文化逍遥。

良質な文化の紹介。

秋葉原

2012年06月26日 | まち歩き
昨日、6/25日は秋葉原からお茶の水に買い物に行ってきた。
秋葉原は再開発が進み、街の表情が随分と変わった。
まるで、別の街に来たのではないかと錯覚しそうになる。
それでも、駅前のガード下は戦後の雰囲気を残している。ここでパーツを買うのは、なにやらうれしい気がするものだ。
昨日は、ピエゾピックアップにつけるコンデンサーを探して見ていたら珍しく店の人が声をかけてきた。

「何か探してんの?」
「ギターにつけるコンデンサーなんだけど・・・」
「0.022かい?」
「いや、1500ピコファラド・・・」
「うちには、セラミックのしか無いなあ、あまり勧められないよ」
「あ、そうすか」

専門知識を持った販売員がいて、数十円の部品を1個から売ってくれる店が集まっている所なんて世界中探しても他に無いんじゃないかなあ。
建て替えは仕方ないにしても、なんとかパーツ街は残してもらいたい。


ラジオ会館も以前はパーツ屋が多く入っていたのだが、いつの間にかフィギュアなどの店舗が多くを占めるようになってしまった。
その本館は建て替えのため取り壊しの最中だった。携帯で撮影。
Pa0_0027

ここの中に、オープンテープを扱っている店があったけど、新しいビルになっても営業を続けるだろうか。すぐに、無くなちゃうんだよなあ。物はいっぱいあるけど、必要な物はすぐに無くなってしまう。いつ無くなるか心配して、予備を常に入手、ストックしておかねばならない。困ったもんだ。


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CD-R

2012年06月22日 | 音楽
音楽のCDをコピーする時には、CDプレーヤーから光ケーブルでCDレコーダーにつないで音楽用のCD-Rに録音していたのだが、パソコンでデータ用のCDにコピー出来ることを最近知った。
当初は著作権上の問題もあってパソコンでは出来なかったのだが、すでに10年以上前から可能になっていたらしい。
実際にやってみると、高速でコピーするためCD1枚が10分もあれば終わってしまう。レコーダーで1枚1枚コピーするのに比べ、かなり効率が良い。ただし、音質の劣化は感じた。数字をコピーするだけなので、原理的には同じものが出来るはずなのだが、やはりそうは簡単には行かないようだ。小さな音飛びもあり、大切な音源にはこの方法は使えないと感じた。
CD-R自体も音楽用とデータ用では品質がかなり違うのかもしれない。音楽用CD-Rの高いものは、データ用の4~5倍の値段がするものがある。著作権料が含まれている事だけではなく、品質そのものが高いのだろう。

それにしても、このところ天候が不安定だ。正直言って体がついていかない。

まだ6月だというのに台風は来るし、台風一過の20日は千葉で29度、八王子あたりでは34度の暑さ。今朝は、また下がって17度しかなく肌寒い。大雨警報も出ていて、湿度が高くジメジメしている。
東京は水害に弱い。最近、地下に貯水槽を作ってはいるが、地下(街)は集中豪雨に弱く逃げ場がない。と言っても、東京では地下鉄を使わないわけにはいかず、これから夏にかけての時期は常に危険と隣り合わせになる。
大雨警報が出ているからといって仕事を早く切り上げるわけにはいかないしなあ。
気候変動に伴って、都市計画を見直さなければならない時期に来ているということだろうか。



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HANNABACH―ナイロンギター弦

2012年06月19日 | ギター
久々にナイロンのギター(ソニード)の弦を換えた。
普段はスチール弦のギターを弾いているので、ナイロン弦はどこのメーカーが良いのかわからない。
ソニードの山本さんが推奨していたダダーリオを張っていたのだが、どうも高音が弱い。そこで今回は少し値が張るが、ドイツ製の「HANNABACH」を使ってみることにした。「ハンナバッハ」と発音するのだろうか。

Hannabach

けっこう高音域の抜けが違う。ナイロン弦でも品質にずいぶん差があるもんだ。
ナット幅が狭いスチール弦のギターを弾く時には左手の親指を使ったりして、いわゆるセーハという押さえ方はあまりしない。
それに比べてクラッシックギターでは大なり小なりセーハすることが多いのだが、綺麗に音が出ない。それもあって、ロウ‐テンションのセットにしたのだが、やはりイマイチだ。どうも押さえ方が、基本的に良くないらしい。まあ、何十年もフォークギターを弾いてきたのだから無理もない。そもそも、左足を台の上に置いて抱えて弾く事には違和感があって、ギターにピンを打ちストラップを使って弾いている。クラッシックのギター奏者がみたら笑われそう。

押弦のしやすさ、ということでは以前使ったことがあるSAVAREZが良かった。が、この弦は高音弦がアリアンス(alliance)低音弦がコラム(corum)となっていて、材質を特殊加工したものらしい。あまり、こだわるべき事ではないだろうが。


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『人形劇―三国志』

2012年06月14日 | アート・文化
図書館からDVDを借りてきて『人形劇―三国志』を観ていた。

NHKで1982年の10月から1984年の3月まで放映されていたものなので、もう30年近くも前になる。が、いま観ても少しも色褪せていない。劉備玄徳の英雄譚になってしまっているのが少し残念だが、それはまあ子供向け番組だったので仕方ないか。とても30年前に作られたものとは感じない。むしろ、新鮮な感じさえする。

人形担当の川本喜八郎(1925-2010)という人は、今更ながら才能の豊かな人だった。改めてそう思った。もちろん、声の出演をした人達や撮影・美術・演出など様々な人たちがそれぞれにいい仕事をしようと心がけなければこんな完成度の高い作品には仕上がらない。
ひとつには、アナログの良さがあるように思われる。後から修正できるデジタルではこんな作品は出来なかったろう。
気持ちを合わせて、時にやり直しながら、時間をかけて、手作業で組み立ててゆく。そこに現れるほのかな「あたたかさ」と「ゆらぎ」。

そういえば以前、名映画カメラマン宮川一夫(1908-1999)氏が、『無法松の一生』で撮影を担当した際に思い出のシーンで多重露光をした時のことをテレビのインタビューで語っていた事を思い出した。綿密な打ち合わせと、手書きのクロノグラフなどで一回で決めたという。ほとんど神業だ。わたしなども長年文書をフィルムにする仕事をしてきたが、それでさえもなかなか一回の撮影で仕上がらずに撮り直すことも多いのだ。

デジタル技術を否定する気は毛頭ない。しかし、アナログ技術を時代遅れとして切り捨ててしまうことには深い危惧を覚える。


随分以前に読んだ新聞の記事だったか、川本喜八郎氏はこの作品の話が来る10年前からすでに曹操などの人形の制作を始めていた、という話を読んだことがある。
良い仕事をする人に共通することだが、利益にとらわれず自分のすべきことをしっかりと考えてそれを形にしてゆく、といった行動様式があるようだ。見習いたいものである。




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『K』三木 卓著、講談社2012

2012年06月06日 | 本と雑誌
図書館で本を借りて読むのはお金がかからないので仕事が無い時には一番良いのだが、手あかの付いていない新刊本を読む快感が味わえない。まあ、ぜいたくな悩みだ。歩いて10分の所に大きな公共図書館があるだけでもありがたいことなのだ。
そんなことをツラツラと考えながら図書館に行ってボーっと棚を見ていたら、「新着本コーナー」という棚があることに気がついた。まだ手垢の付いていないまっさらな本が、ズラリと並んでいるではないか。
いままで気が付かなかったのが迂闊だが、どうしても作家やテーマで本を探していくので気にもしていなかったし、場合によってはネットで検索して収蔵と在庫を確認して、まっすぐに貸出カウンターに行くこともあるので目に入らなくても無理もない。

そんなわけで、その「新着本コーナー」で見付けて借りてきたのが、詩人であり小説家でもる三木卓氏の『K』という本。やはり詩人である奥さんの福井桂子氏が2007年9月に72歳で亡くなるまでの数年間を中心に奥さんとの痛切な思い出をつづった私小説。
詩人の日常生活がテラいなく淡々と描かれていて秀逸。ちなみにKとは、奥さんのイニシャルだという。
朝日新聞6/5の夕刊で、この本について特集を組んでいる。
その中で、著者の三木氏はこの本について「実名でありのまま書いた。うそのない私小説」と、語っている。
夫婦や親子の関係を、改めて考えさせらる良い著作と思う。


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現代の作家

2012年06月01日 | 本と雑誌
いつの間にか6月。
このところ昼間は25度を超える夏日が続いているので、部屋を閉め切って楽器を弾くには冷房を入れなければならなくなってきた。なるべく電気を使いたくないので、最近はひたすら本を読んで過ごしている。

古典から読んでいって現代作家に至るようにしているのだが、読むのが遅いのでなかなか現代の作品に辿りつかない。
それでも、思うところあって、村上春樹氏の作品を読んでみることにした。
まず、近くの図書館に行って2冊借りてきた。初期の作品で『風の歌を聴け』(1979)と、比較的最近の短編集で『東京奇譚集』(2005)。予想していたよりずっと面白かった。独自の文体と、視点で読み飽きることが無かった。アナログ写真のネガとポジを巧みにひっくり返して、普段見えていない世界を描いて見せてくれたような作品で、新鮮な驚きがあった。
そこで、『ねじまき鳥クロニクル』新潮文庫(全3巻)を買ってきた。
実はこの作品、以前ある心理学の本を読んでいた中で取り上げられていたので、いつか読んでみたいと思っていたのだが、かなり長いこともあってなかなか手を出せずにいた。
全体の構成、心理描写、センスがいいなあ。
人間の持つ暗黒な部分をファンタジックというかシュールな世界として描いているので、好き嫌いがはっきりとしやすい作家かもしれない。が、個人的には読んでいて興味の尽きない作品だった。ただ、終わり方があっさりしすぎていて物足りない感じはあった。それも、「始まりも終わりもないストーリー」と考えれば、納得できなくもない。
このひとは、あるいは中井英夫の影響を受けているのではないだろうか。小説の構成方法が似ているような気がする。

こういう作品を読むと「文庫で3巻買っても2千円しないので本はやっぱり高くはない」と、思う。読書習慣は一生の宝。荷物にもならないし、誰もそれを奪うことは出来ない。


話かわって、昨日(5/31)午後のテレビ東京の映画『沈黙の断崖』(Fire Down Below1997)を何とはなしに見ていたら、ザ・バンドのメンバーでこの4月19日に71歳で亡くなったレヴォン・ヘルム(Levon Helm)が牧師役で出ていたのでビックリ。
映画の内容は例のスティーブン・セガールの勧善懲悪アクションものでどうでもいいのだが、冒頭でいきなりオールドタイムを想わせるピードモントの古い写真が出てきて、そのあとカントリーからブルースまでを映画の中で巧みに織り込んでいて興味深かった。あのライトニン・ホプキンスまでが挿入歌として使われていたのだ。
レヴォン・ヘルムの演技はあまり良いとは言えなかったが、この映画は米国の音楽を理解する一助になるかもしれない。ちなみに、音楽はニック・グレニー・スミスという人が担当している。


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