文化逍遥。

良質な文化の紹介。

八月も終わり

2016年08月31日 | 日記・エッセイ・コラム
 天候不順だった今年の夏も、まもなく終わる。
 迷走した台風10号は昨日30日夜、観測史上はじめて東方地方に上陸、同地方と北海道に雨による大きな被害をもたらしている。被災した方々には、お見舞い申し上げたい。

 こちら関東では、台風による被害はほとんどなく、今日は風が強いものの晴天で暑くなりそうだ。今夏心配された水不足も、この不順な天候で乗り切れそうな状況になっている。皮肉な話だ。

 わたしは血圧が少し低めなので、夏は苦手。特に東京都心などを歩いていると、歩道の照り返しとエアコンの室外機の熱で、めまいがしたりする。なので、どうしても盛夏の時期は外に出るのが億劫になる。秋になり樹木が色付く頃になると、例年元気が出てくるので、これから少し活動的な日々を取り戻したいところだ。


 9/1追記
 台風10号の被害は、その後わかったところかなり深刻だった。岩手県岩泉町の高齢者グループホームでは、近くの川が氾濫し、入居者の方九人が亡くなった。氾濫した時点で避難勧告は出ておらず、施設の方でも油断していたのが大きな要因となったらしい。あらためて、亡くなった方々のご冥福をお祈りしたい。その施設では、洪水などの緊急時には隣接している3階建の老人ホームに避難することになっていたという。が、自分の介護経験からも、認知症の高齢者の移動はかなりの困難を伴うもので、容易に行かないことは良くわかる。認知症の人達は、周囲の状況が理解できないので混乱しパニックに陥ってしまう。報道を集約してみても、自治体や施設に判断の遅れはあったとはいえ重大な過失があったとは言えないようだ。これを教訓に、高齢者や障がいのある方の避難の仕方を根本的に見直す必要がある。
 今日は、防災の日。安全で安心して働けるような街づくりを考えてみたい。

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真継伸彦氏を悼んで

2016年08月26日 | 日記・エッセイ・コラム
 真継伸彦(まつぎ・のぶひこ)氏が、22日急性肺炎で亡くなった。84歳だった。

 基本的には小説家ということになるだろうが、わたしは氏の小説は残念ながら読んでいない。読んだのは、1982年法蔵館刊行の『真継伸彦現代語訳―親鸞全集』全5巻で、思い切った平易な訳で読みやすく、親鸞の全体像に少しでも近づくことが出来たと今でも考えている。また、1980年代の終わり頃だったか、NHKの「市民大学講座」で宗教論の講座を担当されて、絞り出すような話し方で真摯に講義されていたのが記憶に残っている。あれから30年か。
 少し調べてみたが、氏の著作は多く絶版になっており、古書の親鸞全集などは全巻揃いで3万円を超える値が付いている。価値あるものが消えてゆくのを見るのは寂しきものだ。ひとつの時代の終焉を感じざるを得ない。合掌。

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木山捷平の詩

2016年08月20日 | 本と雑誌
 このところ詩人であり小説家でもあった木山捷平(1904-1968)の詩集を蔵書の中から引っ張り出して読み返していた。

 平易な言葉で、独り言のような、それでいて語りかけてくるような独特のスタイルを持った詩人だった。あまり知られていない存在だが、日本の現代詩の中で重要な詩人のひとりと個人的には考えている。
 かつて、「詩の時代」というものが、確かにあった。大正から昭和の終わり、金子光晴が亡くなる昭和50(1975)年頃までだろうか、多くの詩人が出て、詩の同人誌なども多く発行されていた。わたしが大学生の頃にはそんな時代も終わりをむかえようとしていた。ちなみに、詩の次の文芸では「評論の時代」といわれた。思い返すと、たくさんの詩、多くの詩人が出たが、時代を越えて読み続けられる質の高いものは少ない。詩である以上、言葉を弄ぶこと無く、地から湧き出るような普遍性を持っていなくては読み継がれることは難しいのだろう。

 思い入れかもしれないが、木山捷平の作品は読み継がれていくだけの価値があると思う。幸いにも、今では講談社文芸文庫からその作品の多くが発行されている。多くの人に手にしてもらいたいものである。

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2016年08月15日 | 日記・エッセイ・コラム
 西日本では猛暑が続いているようだが、こちら関東はここ数日過ごしやすい気候になり、朝晩は23度ほどで秋の気配を感じるようになってきた。 昨日の夕方には、散歩していて蜩(ひぐらし)がカナカナカナと鳴くのを聞いた。油蝉やみんみん蝉に混じって、つくつく法師の鳴き声も多くなった。すでに立秋を過ぎて1週間、季節は確実に移ってゆく。

 今日8月15日は、「終戦の日」ということになっている。以外に知られていないが、実際には「1945年8月14日にポツダム宣言受諾を決め、連合国に通達したことを公にした日」であって、8月15日時点で「終戦」にはなっていない。日本の軍司令部が戦闘停止命令を正式に出したのは、この日から、陸軍が5日後、海軍は1週間後といわれている。国際的には、戦艦ミズーリ上で降伏文書に正式調印された9月2日が「太平洋戦争終結の日」なのだ。その間に、ソ連軍は南下を続け、米軍は軍事的侵攻はしなかったが戦闘態勢は解除していない。細かいことだが、このあたりの歴史認識をしっかりしておかないと、国際的に孤立を招くことにもなりかねない。留意したいものである。

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長崎原爆の日に

2016年08月09日 | 日記・エッセイ・コラム
 今日8月9日は、長崎に原爆が投下された日。

 折しもリオデジャネイロでオリンピックが開催中で、テレビや新聞などマスコミは異常とも思える興奮状態。別に水を差す気は無いが、もうすこし冷静になった方が良いように感じる。選手たちは若く、中には10代の高校生すらいる。そんな子供に期待して重圧をかける大人は、ハッキリ言ってどこかおかしい、と思わざるを得ない。

 8月6日、広島原爆の日にNHKで放映されたETV特集『54枚の写真~長崎、被爆者を訪ねて~』は、良く出来たドキュメンタリーだった。
アメリカの公文書館で昨年見つかった54枚の被爆者の写真。戦後数年してからABCC(原爆傷害調査委員会)という組織が行った被爆者の実態調査の際に撮影されたものという。番組では写真に写った人達の消息を求め、遺族に会い、被爆者達の戦後を追う。ナレーションは俳優の石橋蓮司氏。

 放送は夜の11時からだったが、このような時間をかけた丁寧な報道番組がもっと増えるといいし、多くの人に観てもらって、問題の根深さを認識してもらえたら・・と感じた。

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映画『パコ・デ・ルシア』2014年スペイン

2016年08月06日 | 映画
 8/4木曜メンズデイの千葉劇場にて。



 真摯に音楽と向き合い、演奏活動を続けていくことが、どれほど大変な事なのか、この映画はそれを語ってくれる。

 観客は少なかったが、エンドロールが終わり場内の照明が点くまで誰も席を立たなかった。

 優れたドキュメンタリー映画に仕上がっており、多くの人に観てもらいたい、と感じた。

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歯のCR治療

2016年08月03日 | 健康・病気
 左下の小臼歯に詰めてあった金属が取れてしまった。削りなおして再度つめものを入れるのは型をとったりで時間もかかるし、治療中はその歯は使えない。なので、最近テレビでも紹介されているCR(コンポジット・レジン)という治療方法をしてくれる歯科をネットで探してみることにした。
 幸いに、我が家から歩いていける所にその治療法が出来る歯科医院があり、電話したところ予約の空きがあるということでだったので、さっそく行って診てもらった。レントゲン検査などを経て治療方法の説明があり、今回の歯の場合はCRでの治療は保険適用外となるが25000円程で出来るとのこと。少し高いかな、とは思ったがこの際なのでお願いすることにした。
 治療は、虫が喰っている所を少し削り、特殊な樹脂を入れて成型する。その後に青い光(紫外線らしい)を当てると樹脂が固まるので、最後に高さ等を調整し、仕上げて終了。この間、30分程。見た目も自然の歯とほとんど変わらない。問題は耐久性と言われている。その点を先生に聞いたところ、使い方にもよるが数年ということは無い、とのこと。その医院では3年保証付き。仮に10年使えたとすると、1年で2500円、月にすれば200円程なので、むしろ安い気もするが、どうだろう。

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