ジュークボーイ・ボナー(Jukeboy Bonner)は、本名ウェルダン・フィリップ・ボナー(Weldon Philip Bonner)。1932年3月22日テキサス州ベルヴィル(Bellville)に生まれ、1978年6月28日同州ヒューストンで亡くなっている。日本ではほとんど知られていないブルースマンだが、演奏実績はあり、録音も少なくない。
この人は器用な人で、ギターやヴォーカルはもちろんのこと、ハーモニカやドラムスまで演奏出来た。時に、一人でそれらをこなして、ワンマンバンドで演奏したという。ギターは、12歳の頃から独学で習得し、若い頃からジュークジョイントで演奏していたので「ジュークボーイ」というニックネームが付いたと言われる。1948年、ヒューストンのラジオ局KLEEのコンテストで優勝し、その後はブルースクラブやハウスパーティでも演奏した。
1954年にカリフォルニアに移り「IRMA」というレーベルに吹き込みをしたが、これはリリースされなかった。3年後には再びテキサスに戻り、1963年に胃潰瘍で手術を受け、胃の半分ほどを切ったという。’63年と言えば、公民権運動が高まりワシントン大行進があった頃だ。その頃のアメリカ南部で、黒人の胃の手術は稀有なことだったろう。何しろ、黒人の受け入れを拒否する病院、あるいはホテルも多かった頃だ。保険制度の無いアメリカでは、かなりな出費もかかることになる。資料によると、この人はヒューストンの養鶏場で働いていたとあり、あるいは生活は安定していたのかもしれない。
1967年以降は、アーホーリーなどに録音。大きなブルースフェスティヴァルに出たり、ヨーロッパツアーに参加したりしている。酒飲みだったのか、肝硬変により46歳の若さで亡くなっている。
1972年頃の録音で、GNPクレシェンドというレーベルのLP10015。SONETというスウェーデンのレーベルが原盤。ライナーノーツは、サミュエル・チャータース。
ジャケットの写真では、ハーモニカをホルダーにかけて構えている。このように、ギターを弾きながらハーモニカを演奏する人は多いが、ボナーのすごいのは喉を使ってビブラートをかけてハープを吹けるところだ。それがまた、ごく自然に聞こえ、まるでハーピストが別にいるようにさえ感じる。そして、言葉も豊富だ。写真ではエレキギターをかまえているが、音を聞いた感じでは録音にアコースティックギターを使っているようだ。さらに、その内の数曲は12弦のようにも聞こえる。ボナーはワンマンバンドで演奏できたというが、残念ながらこのアルバムでは、ドラムスなどの打楽器は入っていない。
アレックス・ムーアのLPのジャケット裏にある、1969年のヨーロッパツアー時の写真。
後方左から、アール・フッカー、クリーヴランド・シェニエ、マジックサム、キャーリー・ベル、ジョン・ジャクソン、ロバート St ジュディ。そして下段、左端で跪いて横顔しか見えないがジューク・ボーイ・ボナー、続いてクリフトン・シェニエ、マック・トンプソン、中腰で微笑んでいるのがアレックス・ムーア。素晴らしいメンバー、と言うほかはない。
この人は器用な人で、ギターやヴォーカルはもちろんのこと、ハーモニカやドラムスまで演奏出来た。時に、一人でそれらをこなして、ワンマンバンドで演奏したという。ギターは、12歳の頃から独学で習得し、若い頃からジュークジョイントで演奏していたので「ジュークボーイ」というニックネームが付いたと言われる。1948年、ヒューストンのラジオ局KLEEのコンテストで優勝し、その後はブルースクラブやハウスパーティでも演奏した。
1954年にカリフォルニアに移り「IRMA」というレーベルに吹き込みをしたが、これはリリースされなかった。3年後には再びテキサスに戻り、1963年に胃潰瘍で手術を受け、胃の半分ほどを切ったという。’63年と言えば、公民権運動が高まりワシントン大行進があった頃だ。その頃のアメリカ南部で、黒人の胃の手術は稀有なことだったろう。何しろ、黒人の受け入れを拒否する病院、あるいはホテルも多かった頃だ。保険制度の無いアメリカでは、かなりな出費もかかることになる。資料によると、この人はヒューストンの養鶏場で働いていたとあり、あるいは生活は安定していたのかもしれない。
1967年以降は、アーホーリーなどに録音。大きなブルースフェスティヴァルに出たり、ヨーロッパツアーに参加したりしている。酒飲みだったのか、肝硬変により46歳の若さで亡くなっている。
1972年頃の録音で、GNPクレシェンドというレーベルのLP10015。SONETというスウェーデンのレーベルが原盤。ライナーノーツは、サミュエル・チャータース。
ジャケットの写真では、ハーモニカをホルダーにかけて構えている。このように、ギターを弾きながらハーモニカを演奏する人は多いが、ボナーのすごいのは喉を使ってビブラートをかけてハープを吹けるところだ。それがまた、ごく自然に聞こえ、まるでハーピストが別にいるようにさえ感じる。そして、言葉も豊富だ。写真ではエレキギターをかまえているが、音を聞いた感じでは録音にアコースティックギターを使っているようだ。さらに、その内の数曲は12弦のようにも聞こえる。ボナーはワンマンバンドで演奏できたというが、残念ながらこのアルバムでは、ドラムスなどの打楽器は入っていない。
アレックス・ムーアのLPのジャケット裏にある、1969年のヨーロッパツアー時の写真。
後方左から、アール・フッカー、クリーヴランド・シェニエ、マジックサム、キャーリー・ベル、ジョン・ジャクソン、ロバート St ジュディ。そして下段、左端で跪いて横顔しか見えないがジューク・ボーイ・ボナー、続いてクリフトン・シェニエ、マック・トンプソン、中腰で微笑んでいるのがアレックス・ムーア。素晴らしいメンバー、と言うほかはない。