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荒屋敷貝塚2025/2/17

2025年02月18日 | 考古・エッセイ
 気候が良いので、墓参がてら千葉市若葉区貝塚町にある国の史跡である荒屋敷貝塚に行ってきた。特別史跡の加曾利貝塚からは、直線で2キロくらい。


 逆光になってしまい、ちょっと見にくいが昭和43年3月建立の石碑。この奥の広場のような空間が貝塚で、かなり大きい。




 左端に大きい樹が見えるが、下の写真はその根元を撮ったもの。

 白く見えているのが貝殻。二枚貝が多いようだ。



下の2枚は、荒屋敷貝塚から少し離れた所。台地の下にあたる場所で、かなり急な斜面になっている。なので、上から落ちて来ている多種類の貝殻が観察できる。

 

 道に落ちている貝を、種類ごとに土嚢の上に並べて撮ってみた。上の巻貝は千葉では「ナガラミ」と呼ぶダンベイキサゴか。中段は二枚貝で左から赤貝、アサリ、ハマグリ、などか。そして、下段の小さい巻貝は「イボキサゴ」で千葉市内の貝塚ではこれが最も多く見られる。「イボキサゴ」は、現代では食べられることは無い小さな巻貝。縄文時代も食用としていたとは考えにくく、何に使ったのか色々な説がある。わたしが個人的に好きなのは、土器で多くの貝を煮詰めてから身を干して「だしの素」のようなものを作り、他の地域と物々交換する際の「商品」にしたのではないか、という説。貝塚から出土する黒曜石などは、現代の分析で神津島や長野県などのものであることが判明している。タダで貰えるはずはなく、行商人の様な人がいて、交換していたのではないだろうか。縄文時代の流通は、かなり進んでいたようだ。そんな想像をすると、なんとなく、ロマンがあって楽しい気がする。

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