籍とわたし。わたしはいったいどうしたいのだろう―。(2025年製作/119分/G/日本)』

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ストラトキャスター改造

2025年01月21日 | 音楽
 手持ちのシェクター(SCHECTER)のストラトキャスター「 L-A-ST-AL/R」を改造。音質的なことは、あまり気にせずに、弾きやすさと軽さに重点を置いて、新たにピックガードを用意して、自分で作ってみた。


 これが元の状態。写真を撮り忘れたので、購入した島村楽器さんのHPから同型のギターの写真を拝借、すみません。これ、見た目は普通のストラトだが、実は、かなり標準的なフェンダーのものとは異なっている。一番の特徴は、ボディ内部がホロウ構造になっていることで、軽量。さらにトーンは、全てのピックアップに効いており、上が高音カット、下が低音域のカットになっている。ピックアップはフロントとミドルがセイモア・ダンカンのSSL1、リアピックアップはやはりダンカンのSTK-S10Bというスタック構造のハムバッカー。ミドルとのハーフトーンではタップ配線でシングルアウトする。なかなかに使いやすく、音質的にも気に入っていた。が、わたしは、ピックを使わず、指で弾くので、どうしてもピックアップに指が当たる。慣れればさほど気にならないが、やはり、ストレスのない状態でプレイ出来るのが望ましい。と、いうわけで、リアピックアップのみのオリジナリティーに富んだストラト?に変身させた。


 ボディ材はアルダー。内部はご覧の様に、かなり空洞になっている。元の状態でも3㎏ほどの重さで、標準的なストラトキャスターよりかなり軽い。


 サウンドハウスで穴が空いていないストラト用のピックガードを購入して、ホビー用の工作機械で加工した。たまたま、この白いガードの在庫が余っていたのか、安く売りだされていて他の色の半値ほど、2000円弱で買えた。リペアマンのようにきれいには仕上がらないが、多少雑なところは目をつむり、節約して自分でやるのも悪くない。取りあえず、これで完成。重さは2.7㎏に減少。腰痛持ちにはありがたい。ノッペリした感じだが、指弾きではかなり弾きやすくなった。コントロールも今のところヴォリュームのみ。シングルコイルなのでトーンが欲しいところだが、とにかく配線をシンプルにして ピックアップそのものの音をストレートにアンプに通したい気持ちもあり、考慮中。現状ピックアップは、まろやかな音質のディマジオDP175がついている。


 全体では、こんな感じ。ギターから受ける印象が大分変わった。自分では悪くないように思うが、どうだろう。

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わたしのレコード棚ーブルース169-Lee Jackson

2025年01月14日 | わたしのレコード棚
 リー・ジャクソン(Lee Jackson)は、ウィキペディアによると、1921年8月18日アーカンソー州Lee Countyの生まれで、亡くなったのは1979年7月1日シカゴ。家族間の争いに巻き込めれ凶弾に倒れた、という。ただ、下のLP『シカゴブルースの25年』内の解説では、1907年セントルイス生まれ、となっている。1907年説を取ると、マディ・ウォータースなどより年上になってしまう。音楽的には、田舎臭さを感じさせない都市のものなので、やはりウィキペディアの1921年説を取っておこう。本名は、Warren George Harding Leeらしい。ギター・ヴォーカルの他に、作曲、ベースもこなした。
 日本ではあまり知られておらず、聴くことができる音源も限られている。が、バックを務めたものを含めると、残された録音は少なくないらしい。ウィキペディアが挙げている共演したミュージシャンを列記しておくと、 Johnny Shines, Willie Dixon, Jimmy Reed, J. B. Hutto, Sunnyland Slim, Lacy Gibson, Little Walter、など。

 第二次大戦後のシカゴで、かなり活動していた人のようだ。彼の残した録音の中で、1970年ドイツのフランクフルトでのライブを聴いた時「これこそがシカゴのギターリストの音なのではないか」と、なぜか感じた。南部から出てきた黒人たちが都市に移動して作り上げた音楽の中で、最も安定していた時期のブルース、そんな気がする。エレキギターの音も、自然でストレート、聞き心地が良く心に響く。シカゴブルースがロックに繋がる一歩前、素朴さを残した音楽。個人的に「こんな音がだせたらいいな」と、エレキギターのセッティングの際に指標にしているギタリストの一人だ。



P-ヴァインの3枚組LPレコード『シカゴブルースの25年』PLP-9022~9024。オムニバス・レコードで、この中に2曲ジャクソンのヴォーカル・ギターを収録。R&Bに近い音作りになっている。シカゴでの録音だろうが、録音データの記載は無く、メンバーや録音年などの詳細は不詳。声が若いようなので、1950年代の録音か。

LP内の解説に載っている写真。P- 90を搭載したレスポールを左で弾くように構えているが、下のLP内の写真では右で弾いている。あるいは、ネガを裏で、逆にプリントしたのかも。


 1970年11月16日、ドイツ(当時の西ドイツ)のフランクフルトで「American Folk Blues Festival」と銘打って行われたライブを収録した2枚組LPで、ドイツのL+R(Lippmann & Rau)というレーベルの42.021。名盤。



 ジャケットの内の写真。上段左から右に、Willie Dixon、Bukka Whiteが2枚、Sonny Terry、Brownie McGhee。下段左から右に、Shakey Horton(ハーモニカ)、Champion Jack Dupree、そしてLee Jackson(ギター)、Lafayette Leak(ピアノ)、Clifton James(ドラムス)。

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千葉公園の鳥2025/1/1

2025年01月07日 | バードウォチング
 元日は人が少ないので、自宅近くの千葉公園の綿打池に飛来している鳥を撮影している。越冬のためにシベリア方面から渡って来るカモの仲間が多い。


綿打池。結構広く、江戸時代はこの池の水を農業用水に使っていたために、その帰属をめぐって地域間の争いがあったとも聞いている。


カモ類が多い。ずんぐりむっくり、とした体形で、よく遠い距離を飛翔してここまで来るな、といつも感心している。途中で、力尽きて死ぬものも少なくないに違いない。猛禽類などの天敵もいるだろうし、彼らにしてみれば、決死の飛行なのだ。


カモの仲間で「キンクハジロ」のメス。


こちらは同じくオス。頭の後ろにある飾り羽が特徴で、色彩もメスより鮮やか。全体に鳥はオスの方が色鮮やかで、これはメスを引き付けるため、と言われている。


こちらもカモの仲間。小さかったので小鴨だろうか。


二匹のサギ。右側がアオサギで、この公園で見られるもっとも大型の鳥、と言われている。左の白い方はチュウサギだろうか。鋭い嘴(くちばし)で小魚などを捕食する。


ユリカモメ。


こちらもユリカモメかな?背中が黒くてちょっと大きめなので、セグロカモメのようにも見えるが、セグロカモメは嘴が黄色のはずなので、やっぱりユリカモメかな・・ちょっと見分けがつかない。

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2022年スペイン・イタリア合作映画『太陽と桃の歌』

2024年12月31日 | 映画
 12/28(土)千葉劇場にて。監督はカルラ・シモン。出演ジュゼップ・アバット、ジョルディ・ プジョル・ ドルセ、 アンナ・ オティン。

 スペイン北東部のカタルーニャ地方は、独特の文化を持ち、言葉もスペイン語とはかなり違うようで、土地の人は「カタルーニャ語」と呼んでいるらしい。確か、独立機運も盛んで、以前地方議会では独立に向けた採択がなされたように記憶している。また、ジョージ・オーウェルの『カタルーニャ讃歌』に描かれたスペイン内戦時の激戦地でもある。イギリスの映画監督ケン・ローチの1995年公開作品『大地と自由』(Land and Freedom)にも取り上げられていた。そんなカタルーニャの田舎を舞台にした映像を観たくなって足を運んだ。バルセロナの様な都市部ではなく、一面に農地が広がる大地が画面いっぱいに映し出され、その中で生き、時代に翻弄される老若男女が描き出される。2時間ほどの作品で、途中、少し疲れも感じたが、土に根差して生きる人々を描いた秀作。



閑話休題ーかなり以前だが、仕事で知り合った人がカタルーニャに赴任していたことがあり、その人からおもしろい話を聞いたことがある。まだフランコ政権の時代だった、と言っていたから1970年頃のことだろう。カタルーニャの地方の駅で列車に乗ろうとした時のこと。時刻表がないので、駅に居合わせた人に「列車はいつ頃来ますか」と訊いたところ「すぐ来るよ」との答え。ところが、実際に列車が来たのは、それから2時間後だったという。そして、乗車しようと思った時、先ほど訊いた人が近づいてきて一言「な、すぐ来たろ」と言った、という。ホントかねえ。かなり大きな会社の管理職だったひとなので、誇張はあるかもしれないが、そんなこともあったのだろう。何気ない話だが、その地方の文化が垣間見える。


 以下は、千葉劇場のホームページより引用。
『2017年の長編デビュー作「悲しみに、こんにちは」で世界的に高く評価されたスペインのカルラ・シモン監督が、カタルーニャで桃農園を営む大家族の最後の夏を描く。カタルーニャで、三世代に渡る大家族で桃農園を営むソレ家。例年通り収穫を迎えようとした時、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られる。桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めるというのだ。父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば「楽に稼げる」という囁きに心を動かされていく。賭け事に懸ける祖父、取り付く島のない父、畑の片隅で大麻栽培を始める長男など、てんでバラバラに桃園の危機を何とかしようとするが、大げんかが勃発。一家に大きな亀裂が入ったまま最後の収穫が始まろうとしていた…。第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門金熊賞受賞。』

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わたしのレコード棚ーブルース168 Henry Gray

2024年12月24日 | わたしのレコード棚
 1998年8月15日、東京は有楽町の国際フォーラムホールB。来日した「Legends Of Chicago Blues All Stars」の一員としてピアノを担当したヘンリー・グレイ(Henry Gray)の演奏を、わたしは最前列で聞いていた。コアなブルース・ファンから「グレイの演奏はいいぞ」との声を聞いてはいたが、はっきり言って圧倒された。1925年1月19日ルイジアナ州ケナー(Kenner)の生まれなので、来日時73歳だったが、肩の力を抜いて鍵盤に触っているだけの様に見えたにもかかわらず、ピアノは目一杯鳴っていた。名人とはそういうものなのかもしれない。亡くなったのは、2020年2月17日同州バトンルージュ、95歳だった。晩年までルイジアナで演奏を続けていた、という。驚異的な、持続力だ。
 ちなみに、「Legends Of Chicago Blues All Stars」というのは、ハウリン・ウルフのバンドに所属したことのあるミュージシャンを集めて来日のために編成されたらしい。ギターとヴォーカルは主にヒューバート・サムリンだった。グレイの他に、リズムのドラムスとベースが印象に残った。明らかに、ロックとは違うリズムのアクセントで、これこそがブルースのリズムだ、と思った。少しネットで検索してみたが、残念ながらメンバーの詳しいことは分からなかった。



 STORYVILLEレーベルのCD『The Blues Of Cousin Joe & Henry Gray』STCD8053。やはりピアニストだったカズン・ジョーのブルースを、1984年8月にニューオリンズでグレイがピアノ・ヴォーカル単独で録音した18曲を収録。ニューオリンズのリズムのノリで、たっぷりとピアノとヴォーカルを聴ける。グレイは、かなり録音を残しているが、現在では入手が難しくなっている。残念だ。


こちらは、ネットから検索して拝借した写真。2010年の撮影という。わたしが聴いた時の印象よりも、ふくよかになった感じ。

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わたしのレコード棚ーブルース167 Frank Floyd

2024年12月17日 | わたしのレコード棚
 フランク・フロイド(Frank Floyd)は、1908年10月11日にミシシッピー州Toccopola生まれの、白人ブルースマン。亡くなったのは、1984年8月7日オハイオ州Blanchesterだった。

 一般的な認識として、ブルースは、奴隷として連れてこられた黒人達がアフリカ起源の音楽を基にアメリカで生まれたたもの、ということだろう。が、ごく初期に録音されたブルースを聴くと、マウンテンミュージックと言われるようなアイルランド移民が持ち込んだ音楽にかなり近いものを感じる。わたし個人としては、アフリカ起源の音楽とアイルランド起源の音楽が相互に影響し合って生まれた、と認識している。その後枝分かれし、一方はブルースに、もう一方はジミー・ロジャースを代表とするヒルビリーと呼ばれるような音楽になりカントリーソングやフォークソングになってゆく。
 ブルース好きな人と話していると、時にカントリー音楽を揶揄する人もいる。が、個人的には認識の誤りを感じるし、歴史的な録音を聴いていないな、とも感じる。ルイジアナ出身の黒人ブルースマン、ヒューディー・レッドベターなどは、「Goodnight Irene」の様なマウンテンミュージックに近いレパートリーを持っていた人だったのだ。


 Memphis International RecordsというレーベルのCD『The Missing Link』DOT0201。この人は、別名「ハーモニカ・フランク Harmonica Frank」とも呼ばれ、ヴォーカル・ギターだけでなくハーモニカ演奏にも長けた人だった。

 今の感覚からいうと、ブルースよりも民衆の音楽という意味でのフォーク・ソングに近く、ウッディ・ガスリーを彷彿とさせる曲もある。多くは自作曲で、1979年5月頃のメンフィスでのライブやスタジオでの録音を編集して、17曲を収録している。バラッド( ballads)と呼ばれる物語性を持った曲もある。日本民謡の「口説き節(くどきぶし)」にあたるが、現代の音楽に比べて、とても言葉が豊かだなあ、と感じる。
 「ミッシング・リンク Missing Link」というのは聞きなれない言葉だ。少し調べてみたところ、連鎖しているはずの部分が欠如していること、らしく、遺伝学などで使われるらしい。あるいは、音楽の歴史を知る上で当然存在しているはずのものなのに、欠けているかのように知られずに来たミュージシャン、という思いが込められているのかもしれない。「ブルースは黒人のもの」という先入観なしに聴いてみたい録音である。

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