文化逍遥。

良質な文化の紹介。

わたしのレコード棚ーブルース158ハワード・アームストロング(Howard Armstrong)

2023年04月25日 | わたしのレコード棚
 ハワード・アームストロング(Howard Armstrong)は多才な人で、音楽に限らずイラストあるいは絵画にも優れていた。ミュ-ジャンとしては、ヴォーカルはもとより、ヴァイオリンやマンドリンなどこなせる楽器も多かった。さらに、言語能力にもたけ、7か国語でコミュニケート出来たといわれている。若い頃は、その多才さを発揮して、ジャグバンド風の編成でクラブなど酒場を回ることが主な活動になっていたようだ。それゆえか、ブルースマンとして語られることは少ないようだ。が、ヤンク・レイチェルなどブルースマンとの共演も多く。ブルースファンとしては、忘れられないミュージシャンの一人である。

 生まれは1909年3月末4日、テネシー州デイトン(Dayton)。亡くなったのは2003年6月30日で、94歳の長寿を保った人だった。


 1985年に発売されたビデオ映像で、アームストロングの愛称をとって『Louie Bluie』と題されている。ブルースの歴史の上では貴重な映像を含み、アームストロングの活動を追ったドキュメンタリー調の作品になっている。下の写真2枚は、このビデオからの画像。


 左から、マンドリンのYank Rachell、バンジョーのIkey Robinnson、立ってバイオリンを弾いているのがHoward Armstrong、そしてギターはTed Bogan。


 こちらの映像では、マンドリンを弾いている。一見するとバックが丸いボディのようだが、横から撮影した映像を見るとフラットマンドリンのようだ。

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わたしのレコード棚ーブルース157James "Yank" Rachell(ヤンク・レイチェル)

2023年04月18日 | わたしのレコード棚
 すぐれたマンドリン奏者・ヴォ-カリストであるヤンク・レイチェル(James "Yank" Rachell)は、1910年3月16日テネシー州ブラウンズビル(Brownsville)の生まれ、というから1911年生まれのロバート・ジョンソンと同世代といえる。亡くなったのは1997年4月9日インディアナポリス(Indianapolis)で、早世したジョンソンに比べて、長く演奏活動をした長寿の人だった。
 10代からマンドリンの演奏を始め、ハウスパーティーなどでハンボーン・ウィリー・ニューバーン(Hambone Willie Newbern)と共に活動、スリーピー・ジョン・エステスに出会ったのは1920年代の初めころ頃らしく、まだ10代の初めだったことになる。1920年代の終わり頃に、エステスにジャブ・ジョーンズ(Jab Jones)を加えて、3人で「Three J's Jug Band」としてメンフィス周辺で演奏活動をしたという。エステスとの演奏は、大恐慌などで中断したものの、彼エステスが亡くなる1977年まで続くことになる。
 1929年のエステスとの録音「The Girl I Love,She Got A Long Curly Hair」は、下の『RCAブルースの古典』および『続RCAブルースの古典』で聴ける。この曲で、ジャブ・ジョーンズはピアノを弾いてる。


  その後の大恐慌で、レイチェルもブラウンズビルの農場に戻らざるを得なかったらしい。が、演奏活動は続け、ハーモニカのサニーボーイ・ウィリアムソン#1などとも演奏・録音している。インディアナポリスに移動したのは1958年で、それ以降は様々なミュージシャンと共演し、あるいは中心になって活動している。

サニーボーイ・ウィリアムソン#1の名アルバムで、ARHOOLIEレーベルのBC3。この中で、1938年にレイチェルがマンドリンで加わった2曲が聴ける。写真のギタリストは、ビッグ・ビル・ブルーンジー。


 DELMARKレーベルのLPでDS649。シカゴで録音されたシカゴ・ブルースのスタイルでの演奏。くわしいデータは無いが、発売は1987年となっている。
ドラムスは、1985年にロバート・ロックウッド・ジュニァーと共に来日し、すばらしいシカゴのリズムを聞かせてくれたオーディ・ペイン(Odie Payne)。ギターは、フロイド・ジョーンズ(Floyd Jones)。べースは、ピート・クロフォード(Pete Crawford)。この録音時あるいは下のビデオ映像時も、すでに70代半ばのはずだが、声に張りがあり年齢を感じさせない演奏だ。


 1985年発売のビデオフィルム『Louie Bluie』よりの映像。後ろでバンジョーを弾いているのはIkey Robinson、その後ろにこのビデオの主役でバイオリンを弾いているHoward "Louie Bluie" Armstrong、ギターリストは見えていないがTed Bogan。

 上の写真と同じビデオだが、使用しているマンドリンを大きく撮ってみた。ご覧の通り、フラットマンドリンにピックアップを付けた「エレクトリック・マンドリン」だ。

 レイチェルは詩人としてもすぐれ、今もシカゴで歌われているレイチェルのフレーズも多いらしい。かの、B・B・キングもレイチェルのファンだという。

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わたしのレコード棚ーブルース156David Evans(ディヴィド・エヴァンス)

2023年04月11日 | わたしのレコード棚
 白人のリサーチャーであるディヴィド・エヴァンス(David Evans)は、1944年1月22日マサチューセッツ州ボストンの生まれ。UCLAで学び、その後南部を旅して主にメンフィス周辺の隠れたミュージシャンを多く発掘し、後世に残る録音活動をした。個人的な評価になるが、1970年にジャック・オーウェンスを発見し録音を残したことは大きな業績と言える。
 エヴァンスはミュージシャンでもあり。ギターリストとして優れた録音をしている。このブログでもすでに紹介したが、ハミー・ニクソンのアルバム『Tappin' That Thing(1984)』でのバッキングは秀逸。そのニクソンのアルバムは「High Water」というエヴァンスが主要なメンバーになっているレーベルから出ている。その他、解説や著作も多数あり、わたしのようにブルースを文化として研究・演奏することをライフワークにしている者にとっては頼りになる存在といえる。



INSIDE MENPHISというレーベルのCD『Shake That Thing !』。エヴァンス(G,VO,Kazoo)がリーダーと思われる「Last Chance Jug Band」というバンドのアルバムで、ごきげんなメンフィス・サウンドを聴かせてくれる。
他のメンバーは、Jobie Kilzer(harmonica&Jug)、Dick Raichelson(piano)、Tom Janzen(drums)、Richard Graham(one-string bass)。イラスト左下でギターを構えているのがエヴァンスのようだ。

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パソコン買い換え

2023年04月04日 | 日記・エッセイ・コラム
 7年ほど使ったパソコンが故障したので、仕方なく買い換えた。さすがに7年もたっていると進歩は目覚ましく、マウスもキーボードもワイヤレスになり、演算スピードも格段に向上し、操作性の違いに驚いている。会社で使うパソコンなどは平均して、3年で入れ替えると聞くが、さもありなん、と感じる。が、廃棄にかかる手間などコスト面からは懸念が残る。


自宅近く、千葉公園の桜。4/1午前撮影。

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