11月11日(土)、思い立って御茶ノ水を歩いてきた。千葉の自宅から、JR電車でほぼ1時間。
電車に乗るのも久し振り。交通費も高騰しており、財布と相談しながらの街歩き。仕事で東京に通っている頃は定期を購入していたので、博物館や美術館などに頻繁に行っていたものだが、すっかり東京は遠くなった。電車に乗っていても、時間的・距離的にずいぶん遠くに感じられた。今思えば、朝夕の混雑する通勤時間帯によく通っていたものだと、変に感心したりする。

工事が続く、JR御茶ノ水駅。御茶ノ水橋から撮影した写真で、停車している電車は中央線上り東京行き。画像奥が東京方向。左側は神田川で、写真の手前から奥へ流れ、隅田川と合流して東京湾に至る。江戸時代は、この流れを利用して沢山の人や物が運ばれていた。浅草や𠮷原に行くお大尽などが柳橋辺りから船を仕立てた風景など、古典落語の「舟徳」などが今に伝えている。

こちらは、反対側の聖橋の上から撮影。写真奥が新宿方向になる。ホームの上はいまだ工事中で、完成すると御茶ノ水橋と聖橋を繋ぐ様なショッピングモールになるようだ。
駅だけでなく、街全体が来るたびに大きく変化してゆく。まるで、寿命の短い生き物のようだ。三省堂書店神田本店ビルは、すでに解体されて新たなビルが建設中。三省堂書店は、近くの仮店舗で営業中。古書店も閉店してゆく傾向にあるようで、古書店街も様変わりしてゆく。古書もインターネットで検索して購入出来る時代なので、それも時代の流れか。
カワセ楽器にも寄ってきた。マスターはお元気そうで、コロナ禍を乗り切ったようだ。ただ、残念なことにカワセ楽器のオリジナルブランド「Masterマスター」ギターは、長年にわたり制作されていた職人さんが亡くなり、そのお弟子さんも製作を止められた、という。マーチンやギブソンが高根の花だった時代、マスターギターはミュージシャン達が寄る辺としたギターだった。返す返すも残念。皮肉なことに、このところの円安で輸入品は値上がりが激しく、お店も仕入れに苦労しているらしい。そんな中でも、カワセ楽器オリジナルのマスター弦は値上がりせず、ワンセット税込605円だった。嬉しくなり、3セット購入して帰途に就いた。