文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2022年アメリカ映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』

2023年11月28日 | 映画
 11/24(金)千葉劇場にて。監督はアナ・リリ・アミリプール。主演はチョン・ジョンソで、1994年ソウル生まれの韓国の女優さんだそうだが、英語の発音は自然でアメリカの人かと思った。長年隔離された部屋で拘束され表情をなくした若い女性が、人との交わりから表情と言葉を取り戻してゆく、そんな難しい役どころだが見事に演じ切っていて感心させられた。

 異形あるいは異能な者に対する排斥、そして差別。そして、それに救いの手を差し伸べるのは、いつも場末に暮らす異端な者達なのだった。この映画、舞台となっているのはジャズ発祥の地とも言われるニューオリンズで、2005年のハリーケーン・カトリーナで壊滅的な被害を受けたところだ。その現在の様子が見られそうなので、内容は期待せずに観に行ったのだが、良い作品だった。ハッピーエンドに至る過程が、あまりに楽観的だったようにも感じるが、それが観終わった後にカタルシスにもなり救いにもなる。ただ、テクノポップというのだろうか、電子楽器を使った機械的な音楽には閉口した。




以下は、千葉劇場のHPより引用。
『カノジョの名前は〈モナ・リザ〉。だけど、決して微笑まない―。12年もの間、精神病院に隔離されていた〈モナ・リザ〉。ある赤い満月の夜、突如驚くべき特殊能力に目覚める。自由と冒険を求めて施設から逃げ出した彼女が辿り着いたのは、サイケデリックな音楽が鳴り響く、刺激と快楽の街ニューオーリンズ。そこでワケありすぎる人々と出会い、〈モナ・リザ〉はその特殊なパワーを発揮し始める。果たして、彼女はいったい何者なのか?まるで月に導かれるように、〈モナ・リザ〉が切り開く新たな世界とは──。「次世代のタランティーノ」と大注目された、アナ・リリ・アミリプール監督最新作。(2022年製作/106分/アメリカ/DCP)』

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風のオブジェ、千葉県立美術館「テオ・ヤンセン展」

2023年11月21日 | アート・文化
 11/19(日)小春日和の午後、自転車で千葉県立美術館で開催中の「テオ・ヤンセン展」に行ってきた。このような企画展が開催されていることを知らなかったのだが、ありがたいことに古い友人が知らせてくれた。ヤンセンはオランダの人で、1948年生まれ。元々は物理学者で、後に画家に転向、プラスチックで造形され風力で動く「ストランドビースト(砂浜の生命体)」を考案し、今に至っている。

 館内の展示品等は撮影可で、SNSで発信して下さい、との案内もあり撮影してみた。








人の大きさと比べてみると、オブジェの大きさが実感できるだろう。

 やはり、これは電力などのエネルギーに依存する現代文明に対するアンチテーゼなのだろう。あるいは風力や太陽光による発電にも、設置や維持にかかるコストが大きく、またレアアース・レアメタルといった鉱物資源を採掘する必要もあり、研究者によっては全体のエネルギーの消耗度は変わらないとも言われている。

 風車の国から来た「風のオブジェ」と名付けたい。

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御茶ノ水2023/11/11

2023年11月14日 | 日記・エッセイ・コラム
 11月11日(土)、思い立って御茶ノ水を歩いてきた。千葉の自宅から、JR電車でほぼ1時間。

 電車に乗るのも久し振り。交通費も高騰しており、財布と相談しながらの街歩き。仕事で東京に通っている頃は定期を購入していたので、博物館や美術館などに頻繁に行っていたものだが、すっかり東京は遠くなった。電車に乗っていても、時間的・距離的にずいぶん遠くに感じられた。今思えば、朝夕の混雑する通勤時間帯によく通っていたものだと、変に感心したりする。


 工事が続く、JR御茶ノ水駅。御茶ノ水橋から撮影した写真で、停車している電車は中央線上り東京行き。画像奥が東京方向。左側は神田川で、写真の手前から奥へ流れ、隅田川と合流して東京湾に至る。江戸時代は、この流れを利用して沢山の人や物が運ばれていた。浅草や𠮷原に行くお大尽などが柳橋辺りから船を仕立てた風景など、古典落語の「舟徳」などが今に伝えている。


 こちらは、反対側の聖橋の上から撮影。写真奥が新宿方向になる。ホームの上はいまだ工事中で、完成すると御茶ノ水橋と聖橋を繋ぐ様なショッピングモールになるようだ。
 駅だけでなく、街全体が来るたびに大きく変化してゆく。まるで、寿命の短い生き物のようだ。三省堂書店神田本店ビルは、すでに解体されて新たなビルが建設中。三省堂書店は、近くの仮店舗で営業中。古書店も閉店してゆく傾向にあるようで、古書店街も様変わりしてゆく。古書もインターネットで検索して購入出来る時代なので、それも時代の流れか。


 カワセ楽器にも寄ってきた。マスターはお元気そうで、コロナ禍を乗り切ったようだ。ただ、残念なことにカワセ楽器のオリジナルブランド「Masterマスター」ギターは、長年にわたり制作されていた職人さんが亡くなり、そのお弟子さんも製作を止められた、という。マーチンやギブソンが高根の花だった時代、マスターギターはミュージシャン達が寄る辺としたギターだった。返す返すも残念。皮肉なことに、このところの円安で輸入品は値上がりが激しく、お店も仕入れに苦労しているらしい。そんな中でも、カワセ楽器オリジナルのマスター弦は値上がりせず、ワンセット税込605円だった。嬉しくなり、3セット購入して帰途に就いた。

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「スター誕生」ブルースセッション11/4

2023年11月07日 | ライブ
 11/4(土)、千葉のカラオケ・ライブスペース「スター誕生」でのブルースセッションに参加してきた。


 左端で、歌っているのがわたし。他はホストバンドのメンバー3人と、キイボードのKさん。このセットでは、ある程度気心が知れていて安心感がある。また、Kさんが入ってくれると、かなり音の広がりが感じられる。それぞれ基本ができた演奏力がある人たちなので、勉強にもなり、自分の至らなさをカバーしてくれるので助かっている。


 こちらの写真でハーモニカを吹いているのは、いつも写真を撮ってくれる保土ヶ谷スリムさん。名前のとおり神奈川県の保土ヶ谷の人。北海道から九州まで日本中を駆け回り演奏して、この日も千葉まで来ての熱演。ご苦労様でした。お体に気をつけて、これからもご活躍下さい。


 なお、来月の12月と来年1月は、ホストバンドの都合でお休みとのこと。来年2月以降の事など、参加するつもりの人は、ホストギタリストの齊藤Gのフェイスブックなどで確認をお願い致します。

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