文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2025年日本映画『港に灯がともる』

2025年01月28日 | 映画
 1/23(木)千葉劇場にて。英題『 THE HARBOR LIGHTS』。監督は安達もじり。出演は、富田望生、伊藤万理華、青木柚、山之内すず、麻生祐未、甲本雅裕、他。

 阪神淡路大震災から今年で30年。その間にも、東日本大震災、熊本地震、そして昨年の能登半島地震、と大規模災害が起こっている。30年の歳月の中で、国そして全ての生活する人々は阪神淡路大震災の教訓をに生かしていない、そう思わざるを得ない。同じ悲劇が繰り返されている。予想される、南海トラフ巨大地震に襲われたとき、おそらく、首都圏など都市部は壊滅し機能不全におちいることだろう。そして、この映画で取り上げられたような、心が崩壊する人が多く出るだろう。混乱の中で破壊行為が多発し、無法地帯化することにもなりかねない。今からでも、災害に耐えうる都市の構築と、災害時の心構えを日頃から話し合える場を設ける必要がある。


 主人公の灯(あかり)は、外出時には必ず大きいヘッドホンをつけ、まるで外の世界を拒絶しているかのようだ。が、神戸の人々との対話の中で、人の温かさに触れ、表情は徐々に明るくなってゆく・・。映画のエンドロールの前、最終場面・・主題歌が流れる中一人たたずみ、やがて街を歩き出す灯、その時も尚ヘッドホンは外せない姿が映し出される。その灯を演じた富田望生(みう)という女優さんが好演している。わたしの知らない俳優さんだったが、調べてみると、福島出身の24歳ということで東日本大震災に遭遇しているらしい。映画は神戸が舞台なので、当然関西弁のセリフがほとんど。その上で、うつ状態に苦しむ状態から緩解に近づく主人公の表情をこなしており、感心させられた。おそらく、かなりな撮り直しの上で完成させられた作品だろう。この作品の主題歌「ちょっと話を聞いて」で作詞も担当しているようで、多彩な才能を持った人のようだ。けっして美人ではないが、アイドル上がりの女優さんには出来ない演技力が認められる。これからも、地道にコツコツと活動してもらいたい。

以下は、千葉劇場のHPより引用。

『「港に灯がともる」
1995年の震災で多くの家屋が焼失し、一面焼け野原となった神戸・長田。かつてそこに暮らしていた在日コリアン家族の下に生まれた灯(あかり)。在日の自覚は薄く、被災の記憶もない灯は、父や母からこぼれる家族の歴史や震災当時の話が遠いものに感じられ、どこか孤独と苛立ちを募らせている。一方、父は家族との衝突が絶えず、家にはいつも冷たい空気が流れていた。ある日、親戚の集まりで起きた口論によって、気持ちが昂り「全部しんどい」と吐き出す灯。そして、姉・美悠が持ち出した日本への帰化をめぐり、家族はさらに傾いていく。なぜこの家族のもとに生まれてきたのか。家族とわたし、国籍とわたし。わたしはいったいどうしたいのだろう―。(2025年製作/119分/G/日本)』

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ストラトキャスター改造

2025年01月21日 | 音楽
 手持ちのシェクター(SCHECTER)のストラトキャスター「 L-A-ST-AL/R」を改造。音質的なことは、あまり気にせずに、弾きやすさと軽さに重点を置いて、新たにピックガードを用意して、自分で作ってみた。


 これが元の状態。写真を撮り忘れたので、購入した島村楽器さんのHPから同型のギターの写真を拝借、すみません。これ、見た目は普通のストラトだが、実は、かなり標準的なフェンダーのものとは異なっている。一番の特徴は、ボディ内部がホロウ構造になっていることで、軽量。さらにトーンは、全てのピックアップに効いており、上が高音カット、下が低音域のカットになっている。ピックアップはフロントとミドルがセイモア・ダンカンのSSL1、リアピックアップはやはりダンカンのSTK-S10Bというスタック構造のハムバッカー。ミドルとのハーフトーンではタップ配線でシングルアウトする。なかなかに使いやすく、音質的にも気に入っていた。が、わたしは、ピックを使わず、指で弾くので、どうしてもピックアップに指が当たる。慣れればさほど気にならないが、やはり、ストレスのない状態でプレイ出来るのが望ましい。と、いうわけで、リアピックアップのみのオリジナリティーに富んだストラト?に変身させた。


 ボディ材はアルダー。内部はご覧の様に、かなり空洞になっている。元の状態でも3㎏ほどの重さで、標準的なストラトキャスターよりかなり軽い。


 サウンドハウスで穴が空いていないストラト用のピックガードを購入して、ホビー用の工作機械で加工した。たまたま、この白いガードの在庫が余っていたのか、安く売りだされていて他の色の半値ほど、2000円弱で買えた。リペアマンのようにきれいには仕上がらないが、多少雑なところは目をつむり、節約して自分でやるのも悪くない。取りあえず、これで完成。重さは2.7㎏に減少。腰痛持ちにはありがたい。ノッペリした感じだが、指弾きではかなり弾きやすくなった。コントロールも今のところヴォリュームのみ。シングルコイルなのでトーンが欲しいところだが、とにかく配線をシンプルにして ピックアップそのものの音をストレートにアンプに通したい気持ちもあり、考慮中。現状ピックアップは、まろやかな音質のディマジオDP175がついている。


 全体では、こんな感じ。ギターから受ける印象が大分変わった。自分では悪くないように思うが、どうだろう。

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わたしのレコード棚ーブルース169-Lee Jackson

2025年01月14日 | わたしのレコード棚
 リー・ジャクソン(Lee Jackson)は、ウィキペディアによると、1921年8月18日アーカンソー州Lee Countyの生まれで、亡くなったのは1979年7月1日シカゴ。家族間の争いに巻き込めれ凶弾に倒れた、という。ただ、下のLP『シカゴブルースの25年』内の解説では、1907年セントルイス生まれ、となっている。1907年説を取ると、マディ・ウォータースなどより年上になってしまう。音楽的には、田舎臭さを感じさせない都市のものなので、やはりウィキペディアの1921年説を取っておこう。本名は、Warren George Harding Leeらしい。ギター・ヴォーカルの他に、作曲、ベースもこなした。
 日本ではあまり知られておらず、聴くことができる音源も限られている。が、バックを務めたものを含めると、残された録音は少なくないらしい。ウィキペディアが挙げている共演したミュージシャンを列記しておくと、 Johnny Shines, Willie Dixon, Jimmy Reed, J. B. Hutto, Sunnyland Slim, Lacy Gibson, Little Walter、など。

 第二次大戦後のシカゴで、かなり活動していた人のようだ。彼の残した録音の中で、1970年ドイツのフランクフルトでのライブを聴いた時「これこそがシカゴのギターリストの音なのではないか」と、なぜか感じた。南部から出てきた黒人たちが都市に移動して作り上げた音楽の中で、最も安定していた時期のブルース、そんな気がする。エレキギターの音も、自然でストレート、聞き心地が良く心に響く。シカゴブルースがロックに繋がる一歩前、素朴さを残した音楽。個人的に「こんな音がだせたらいいな」と、エレキギターのセッティングの際に指標にしているギタリストの一人だ。



P-ヴァインの3枚組LPレコード『シカゴブルースの25年』PLP-9022~9024。オムニバス・レコードで、この中に2曲ジャクソンのヴォーカル・ギターを収録。R&Bに近い音作りになっている。シカゴでの録音だろうが、録音データの記載は無く、メンバーや録音年などの詳細は不詳。声が若いようなので、1950年代の録音か。

LP内の解説に載っている写真。P- 90を搭載したレスポールを左で弾くように構えているが、下のLP内の写真では右で弾いている。あるいは、ネガを裏で、逆にプリントしたのかも。


 1970年11月16日、ドイツ(当時の西ドイツ)のフランクフルトで「American Folk Blues Festival」と銘打って行われたライブを収録した2枚組LPで、ドイツのL+R(Lippmann & Rau)というレーベルの42.021。名盤。



 ジャケットの内の写真。上段左から右に、Willie Dixon、Bukka Whiteが2枚、Sonny Terry、Brownie McGhee。下段左から右に、Shakey Horton(ハーモニカ)、Champion Jack Dupree、そしてLee Jackson(ギター)、Lafayette Leak(ピアノ)、Clifton James(ドラムス)。

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千葉公園の鳥2025/1/1

2025年01月07日 | バードウォチング
 元日は人が少ないので、自宅近くの千葉公園の綿打池に飛来している鳥を撮影している。越冬のためにシベリア方面から渡って来るカモの仲間が多い。


綿打池。結構広く、江戸時代はこの池の水を農業用水に使っていたために、その帰属をめぐって地域間の争いがあったとも聞いている。


カモ類が多い。ずんぐりむっくり、とした体形で、よく遠い距離を飛翔してここまで来るな、といつも感心している。途中で、力尽きて死ぬものも少なくないに違いない。猛禽類などの天敵もいるだろうし、彼らにしてみれば、決死の飛行なのだ。


カモの仲間で「キンクハジロ」のメス。


こちらは同じくオス。頭の後ろにある飾り羽が特徴で、色彩もメスより鮮やか。全体に鳥はオスの方が色鮮やかで、これはメスを引き付けるため、と言われている。


こちらもカモの仲間。小さかったので小鴨だろうか。


二匹のサギ。右側がアオサギで、この公園で見られるもっとも大型の鳥、と言われている。左の白い方はチュウサギだろうか。鋭い嘴(くちばし)で小魚などを捕食する。


ユリカモメ。


こちらもユリカモメかな?背中が黒くてちょっと大きめなので、セグロカモメのようにも見えるが、セグロカモメは嘴が黄色のはずなので、やっぱりユリカモメかな・・ちょっと見分けがつかない。

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