文化逍遥。

良質な文化の紹介。

セイモア・ダンカン、アンティクイティ・ハムバッカー

2024年07月30日 | ギター
 最近、ヤフオクでSEYMOUR DUNCAN / ANTIQUITY HUMBUCKER Neck(セイモア・ダンカン、アンティクイティ・ハムバッカー・ネック)の新古品を市価の半額ほどで入手したので、使った感想を書いておく。



 装着したのは、オリジナルのセミアコ。名前の通りエイジド加工され、見た目が始めから古く見えるように作られている。音質的にも、こなれて、ふくよかな感じ。ロックのミュ-ジシャンがレスポールなどを使うようになって、ハムバッカーの音質もかなり変化し、エッジの効いたパワフルなものに変わった。それに比べ、このアンティクイティ・ハムバッカーは、オリジナルなギブソンのサウンドに近い感じ。エフェクターを使う様な人にはお勧めできないが、古いブルースやジャズのプレーヤーには向いていると言える。

 別にリア・ピックアップもサウンドハウスの特売で購入したが、わたしは、ほとんどフロントのピックアップしか使わないので今のところフロントだけにしている。この方が余計なスウィッチなどが無い分軽く、切り替えの時のトラブルもない。さらに、損失が少ないので音質的にも良いように感じる。ただ、リアピックアップにも利点はある。チョーキング時のゲイン落ちが少ないし、ハウリングを起こしにくい。そして何より、音質的に明瞭で、ハーフトーンをうまく使えば豊かな音になる。なので、いずれは、リアもつけるつもりではある。


 こういうものを買っておいて使わずに売りに出す人がいる、ということ自体なかなか理解できない。落札する時も「ホントに使ってないのか?」と、半信半疑。しかし、実際に品物を手に取ってみると、まさしく開封しただけの新品だった。まあ、安く入手できたことを素直に喜んでおこう。

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2023年日本映画『大いなる不在』

2024年07月23日 | 映画
 7/17(水)千葉劇場にて。監督近浦啓、出演森山未來、藤竜也。

 人の心のあり様を表すのに「知・情・意」と言われる。すなわち「知性」「感情」「意志」で、それらの調和がとれた状態が「心の安定」と、いうことになる。

 藤竜也が演じる老教授は、かつて「感情」に溺れ家庭を捨て昔の恋人との生活に走り、老いた今、認知症で「知性」を失い「意志」も方向性を無くして、全てが崩壊してゆく。映画の画面は、あえて色調を抑え静かに現在と過去とを往復する。藤竜也の老練な演技はさすがだった。が、認知症だった母の介護と看取りをした経験から言うと、劇中、認知症の人の描き方や介護施設の様子などに違和感を感じた。俳優陣の頑張りが好感を持てる作品なだけに、その点が残念でもあった。



以下は、千葉劇場のホームページより引用。
『卓(森山未來)は、ある日、小さい頃に自分と母を捨てた父(藤竜也)が警察に捕まったという連絡を受ける。妻と共に久々に九州の父の元を訪ねると、父は認知症で別人のようであり、父が再婚した義理の母は行方不明になっていた。卓は、父と義母の生活を調べ始めるが―。第71回サン・セバスチャン国際映画祭のコンペティション部門で藤竜也がシルバー・シェル賞(最優秀俳優賞)を受賞。第67回サンフランシスコ国際映画祭では最高賞のグローバル・ビジョンアワードを受賞。(2023年製作/133分/G/日本)』

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フェルナンデス倒産

2024年07月16日 | ギター
 驚きであり、残念なことだが、国産ギターメーカーの「フェルナンデス」が倒産した。製造はOEMで国内のメーカーなどに委託し、主に初心者から中級者向けの、使い勝手の良いギターやベースなどを企画販売していた。奇抜なデザインも多く、ファンも多かったようだ。特に1990年発売の「ZO-3(象さん)」というアンプ内蔵の小型ギターは、ある意味、画期的なものだった。というのも、わたしは1980年代、出張で各地のビジネスホテルを泊まり歩くことが多く、夜にホテルの部屋で練習出来るようなギターが欲しかった。なので、その当時「ZO-3」が出ていれば買い求めていたと思う。


シンプルなタイプの「ZO-3」。すでにサウンドハウスでは、販売を終了している。欲しい人は、今のうちに楽器店の在庫分を探して買っておいた方が良いかもしれない。

 経営の悪化には、材の高騰がひとつの要因というが、若い世代があまりギターを使うような音楽に興味を持たなくなってきたとも言われる。パソコンで入力すれば作曲から演奏まで出来るので、それも時代の流れかもしれない。

 一方で、ビンテージ・ギターやカスタムショップ製の楽器は高騰している。ESPのカスタムショップなどでは、円安の影響で海外からの注文が多く、オーダーしても納品まで2年かかるという。セッションなどでは、盗難や破損の心配があるので良質な楽器を使うのを止めて、安価な楽器や、店の備え付けの楽器を使う人も多い。ミュージシャンにとって、環境は悪化しているように感じる。

 
 以下は、ウィキペディアより「フェルナンデス」の記事の一部を引用。
『1999年1月期には年間売上高40億円に達していたものの、その後中古市場の台頭や競争激化によって業績が悪化。巻き返しを目指すも、2022年1月期は売上高が1億6608万円まで落ち込み、2414万円の最終赤字を計上した。さらに直接の資本関係は無いものの、西日本地区の代理店として関係が深かった大阪フェルナンデスも、2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う音楽活動規制が元で製品需要が減少したことで債務超過に陥り、2023年に大阪地方裁判所に自己破産を申請、同年4月に破産開始決定を受けていた。こうした事から当社の信用も低下、事業継続も困難となり、2024年7月11日までに事業を停止、弁護士に破産手続きを一任した旨を本社に掲示した。負債総額は2024年1月期決算時点で4億3389万円にのぼる。』

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ギターヘッド装着用タイに結束バンド

2024年07月09日 | ギター
 昨(2023)年、腰を痛めたりして、ギターを弾いていても、疲れが腰に出るようになった。そこでストラップを使い、色々と演奏する姿勢を変えて、腰に負担がかからない方法を模索している。

 所有しているほとんどギターのネックヒールにはストラップを付けるためのピンを打ってあるのだが、今はそれを使わずにストラップをギターのヘッドに付けて、高めの椅子に腰かけ、なるべく背筋を伸ばして練習するようにしている。今のところ、これが腰には楽で、疲れを感じたら、こまめに立ち上がったりしている。まあ、加齢のなせるところなのだが、若い頃は畳の部屋で胡坐(あぐら)を組んでギターの練習を長時間したりしていた。今思えば、背骨にかかる負担が大きく、そのツケがたまっていたようにも思える。若い人たちには、楽器に限らずパソコンやスマホなどを操作する時などにも、腰椎・頸椎への負担を考えて日頃から生活してもらいたい。

 さて、ストラップをギターのヘッドに固定する際には紐で巻き付けて縛るのが一般的だが、これは解(ほど)けたりする心配や、結び目が邪魔になったりする。また、マーチンやダダーリオなどでは専用のアイテムも発売されているが、結構高いし、どうもしっくりこない。
 そこで、安くて強度があり、簡単に着脱出来るようなアイテムを探してきた。再利用できる「結束バンド・リピートタイプ」というもの。ネット通販で、10本入り151円、送料230円を含めると381円。なので、1本あたり38円くらい。劣化してきたら早めに換えられる価格だ。


 幅8ミリ程で、長さは25センチのタイプ。耐荷重は約22キログラムあるというので、十分だ。使っているうちに丸まってきた。


 先端部のツメを押すと、固定が解除になり、繰り返し使える。


 わたしは、こんな感じでギターのヘッドにつけている。この位置が、演奏時に最も邪魔にならず、安定する感じ。傷がついたりしないか気になるところだが、ビニールの様な材質なので、今のところは大丈夫そうだ。わたしは、元々あまり傷は気にならないが、細かな傷等を気にする人にはお勧めしない。

 裏側。少し余っているが、気にならない程度だ。ギターのヘッドが小さい場合は、少しカットしても良いだろう。

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2023年アメリカ映画『ホールドオーバーズ』

2024年07月02日 | 映画
 6/26(水)千葉劇場にて。『Holdovers(ホールドオーバーズ)』とは、辞書によれば「残留者」の意で、アメリカでは「落第して留年した者」の意味もあるらしい。ここは、古風な言葉だが「居残り」とでもいったところ。監督アレクサンダー・ペイン。出演、先生役にポール・ジアマッティ、料理長役にダバイン・ジョイ・ランドルフ、生徒役にドミニク・セッサ。

 半世紀ほど前の、マサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。クリスマス休暇で、ほとんどの学生や学校関係者が帰郷してゆく。が、3人の人物がクリスマスから年末年始を学校の中で過ごさねばならなくなっていた。親の都合によって帰る場が無くなった生徒、彼を監督・保護する教師、そして、食事の世話をする料理長。3人は、それぞれ心に深い傷を負い、トラウマに苦しんでいたのだが・・・。

 「グリ-フケア(深い悲しみからの回復)をテーマにした文学的な作品」と思った。登場する人物は多くなく、セリフの多くがこの3人の人物によって語られる。特に、先生役のポール・ジアマッティという俳優さんのいぶし銀の様な演技が心に残った。佳作といえる。
 


 以下は、千葉劇場のホームページより転載
『「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」
物語の舞台は、1970年代のマサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。この高校で古代史の非常勤教師を務めるポール・ハナムはみんなからの嫌われ者。そして一人息子を亡くした料理長のメアリー・ラム、優秀だがトラブルメーカーのアンガス・タリー。それぞれ異なる事情を抱える3人が、クリスマスと年末を共に過ごすことに…。誰もいない学校のなか、ちょっとした冒険や災難を通じて、3人の間には小さな繋がりが生まれていく。第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされ、ダバイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した。(2023年製作/133分/アメリカ)』



映画とは関係ないけど、おまけで、梅雨時に咲く千葉公園の蓮。6/26(水)午前に撮影。

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