文化逍遥。

良質な文化の紹介。

千葉市「東寺山貝塚」2023/10/28

2023年10月31日 | 考古・エッセイ
 引き続き良い気候なので、自転車で町を散策しながら、ゆっくりと走っている。

 この日(10/28土)は、家から20分程のところにある「東寺山貝塚」へ。千葉市内だけでも120か所ほどの貝塚が確認されているが、その多くは未発掘。特別史跡の加曾利貝塚でさえ半分も調査が終わっておらず、現在も発掘調査が行われている。ここも他の貝塚と同じように、ほとんど発掘調査は行われていない。ただここは千葉県の指定史跡で、公園や神社内に位置していることもあり、宅地開発などで消滅してしまう心配はほぼ無いのが救いではある。貴重な土偶や土器などが土の中に眠っているのは確実なので、是非とも予算を付けて少しずづでも貴重な文化財の保存に努めてもらいたいものだ。



公園内にある1997年設置の案内板。県の史跡に指定されたのは、昭和55年(1980年)となっている。


こちらは、上の案内板がある場所から少し上がったところにある神社。


神社の境内を撮ったもの。白く見えるのは貝殻で、下の写真も同じ場所。二枚貝が多いようだ。



神社の隅にひっそりと建つ石碑。半世紀以上前の昭和46年(1971年)の日付が見える。

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千葉市稲毛の浜2023.10.21

2023年10月24日 | まち歩き
 このところの気候変動のためか暑いか寒いか、どちらかで、なかなか良い気候ということが少なくなったような気がする。

 というわけで、カラッと晴れた10/21(土)、自転車で稲毛の浜まで行ってきた。




 写真奥が東京方向。遠く、スカイツリーなどが望める。ここは、埋め立てに伴い造成された人工海浜。言ってみれば、演出された「白砂青松」。それでも、波打ち際にたたずむと気持ちが落ち着いてくる。

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細谷亮太著『小児病棟の四季』

2023年10月17日 | 本と雑誌
 最近、図書館から借りて読んだ本の中から一冊。細谷亮太著『小児病棟の四季』。後書きの日付は1998年正月になっているので、その頃までに書かれたエッセイをまとめたものだろう。岩波現代文庫からは、2002年に出版されている。

 著者の細谷亮太氏は、1948年山形県生まれの小児科医 。実家も山形で代々続く医院であったという。東北大学医学部を卒業後は聖路加国際病院小児科に勤務。1978年 - 1980年にテキサス大学M・D・アンダーソン病院がん研究所で勤務し、帰国後は聖路加国際病院に復職、小児科部長、副院長をつとめ2022年現在は聖路加国際病院小児科顧問。

 聖路加国際病院は、築地にあるキリスト教系の病院。重病の人や死に面した人の心のケアをつとめる「チャプレン」と呼ばれる病院付きの牧師さんなどもいて、他の病院から終末期の患者を依頼されて「看取り」をつとめることも多いらしい。著者の専門は小児がんとのことで、この本に登場するのは、重い病気を背負った子供達だ。十分に生きたとは言えない子供の最後の時を迎える描写には、思わず涙を誘われる。


こちらが岩波現代文庫版。


こちらは、私が読んだ大活字本。

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千葉のブルースセッション2023.10.7

2023年10月10日 | ライブ
 10月7日、第一土曜恒例、千葉のライブスペース旧「ライト」ブルースセッションに参加してきた。

 オーナーが替わり、それに伴い店名も「ライト」から「スター誕生」へ変更になった。営業も、ライブ演奏からカラオケ主体へと変わった。新たなオーナーはバンドマンをしていた人とかで、この日の最後に挨拶され、ライブ演奏も続ける意向だった。ブルースセッションに関しても、今まで通りの日程・料金で続く見込み。参加者・聴衆が多く、売上がコンスタントに確保できればよいが・・はたして、いつまで続けられるか・・心配ではある。まあ、わたしは自分のやれることをしっかりとやるだけなのだが・・。


 ホストバンドの音合わせ光景。改装された店内は、こんな感じ。幸いにも、楽器や機材は、ほとんど以前のまま残されている。

 この日も参加者は多く、さらにギャラリーもいて、店内はほぼ満員。かなりな盛り上がり。お店としては、売上が見込めればカラオケだろうがライブだろうが、どうでもいいわけだ。しかし、「スター誕生」というカラオケ店でブルースセッションをやってると思う人が、それほどいるとは思えない。周知して、音楽好きな人が集まるようSNSなど活用したい。


 左端がわたし。千葉には演奏力がある人が集まるので、何とか聴きに来るお客さんが増えるように、手抜きのない演奏を心がけたい。

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2023年日本映画『福田村事件』

2023年10月03日 | 映画
 10/2(月)千葉劇場にて。NHKなどでも紹介され話題になったためか、異例のロングラン上映になっている。わたしは、この事件に関しては、千葉県流山市にあった地方出版の崙書房から出ていた辻野 弥生著『福田村事件 : 関東大震災知られざる悲劇』(初版2013年7月)を読んでいたので概要は知っていた。

 デマに翻弄される民衆を描いた労作。この作品、観終わって「重要な二つのポイントが描き切れていない」と感じた。一つは、登場する千葉県の農民も、香川県からの行商人達も、ほぼ標準語だったこと。100年前の震災当時、双方の当事者達は、ほとんど言葉が通じなかったと言われている。それが事件を生じさせる大きな一因だった、と指摘されており、そこを描けなければ作品として不完全と言わざるを得ない。なぜ時代考証を重視しなかったのか、せめて千葉出身の房総方言を知る俳優さんを使って欲しかった、残念だ。もう一点は、加害者側のその後の裁判や刑期が異常に簡単なもので短く、恩赦を理由にさらに短期間で出所したこと、そこを簡単な字幕で終わらせていたことだった。個人的には、この事こそが事件の最も重視すべき点と考えている。事件後の加害者、そして多くを語らなかった残された被害者のこと、そこに焦点を当てた作品にしてほしかった。




以下は、千葉劇場のホームページより転載。
『「A」「A2」「i 新聞記者ドキュメント」など、数々の社会派ドキュメンタリー作品を手がけてきた森達也が自身初の劇映画作品として、関東大震災直後の混乱の中で実際に起こった虐殺事件・福田村事件を題材にメガホンを取ったドラマ。1923年、澤田智一は教師をしていた日本統治下の京城(現・ソウル)を離れ、妻の静子とともに故郷の千葉県福田村に帰ってくる。澤田は日本軍が朝鮮で犯した虐殺事件の目撃者であったが、静子にもその事実を隠していた。その年の9月1日、関東地方を大地震が襲う。多くの人びとが大混乱となり、流言飛語が飛び交う9月6日、香川から関東へやってきた沼部新助率いる行商団15名は次の地に向かうために利根川の渡し場に向かう。沼部と渡し守の小さな口論に端を発した行き違いにより、興奮した村民の集団心理に火がつき、後に歴史に葬られる大虐殺が起こってしまう。澤田夫妻役を井浦新、田中麗奈が演じるほか、永山瑛太、東出昌大、柄本明らが顔をそろえる。(2023年製作/137分/PG12/日本/DCP)』

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