暑い日が続く。こちら南関は、今のところカラ梅雨気味。
先週7/5以降の、九州北部豪雨で亡くなった多くの方々、行方不明の方々、そして今なお孤立している集落もあり、改めてお悔みを申しあげたい。また、暑い中での捜索、復旧活動に従事しておられる方々にもお見舞い申し上げたい。温暖化による海水温の上昇に起因すると思われる、毎年のように起こる水害。もう一度、自らの生活を考え直したい。
さて、「わたしのレコード棚」。今回は、初期のアトランティックブルースを代表するプレーヤーのひとりペグ・レッグ・ハウエル。
ヴォーカルの線は少し細いが、しっかりとしたリズムで叙情性に富んでいる優れたミュージシャンと言える。特にボトルネックを使ったギター奏法では、ミシシッピー・デルタのような力強さはないものの、単弦でメロディックな奏法は効果的だ。
生まれは、1888年3月ジョージア州イートントン(Eatonton)。亡くなったのは1966年8月同州アトランタ。「Peg Leg」は、義足を意味する芸名で、本名はJosyua Barns Howell。もともとは、ジョージアの片田舎の農夫だったが、1916年に義理の弟から銃撃を受け片足を亡くし街の片隅で演奏するようになったらしい。
MATCH BOXレーベルから出ていたLP、MSE205、『Peg Leg Howell(1928-29)』。コロンビアへの録音で、フィドルのEdie Anthonyと
マンドリンのJim Hillが参加した曲を含む全14曲。アイリッシュ系の人達が暮らしていたピードモント地方にも近く、マウンテンミュージックと言われる音楽の影響も感じられる。当時のミュージシャンたちが、様々な音楽を吸収していたことがうかがえる。
こちらは、RBFレーベルの『The Atlanta Blues』。初期アトランティックブルースを集めた名盤。写真は、バーベキュー・ボブ(Barbecue Bob)で1927年の撮影。サム・チャータースのかなり詳しい解説と歌詞が付いている。ハウエルの他、Barbecue Bob、Lonnie Coleman、Tampa Red、Blind Willie McTell、Charley Lincoln、Alec Johnson、Buddy Moss、などの1~3曲を収録。このLPの中では、Peg Leg Howell & his Gangの名で先のEdie AnthonyとセカンドギターにHenry Williamsを加えて「Beaver Street Rag」というダンスナンバーとおぼしきインスト曲が聴ける。このような曲を、アトランタのブルース・ストリートと言われるDecatur Streetやパーティなどで演奏していたらしい。
手元の資料によると、セカンドギターのHenry Williamsが1934年に死んだあとはハウエルもほとんど音楽活動をしなくなったらしい。そして、1952年には糖尿病により残ったもう片方の足を亡くしている。1963年に「再発見」されて、再び録音している。が、その録音は残念ながら手元にはない、