文化逍遥。

良質な文化の紹介。

LP

2016年02月29日 | 音楽
 2月も今日で終わる。今年は閏年なので、29日まである。天候は不順だが、日照時間は日に日に長くなり、風は温かくなっている。

 このところ、LPレコードを聴いている。当然、デジタル化以前の録音で、今の様に録音後の修正や音質の調整などが出来ない時代のもの達だ。
音のバランスや演奏上のミスタッチ、さらにノイズなどなど聞きづらい点もあるが、「現代の演奏家はLP時代の演奏家には及ばない」と感じている。便利なものを使えば、失うものが必ずある、ということなのだろう。かなり前に聞いた話だが、ある障害児の施設で給食用に野菜をカットする機械を導入したところ子供達の精神状態が不安定になった、という。効率を求め過ぎることは、危険な事なのだ。特に、家庭生活ではよくよく注意したいものである。
 とはいえ、古い演奏をあらためてコピーなどするには、一度CD―Rなどに落としておくとリピート機能などを使えて楽だし、レコード盤も傷まない。そのあたりの兼ね合いは大切だ。つまり、両者の良い点をよく把握して使いこなすことが肝要、というわけだ。
 しかし、LPのジャケットや盤そのものにカビが生じるのには閉口する。特に、輸入盤は無防備とも言える。日本のように高温多湿な環境を想定してないのだろう、紙質などが国内盤に比べ低い、と言わざるを得ない。この点と場所を取るのが悩みの種。まあ、贅沢な悩みではある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『火の山のマリア』

2016年02月25日 | 映画
 2/22(月)、神田の岩波ホールで映画『火の山のマリア』を観た。2015年、グアテマラ他の作品





 中米グアテマラの先住マヤ民族の血をひく一家の生活を通して、その根の深くにある問題を問いかける映画と言えるだろう。
主人公一家の話すのはカクチケル語というマヤの言葉で、一家はグアテマラの共通言語であるスペイン語は話せない。結果、しかるべき福祉を受けられず、通訳をする土地の実力者にだまされてしまう。火山の麓に生まれ、暮らし、そこに祈る素朴な暮らしは失われてゆく。主人公の少女は「巫女」の性質を持つかのように描かれ、山霊と交接するかのようなシーンが印象的だ。
 全体を通して、悲劇的な内容が一貫して語られる。観終わって、この映画がどの位な「現実」を語っているのか、と思わざるを得なかった。映画なので、誇張もあるだろう。が、少なくともスクリーンに写っているのはグアテマラの大地であり、演じているのはマヤの人達だ。それだけでも、出かけてゆく価値はある映画だと思う。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お茶の水2/22

2016年02月23日 | まち歩き
 岩波ホールに行ったので、お茶の水を少し歩いてきた。


 かつては、神田の象徴だった東方正教会ニコライ堂も今はビルに囲まれて窮屈そうに見える。
昼食を終え、お茶の水スクエアの上で一休みしている時に、このニコライ堂の鐘が鳴っていたので携帯で撮影してみた。長年このあたりを歩いてきたが、鐘の音を初めて聞いた。思いのほか、やさしい感じの音色だった。

 この後、楽器街を歩いてみた。どうも全体に楽器の値が上がっているようだ。来年には消費税が10%になるので、それを見越した需要を見込んでいるのかもしれない。それでも、なかなかの活気を感じた。すぐれたプレーヤーは少ないのに、高価な楽器をどんな人たちが買っているのだろう。もっとも、人のことが言えるほどの力量は自分には無い。
 それはそうと、最近の音楽についてのあくまで個人的な感想だが、底が浅いように感じられる。スマホなどのIT機器が発達したことにより人間同士の関係がかえって希薄になった、と指摘する専門家もいる。同様に音楽も表面的で、きちんと正面から向き合えるレベルにないものが多いように感じる。年寄りの冷や水、と言われそうだが、正直な感想なので仕方ない。
 そのような音楽の衰退には、同様に再生機器に遠因があるような気がする。すなわち、テレビやネットで聞くための音作りをしているために効果音を使い過ぎているのだ。それに引きずられて、ライブでもエフェクターを使った音作りが主流になってしまい、結果浅薄なものしか出来なくなってしまう。だいぶ以前だが、テレビで流れていたギターソロ曲が気になってCDを買い求めたことがある。それを家にあるコンポでじっくり聴いてみると「こんなもんか」とがっかりしたことがあった。プロのミュージシャンは、どうしても聞き手の求めるものを供給せざるを得ないので、その意味では仕方が無い面もあるだろう。が、このままでは先細りになる懸念を払拭しえない。

 書店街も歩いてみたが、こちらは行くたびに活気が無くなるように感じる。これも時代の流れだが、寂しい限りだ。

 岩波ホールで観た映画については、ページを改めて書くことにしよう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネットワークCDレシーバー

2016年02月16日 | 楽器・エッセイ
 昨年11月から我が家も光回線を引き込んだので、ネットワーク・オーディオを使ってみることにした。
取りあえずは、CDプレーヤー、ラジオチューナー、そしてLANからデジタル化された放送を受信できるネットワーク・オーディオなどの機能が一体となったレシーバーの安いものを探して買ってみた。オンキョーのCR-N755という若干古い機種だが、アマゾンで26000円程で購入。


ミニコンポと言われているようなサイズだ。


テレビからも光ケーブルで接続したので、全体にこんな感じ。テレビやDVDなどをそれなりの音質で聴きたかったことも購入動機のひとつ。ちなみに、スピーカーはリサイクルショップで見つけたペアで2500円程のもの。

 使ってみた感想。
「おどろいたねえ、どうも」。
国内の主な放送局をネットで流している「ラジコ」はもとより世界中の同様な局の放送がすでに200以上プリセットされていて、LANケーブルで接続するだけで、たとえば欧米のジャンル別放送局を聴くことが出来る。落ち着いて考えればインターネットは世界中に繋がっているので、あたりまえの事なのだが、実際にそれが簡単にできてしまうとやっぱり驚き感心する。ただ、受信までに少し時間がかかる。それは、機種の性能によるのかもしれない。写真は、ブルース専門局(ロシア?)の放送を受信しているところ。スマートフォンやUSBメモリーからも各種形式の音源を取り込めるし、これだけの機能を持っているレシーバーがこんなに安く買えるとは・・・知らないところで技術が進んでいくようで怖い気もする。
 音質的には、スピーカーが良いものではないので何とも言えないが、この値段でアンプ機能が付いてスピーカーに出力できるだけでも驚いているので、まあこんなもんでも仕方ないな、というのが正直なところ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

公園の鳥、その4

2016年02月11日 | バードウォチング
 今年は、千葉公園で以前にあまり見たことが無い鳥がいるので、散歩に行く時にはなるべくカメラに望遠ズームを装着して出かけるようにしている。
以下の写真は2/9午前の撮影。


セキレイ。スズメよりひとまわり大きいくらいの比較的見つけやすい鳥だ。頭から背中の黒い線がかなりはっきりしているので、「背黒セキレイ」で間違いないだろう。日本特殊種で、外国からくるバードウォチャーはこの鳥を見ることを目的のひとつにしている人も多いと聞く。


アオサギ。首を伸ばして立つとと90cm位はありそうだ。この大きな口で魚はもとより蛙なども捕食する。そのためか、なんとなく強面だ。


ユリカモメの群れに混じって、土中の虫でも探しているのだろうか、さかんに嘴で土を突っついて採餌いていた。ハトより大きく、ずんぐりむっくりしたこの黒い鳥も初めてここで目にする。正確なところはわからないが、「バン」のようだ。


一羽だけでプールで泳ぐのは、やっぱりカルガモだろう。


中央に見える枝のかたまりは、カラスの巣だろう。何の変哲もないようだが、カラスは繁殖期には警戒心が強くなる。そんな時に、不用意に巣に近づくといきなり襲ってくることもある。特に、幼い子供などは注意が必要だ。


おまけで、早咲きの桜と紅梅。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春風亭小朝 独演会

2016年02月08日 | 落語
 2/6(土)、お隣の八千代市にある市民会館で「春風亭小朝 独演会」があったので出かけてきた。
小朝師匠くらいの人気者になるとなかなか寄席には出ないし、たとえ出ても短いネタで降りてしまうので、今まで聴きたいとは思っていたがその機会が無かった。やっと、近隣でその機会があったので3000円の入場料はちょっと惜しかったが、がんばって出かけた。なにしろ、長年の仕事をリタイアして収入がほとんど無いので節約が肝要なのだが、どうしても観ておきたいものも多い。しかし、あんまり出かけていると出費がかさんでいずれ生活が窮することになるかもしれないし・・・かといって、何にもせずに本ばかり読んでいても精神衛生上よくないだろうし・・・その兼ね合いに苦心しているところ。しかし、まあ、贅沢な悩みではある。我ながら、のん気なもんだ。



この日の演目は、「源平合戦」、「履歴書」など。テンポの良い語り口は、落語という範疇を超えた話芸だなあ、と感じた。多くの噺家さんは年とともにテンポがゆっくりになるものだが、この人はほとんど若い時と同じ感じで、くすぐりの連発、場内爆笑の渦。八代目の林家正蔵(のちの彦六)の孫弟子にあたるわけだが、八代目の間合いが取れれば名人と言われるようになるだろう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』

2016年02月05日 | 映画
 2/4、例によって千葉劇場の木曜メンズデイ1000円で映画を観てきた。
主演(エグゼクディブ・プロデューサー兼任)のモーガン・フリーマンが好きなので、その深みのあるセリフ回しを聴きたくて出かけた。つまり、映画自体にはなんの期待もしていなかったのだが、思いのほか良い作品だった。原題は『5 Flights Up』で、直訳すると「5階まで上がる」とでもなろうか、監督はリチャード・ロンクレイン。エンドロールで流れるヴァン・モリスンの『Have I Told You Lately』を聴きながら、なんとも言いようのない満足感に浸ることができた。
 ストーリーはごくシンプルで、ニューヨーク・ブルックリンに暮らす老夫婦がエレベーターの無い5階アパートメントに暮らすのがしんどくなり、売りに出し転居先を見つける中で大切なものを再確認する、というもの。

 妻役にはダイアン・キートン。つまりは黒人の夫と白人妻という設定で、結婚当初は黒人と白人との間の結婚が認められていない州もあった、という時代の設定になる。そして、いつしか時は流れ5階に階段で上がるのも辛い年齢に達してゆく夫婦、そして飼い犬も年老いて病を得てゆく。タクシーに乗り、犬を病院に連れてゆくが、犬のCTで1000ドル、さらに手術代が10000ドル。すべてが金銭的な価値でしか測ることのできないアメリカ社会で、売れない画家である夫は画室に残ったたくさんの絵を前に喪失感に包まれる。が、ある事件を機に見落としていたものに気付き・・・。

 最後はハッピーエンドなので、アメリカの明るい部分が残る構成になっている。が、期してか期せずしてか、おそらくは意図してであろう現代アメリカの暗部も映画の中で描かれている。観る価値のある作品だ、と思った。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

公園の鳥、その3

2016年02月03日 | バードウォチング
 2月に入り、今が寒さも底だろう。この時期が野鳥のもっとも多い季節だ。本当は天気の良い早朝に撮影するのが良いのだが、暖冬傾向から急に冷え込んで、なかなか出かけるのもおっくうだ。撮影場所は、例によって千葉公園で2/3午前。鳥の名前は知っている限りのことを書いているが、正確なところまではわからない。間違いに気付いた人は、メールででも教えてくれるとうれしい。今回は、普段あまり見かけない鳥がいたので、あまり鮮明ではないが掲載しておくことにする。


これは、やっぱり鴨の仲間だろうか。キンクロハジロやホシハジロに混じって1羽だけで、すいすいと水面を滑るように移動していた。2/9追記―その後、ネットで調べたところ、どうもカイツブリの仲間らしい。「カンムリカイツブリ」ではないだろうか。


アオサギと思われる。鷺の仲間ではもっとも大型で、翼を広げると2m近くになるものもいる。寒いからか、警戒してか、身を縮めてカムフラージュしているようにも見える。


これは、スズメより少し大きいくらいだったが、ヒバリだろうか。ここで初めて見たが、背後の色と混じって見つけにくい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする