文化逍遥。

良質な文化の紹介。

千葉公園の蓮2020/6/28

2020年06月29日 | 日記・エッセイ・コラム
 今年も千葉公園の蓮が咲き、見ごろとなっているので、6/28(日)午後、少し写真を撮ってきた。


 後方は「弁天池」。さらに後ろ上方には、モノレールの架線が見えている。






 こちらは、公園に隣接する建て替え中の千葉競輪場。ドームの骨組みがかなり出来てきた。

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2020年日本映画『花のあとさき』

2020年06月25日 | 映画
 6/24(水)千葉劇場にて。監督・撮影はNHKカメラマンの百崎満晴。ナレーションは長谷川勝彦。もとは、NHKのドキュメンタリー番組であったのを映画用に再編集した作品。2001年頃から18年間、埼玉県秩父市の山間の集落に暮らす人々を追った映像は、テレビで見るのとはまた違ったあじわいがあり、映画の制作にあたり新たに作曲されたという音楽も良かった。





 埼玉県は、東京に通勤できる地域と、秩父などの山間部で農業や養蚕を中心に生活する地域と二つの違った顔を持っているようだ。その点では、千葉県も東京のベッドタウンの顔と、東部や南部などの農業・漁業を中心とした顔、二つの違った側面があるのと似ている。すなわち、会社勤めをする人たちが暮らす地域と、自然の恵みの中で暮らす人たち。

 不便で、ある意味危険を伴うような地域での暮らしは、やがては失われてゆく生活様式、なのだろう。しかし、人は自然の循環の中でしか結局は生きられない。限界集落で暮らす老人たちは、山を下りることを皆極度に嫌がり、都市に暮らす子供などがいて同居を誘っても頷かず、急な斜面で危険な農作業に精を出す。カメラはそんな老人たちを追い続けるが、やがて山の住民は死に絶え、住居は野生動物の入り込む場となってゆく。さすがに、カメラワークは素晴らしく、自然や人々の表情が巧みに撮影されている。よほどの思い入れがあり、かなりな回数を重ねて通い続けたと思われる。おそらく、112分の作品のために、その何倍かの映像を没にしているに違いない。

 それにしても、この映画で捉えられている老人たちの肌が、皆さんとてもきれいだったのが印象的だった。都市で暮らす若者などを目の当たりにしていると、肌が荒れている子も多いので、それは驚きだった。おそらく、生活のリズムと、食べているものの違いが肌膚に表れるのだろう。健康に老いたければ、スマホに頼らず、自然の恵みに感謝して、自然のサイクルに合わせて日々を送るよう努めるのが良いようだ。

 

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わたしのレコード棚ーブルース92『The Story Of Pre-War Blues (P-VINE2772~75)』

2020年06月22日 | わたしのレコード棚
 日本のP-ヴァインレーベルからこの4枚組CDが発売されたのは1994年。なので、すでに四半世紀が過ぎたことになる。タイトルを直訳すると「戦前ブルースの物語」となろうか。ギターなどでも「pre-war Martin」などという言い方をして「(第二次世界)大戦以前に作られたマーチン(ギター)」を意味する。しかし、すでに若い人にはその「WAR(戦争)」が、どの戦争を意味するかすぐには思い至らない人も多いようだ。「第二次世界大戦」のことなのだが、終戦後すでに75年が経過している。その間、不幸なことに、湾岸戦争など多くの戦争があった。日本では「遠い国のこと」と感じられても、戦争当事国では犠牲者を目の当たりにするわけで、「戦前」と言ってもそれが「第二次世界大戦以前」と単純に考える方が、むしろ、時代の経過と変化を忘却しているのかもしれない。

 さて、それはさておき、このようなブルースの古い録音98曲を収めたオムニバスアルバムが欧米以外で発売されたのは、わたしの知る限り日本だけだ。編集及び解説は中山義雄氏で、確かな音楽的歴史認識に基づいた解説はとても参考になる。現在は、入手が難しくなっているようなのが残念だ。余談だが、中山義雄氏は、一時死亡説が出たりして、そのフェイクニュースを信じた人たちが追悼文を書いたり、あげくに自殺説まで出たりしたという。活動を休止しているので、そのような憶測が出たらしい。スライド奏法のギターも弾けるというし、翻訳家としても良い仕事が出来る人なので、再び元気に活動をしてもらいたいものだ。





 CD解説には、多くの写真や、聞き取られた歌詞も載っている。ただし、対訳はついていない。古いブルースは言葉が豊富なので、欲を言えば、良い訳詩とスラングなどの解説も欲しかった。

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わたしのレコード棚ーブルース91『Mississippi Masters(YAZOO2007)』

2020年06月18日 | わたしのレコード棚
 前回に続き、YAZOOレーベルのオムニバスCDから1枚。『Mississippi Masters - Early American Blues Classics 1927-35』とタイトルにあるように、主にミシシッピー州で活動したブルースマンの1927~35頃に録音されたものを編集したもの。10人のミュージシャン20曲を収録。YAZOOレーベルのコンピレーションは、年代や演奏者をまとめて編集していないものが多い。聞き飽きないように意図して編集したものかもしれないが、正直言って「なんでだ」と感じることも多い。まあ、それはそれとして、全体にはよくまとめられたCDと言えるだろう。



 ロバート・ジョンソンが録音を残したのが1936年と1937年なので、このCDで聞けるものはさほど古い録音ではない。それでも、リズムの取り方などはアフリカを感じさせ、ブルースの原初の姿を垣間見ることができる。例えば、1曲目のガーフィールド・エイカーズの「Dough Roller Blues」は、後の「Rollin' & Tumble」の大元のスタイルと考えてもいいだろう。

 この頃のブルースの特徴としては、言葉が豊富で音楽の中心であることだ。ギターでソロを入れるようなフレーズは皆無で、力強いリズムに乗せ言葉が機関銃のように繰り出されてくる。ギターのテクニックとしては、特に複雑なものはない。むしろ単純だ。が、簡単には真似できない。曲の最初から最後までタメのきいたリズムをキープして演奏しているのを聞くと、思わず「すげえ」と唸ってしまう。ブルースの歴史に興味のある人にはお勧めできるCD。

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わたしのレコード棚ーブルース90『Before The Blues(YAZOO2015)』

2020年06月15日 | わたしのレコード棚
 地元の千葉でブルースセッションに参加するようになって2年ほどだが、けっこう多くのプレーヤーと一緒に演奏させてもらっている。その中で感じることは、ほどんどの人が古いブルース、あるいは、それ以前の民俗音楽に近いフォーク・ブルースを聴いていない、ということだ。ロックから入り、シカゴなどのモダン・ブルースに興味を持ち演奏する人がほとんどだ。それが、悪いわけではない。しかし、そこで止まってしまうのは惜しいものがある。便利な道具がなかった時代に、様々な工夫をして優れた音楽を作っていった先人達の残してくれたものはそれなりの価値がある。現代のデジタル録音に比べれば雑音は多いし、音自体も明瞭さには欠ける。それでも、心を傾けて聴いていくうちに、限りなく豊かで迫力のある音楽を見つけることができるだろう。逆に言えば、聴こうとしない者には聞くことが出来ないのが歴史的録音だ、とも言える。

 そんなわけで今回は、我が家にあるブルースの歴史的録音を集めたオムニバスCDの中からヤズー(YAZOO)レーベルの2015『Before The Blues』を取り上げる。



 地域等にこだわらず、後のブルースなどに少なからず影響を与えた録音23曲を編集してある。録音年はクレディットされていないが、おそらく1920~30年代のもとと思われる。解説には、英文だがそれぞれのミュージシャンについて簡単に書かれており、参考になることも多い。ヤズー(YAZOO)レーベルは、主にカントリー・ブルースを中心に発売しているレーベルで、オムニバス・アルバムも多い。その中には、正直言って、どういう方針で編集しているのか理解に苦しむものもある。が、このCDに関しては全体に芯が通っているものを感じる。なお、ジャケットの写真は、1860年頃に写された「Unknown Black String Band」となっている。「名も知られぬ黒人のストリングバンド」というわけだが、1860年代と言えば、南北戦争の頃で、リンカーンが奴隷解放宣言を出した頃だ。その頃に、すでにスーツを着てネクタイを締めて演奏活動をしていた黒人のバンドが存在していたこと自体興味深いものがある。

 タイトルの『Before The Blues』を、『Roots Of American Folk Music』と言い換えても良いだろう。「根源」を探ることで、理解を深めることは大切なことだ。特に、ブルースを含めて、自ら演奏活動をする人たちには、聴いてほしい一枚。

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わたしのレコード棚ーブルース89『DOCUMENT-5587 Field Recordings - Vol.7』

2020年06月11日 | わたしのレコード棚
 オーストリアのDOCUMENTレーベルから出ている「Field Recordings」のシリーズから、vol.7のFlorida(フロリダ)1935-1936。つまりは、1935年から翌1936年にかけて、アメリカのフロリダ州でフィールド録音されたものを集めたCD。



 わたしが、ギターやヴォーカルのお手本にしているミュージシャンのひとりにブラウニー・マギー(Brownie McGhee 1915~1996)という人がいる。この人と長年にわたりコンビを組んでブルースハープ(10穴ハ-モニカ)を吹いていたのがサニー・テリー(Sonny Terry 1911~1986)だった。この人はマギーだけでなく数多くのミュージシャンと共演し、単独でもハーモニカを吹きながら歌うというスタイルで演奏した。演奏技術は、あまた居るハーピストの中でも特異なものがあり、ブルースファンよりも、むしろフォークファンに人気が高かった人だった。実際、サニー・テリーのスタイルは後のモダンブルースへ与えた影響は少ないように思われる。ある意味「孤高のハーピスト」とも言えるが、今回取り上げたCDを聴くと、テリーとの共通点あるいはルーツを垣間見ることが出来る録音が含まれている。
 具体的には、CDの1~8に入っている「Booker T.Sapps & Roger Matthews」という1935年にフロリダ州Belle Gladeというところでの録音だ。テクニックもさることながら、ハーモニカの音のコントロールの仕方、あるいはヴォーカルの入れ方などにテリーとの共通しているものが感じられる。サニー・テリーは、ノースキャロライナ出身で、この1935年当時は、すでにミュージシャンとして録音活動もしているので、このフロリダ州で録音されたものと具体的な接点はないかもしれない。が、けっして「オンリーワン」というわけではなく、東部にはテリーのバックボーンとでもいうべきものが確かにあったことを感じさせてくれるのだ。なお、CDのジャケットの下側に写っている帽子をかぶった人の向かって左がRoger Matthewsで右がBooker T.Sappsとクレディットされている。その上に、ギターを構えているのはGabriel Brownで後ろがRochelle Frenchになっている。ともに、素朴でご機嫌なフォーク・ブルースを聴かせてくれる。

 というわけで、イーストコーストのハーモニカブルースやプリ・ブルースとも言えるものに興味のある人には聴く価値がある一枚。

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2019年フランス・ニュージーランド映画『21世紀の資本』

2020年06月08日 | 映画
 6/3(水)千葉劇場にて。入館と退館する時にアルコール消毒をして、上映中もマスクの着用が求められる。

 3/16以来なので、2か月半ぶりに映画館で映画を観たことになる。正直言って、映画を観たかった、というよりは映画館に行きたかったのだが、このドキュメンタリー映画は傑作だった。





 監督は、ジャスティン・ベムバートン。原作及び監修は、トーマス・ピケッティー。言語は、主にフランス語と英語。リーフレットには、4月17日ロードショー、となっているが新型コロナウィルスの感染拡大で閉鎖されていた為6月まで延期になっていた。

 1990年代に多くの共産主義諸国が崩壊し、実質的に自由主義社会が基本的な国家の枠組みとして残ることになった。自由な資本のやり取りができる社会が、まるで優良なものとして淘汰されたかのように考えられている側面もあるが、実際は矛盾に満ちた格差がはびこる社会で常に破壊活動という病理を抱え込んでいる。

 このドキュメンタリー映画は、主に経済学の専門家達による次世代に向けた警告ともいえる作品になっている。その中で、印象に残った話の一つに次のようなものがある。それは、現在「投資」されているお金の中で、生産に回っているものは15%しかない、というのだ。では、残りの85%はどうなっているのか、というと「マネーゲーム」に使われているという。すなわち、値上がりしそうな様々な「商品」、その中には土地や株さらには為替などすべての商取引の対象となるものを含むが、それらのものにお金を投じて値が上がるのを待って売りさばく行為を繰り返し利益を得ている、というのだ。これはある意味、汗して働いている人達から金持ちが合法的に搾取していることになる。自由主義とは、ある意味搾取も合法的なら許される社会なのだ。その社会では、貧しい者はいつまでも貧しく、富んでいる者はさらに裕福になる。すなわち、格差の固定化。富裕層の生活はまるで「貴族」のようになり、18~19世紀頃の貴族社会に近づいている、とこの映画に出てくる専門家たちは警告している。すでに、抜け出せない「貧困」にいる者たちの不安と不満は限界に達している。

 偶然にも、今アメリカでは、黒人男性に対する警察官の暴行により死に至った事件に端を発し全米で混乱が起き、世界に飛び火している。それは、合法的搾取が横行している国で必然的に起きた暴動とも言え、社会構造に根がある以上根本的な解決は遠い。教育や福祉に富裕層からお金が回れば「機会均等」に近づくので、税制などを改めてそれに近づければ良いだけの話なのだが・・・それをさせずに握った富を離さないのが「金持ち」達なのだろう。

 未来に向けて安心して暮らせる社会が築けるか、今が分岐点と言える。

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建て替え中の千葉競輪場ーその後

2020年06月04日 | 日記・エッセイ・コラム
 6/2、建て替え中の千葉競輪場を、5/5に続いて携帯で撮影してみた。


 これが、6/2現在の様子。大分かたちになってきた。ドームの骨組みになるところと思われる。ここまで、我が家から歩いて数分で行ける。

 下の2枚は、工事現場を囲うフェンスに描かれている完成予想図を撮ったもの。




 立派なものが出来そうだが、皮肉なことに、描かれているのは新型コロナウィルスの感染流行以降もっとも忌避されている「3密」状態だ。競輪競技以外にも、各種のイベントなどを開催できる施設となるというが、人の移動制限は長期にわたって続きそうで、その思惑は当分宙に浮きそうだ。

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自粛要請解除から1週間

2020年06月01日 | 日記・エッセイ・コラム
 新型コロナウィルスの感染拡大防止のため出されていた政府の自粛要請も先週26日に解除にはなった。が、具体的な解除判断は各自治体に任されていて、感染者が多い自治体では全業種の休業要請解除には至らず、業種に分けて段階的に休業要請が続いている。

 ここ千葉県では、先週から映画館などは感染対策を施した上で開館できるようにはなっている。さらに6/1より、ほぼすべての業種で休業要請解除になった。しかし、未だクラブやライブハウスなどは休業要請が続いていて、今週の感染者数を見て判断されるという。ミニシアターの「千葉劇場」は、というと、座席を一つずつ空け、客はマスクの着用が必須条件になったうえで、5/29(金)から再開されている。やはり、映画館で見たい映画が見られるのはありがたい。それにつけても、「ライブハウス」とひとくくりにしても三密状態になるほど客が入る所は少ないだろう。場合によっては、入場制限をかけて密集状態になることを回避すれば良いと思うのだが、どうだろう。

 下は、千葉市中心部にあるライブハウス「ライト」のフェイスブックからの写真。


 休業要請に従い閉鎖されているが、再開に向けて透明なシートを使って飛沫感染防止などの対策が取られ、準備されている。なんとなく、営業再開を待ち望むマスターの気持ちが、写真に表れているように見える。ここでは、月に一度、第一土曜日に「ブルース・セッション」が行われており、わたしも参加させてもらっている。が、4月・5月は当然ながら、開催出来ていない。今週の感染者の状況によっては、対策を施した上での営業再開が可能かもしれない。期待したいところだ。

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