文化逍遥。

良質な文化の紹介。

セイモア・ダンカン、アンティクイティ・ハムバッカー

2024年07月30日 | ギター
 最近、ヤフオクでSEYMOUR DUNCAN / ANTIQUITY HUMBUCKER Neck(セイモア・ダンカン、アンティクイティ・ハムバッカー・ネック)の新古品を市価の半額ほどで入手したので、使った感想を書いておく。



 装着したのは、オリジナルのセミアコ。名前の通りエイジド加工され、見た目が始めから古く見えるように作られている。音質的にも、こなれて、ふくよかな感じ。ロックのミュ-ジシャンがレスポールなどを使うようになって、ハムバッカーの音質もかなり変化し、エッジの効いたパワフルなものに変わった。それに比べ、このアンティクイティ・ハムバッカーは、オリジナルなギブソンのサウンドに近い感じ。エフェクターを使う様な人にはお勧めできないが、古いブルースやジャズのプレーヤーには向いていると言える。

 別にリア・ピックアップもサウンドハウスの特売で購入したが、わたしは、ほとんどフロントのピックアップしか使わないので今のところフロントだけにしている。この方が余計なスウィッチなどが無い分軽く、切り替えの時のトラブルもない。さらに、損失が少ないので音質的にも良いように感じる。ただ、リアピックアップにも利点はある。チョーキング時のゲイン落ちが少ないし、ハウリングを起こしにくい。そして何より、音質的に明瞭で、ハーフトーンをうまく使えば豊かな音になる。なので、いずれは、リアもつけるつもりではある。


 こういうものを買っておいて使わずに売りに出す人がいる、ということ自体なかなか理解できない。落札する時も「ホントに使ってないのか?」と、半信半疑。しかし、実際に品物を手に取ってみると、まさしく開封しただけの新品だった。まあ、安く入手できたことを素直に喜んでおこう。

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フェルナンデス倒産

2024年07月16日 | ギター
 驚きであり、残念なことだが、国産ギターメーカーの「フェルナンデス」が倒産した。製造はOEMで国内のメーカーなどに委託し、主に初心者から中級者向けの、使い勝手の良いギターやベースなどを企画販売していた。奇抜なデザインも多く、ファンも多かったようだ。特に1990年発売の「ZO-3(象さん)」というアンプ内蔵の小型ギターは、ある意味、画期的なものだった。というのも、わたしは1980年代、出張で各地のビジネスホテルを泊まり歩くことが多く、夜にホテルの部屋で練習出来るようなギターが欲しかった。なので、その当時「ZO-3」が出ていれば買い求めていたと思う。


シンプルなタイプの「ZO-3」。すでにサウンドハウスでは、販売を終了している。欲しい人は、今のうちに楽器店の在庫分を探して買っておいた方が良いかもしれない。

 経営の悪化には、材の高騰がひとつの要因というが、若い世代があまりギターを使うような音楽に興味を持たなくなってきたとも言われる。パソコンで入力すれば作曲から演奏まで出来るので、それも時代の流れかもしれない。

 一方で、ビンテージ・ギターやカスタムショップ製の楽器は高騰している。ESPのカスタムショップなどでは、円安の影響で海外からの注文が多く、オーダーしても納品まで2年かかるという。セッションなどでは、盗難や破損の心配があるので良質な楽器を使うのを止めて、安価な楽器や、店の備え付けの楽器を使う人も多い。ミュージシャンにとって、環境は悪化しているように感じる。

 
 以下は、ウィキペディアより「フェルナンデス」の記事の一部を引用。
『1999年1月期には年間売上高40億円に達していたものの、その後中古市場の台頭や競争激化によって業績が悪化。巻き返しを目指すも、2022年1月期は売上高が1億6608万円まで落ち込み、2414万円の最終赤字を計上した。さらに直接の資本関係は無いものの、西日本地区の代理店として関係が深かった大阪フェルナンデスも、2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う音楽活動規制が元で製品需要が減少したことで債務超過に陥り、2023年に大阪地方裁判所に自己破産を申請、同年4月に破産開始決定を受けていた。こうした事から当社の信用も低下、事業継続も困難となり、2024年7月11日までに事業を停止、弁護士に破産手続きを一任した旨を本社に掲示した。負債総額は2024年1月期決算時点で4億3389万円にのぼる。』

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ギターヘッド装着用タイに結束バンド

2024年07月09日 | ギター
 昨(2023)年、腰を痛めたりして、ギターを弾いていても、疲れが腰に出るようになった。そこでストラップを使い、色々と演奏する姿勢を変えて、腰に負担がかからない方法を模索している。

 所有しているほとんどギターのネックヒールにはストラップを付けるためのピンを打ってあるのだが、今はそれを使わずにストラップをギターのヘッドに付けて、高めの椅子に腰かけ、なるべく背筋を伸ばして練習するようにしている。今のところ、これが腰には楽で、疲れを感じたら、こまめに立ち上がったりしている。まあ、加齢のなせるところなのだが、若い頃は畳の部屋で胡坐(あぐら)を組んでギターの練習を長時間したりしていた。今思えば、背骨にかかる負担が大きく、そのツケがたまっていたようにも思える。若い人たちには、楽器に限らずパソコンやスマホなどを操作する時などにも、腰椎・頸椎への負担を考えて日頃から生活してもらいたい。

 さて、ストラップをギターのヘッドに固定する際には紐で巻き付けて縛るのが一般的だが、これは解(ほど)けたりする心配や、結び目が邪魔になったりする。また、マーチンやダダーリオなどでは専用のアイテムも発売されているが、結構高いし、どうもしっくりこない。
 そこで、安くて強度があり、簡単に着脱出来るようなアイテムを探してきた。再利用できる「結束バンド・リピートタイプ」というもの。ネット通販で、10本入り151円、送料230円を含めると381円。なので、1本あたり38円くらい。劣化してきたら早めに換えられる価格だ。


 幅8ミリ程で、長さは25センチのタイプ。耐荷重は約22キログラムあるというので、十分だ。使っているうちに丸まってきた。


 先端部のツメを押すと、固定が解除になり、繰り返し使える。


 わたしは、こんな感じでギターのヘッドにつけている。この位置が、演奏時に最も邪魔にならず、安定する感じ。傷がついたりしないか気になるところだが、ビニールの様な材質なので、今のところは大丈夫そうだ。わたしは、元々あまり傷は気にならないが、細かな傷等を気にする人にはお勧めしない。

 裏側。少し余っているが、気にならない程度だ。ギターのヘッドが小さい場合は、少しカットしても良いだろう。

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ディマジオのPAF

2024年04月23日 | ギター
 少し専門的なギターの話。

 セッションに参加し、他のギタリストの演奏を聞いていて、いつも思うことがある。それは、本来ならもっとまろやかな音がするはずのギターが、エッジの効いたロック向けの音になっている、ということだ。例えばレスポールは、ジャズギタリストのレスポールが考案した、本来は癖のないストレートな音のするギターだ。そんなレスポールも、1970年代にロックのギタリストが大音量で歪ませるような使い方をし、人気を博して以降、完全に当初の音とは別物になっている。それはそれで新たな境地を切り開いたとも言え、必ずしも悪いことではないのだろう。が、本来の音質が失われることは、やはり残念でもある。メロウな音、と言うか、豊かさを感じる音質のギターを使い、聴く人の心に届く演奏をしたい・・と、言うわけで、手持ちのフルアコのピックアップを交換してみることにした。



 3月の千葉バハマでの写真。元々、安く手に入れたメーカー不明のジャズギターで、ピックアップもあまり質の高いものは付いていなかった。安物のサウンドも昔のブルースマンのようで良いのだが、癖が強くコントロールしにくい欠点はある。


 換装したのはディマジオのピックアップで、フロントがDP103、リアがDP223。コロナ前だと1個1万円程だったが、今は5割ほど値上がりしている。カバーは家にあったので、自分でつけて節約。それでも、両方で3万円程の出費。
 ディマジオというと今では歪系のディストーションのイメージが強いが、これは昔のギブソンのPAFに近い温かみのある音質で、出力も抑え気味。セイモア・ダンカンでも、定番といわれるSH-1では、やはりエッジの効いたロック系の音質に聞こえる。ダンカンでオールドパフに近いのはSH-55あたりか、あるいはJAZZの異名があるSH-2という感じ。SH-2は値段も手ごろで、所有しているギターの1本に付けていて、コントロールしやすいピックアップと感じる。
 ついでに言うと、本家ギブソンのピックアップ57クラシックあたりでも、悪くはないが、やはり現代の音楽に合わせてあるように感じる。


 ついでに、古くなっていたポットやジャックを新しいものに交換。音抜けが良くなった。フルアコの宿命でフィードバックしやすく、すなわちハウリングを起こしやすい。が、ブルースセッションでは、全体に音が大きくなりすぎる傾向があり、店の方から注意される事もあるというので、抑制のために丁度良いのではないか。

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アルミのカポタスト

2024年03月05日 | ギター
 最近、SHUBB(シャブ)のカポタストL1を買った。サウンドハウスで2280円。

 アルミ製なので軽くて、装着が楽なので重宝する。便利なものだが、装着時に抑えが甘かったり、ギターの指板のR(丸さ)と抑える面のRがずれていたりすると部分的に音がビったりするので、慣れるまで少し時間がかかる。今では数万円もする高価なカポタストも売られているが、無くしたりする心配があるので実用的ではないだろう。
 現に、2月の小岩でのセッションでは、カポをステージに置き忘れて一時紛失し、探したりするようなことがあった。酔ってテンションが上がった顔見知りのギタリストから「買えよ!」・・などとからかわれ、苦笑い。が、長く愛用しているブラス製のカポだったので、簡単には捨てられないし、今は同型のものは売ってない。それがために新しいタイプのものを買い求めた、というわけでもないが、どんな道具でも使いこなせるようになるまで時間がかかるので、予備を用意して慣れておく必要がある。
 ちなみに、わたしを揶揄したギタリストは、お金持ちです。





関係ないけど、千葉公園の河津桜。3/1(金)、午後にスマホで撮影。

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ギターケーブルの話

2024年01月30日 | ギター
 ギターとアンプをつなぐシールドケーブルが断線してしまったので、やむなく買い換えた。断線したのはEX-PROというメーカーのもので、音質が気に入り30年以上使ってきたので仕方がないが、残念。某カスタムショップの店長に聞いたところ、EX-PROは断線が多く今は生産されていない、とのこと。仕方が無いので、サウンドハウスでいろいろ探して、迷った末に2種類のメーカーのケーブルを買うことにした。

 シールドケーブルも、1メートル数百円の安いものから、数万円もする高価なものまで様々だ。値段が高ければ良いとも言えないだろう。が、音の通り道になるし、演奏中に断線して音が出なくなるようなことがあっては困るので、信頼のおけるものを使いたい。音質的にも、ケーブルによって、違いがかなり出る。
 また、特にライブ演奏に使う場合は、ねじれたり、時には踏みつけられたりすることもあるので、耐久性も求められる。なので、安易に安価なもので済ませようとすると後悔しかねない。とは言え、予算が限られているので、ライブに使うのに適した5メートル程度のものを5千円前後で探した。

 今回買ったのは、下の2種類。

 右の白い方がアーニーボール製 #6047で、長さは20フィート(実測で約6.2M)。「デュアルコンダクター」と言うらしいが、アース被膜に覆われたホットとコールドの2芯構造になっており、マイクなどに使うバランスケーブルに近い作りになっている。その分線が太くなっているが、ノイズが少なく、低音から中域の抜けが良く、暖かみのある音質になっている。わたしは5000円程で買ったのだが、最近、少し値下げされて4000円程で販売されている。
 左の黒い方が、「プロビデンス」という国産メーカーの5メートルのケーブルF201。こちらは、少し値が張り6000円弱だった。やはりノイズが少なく、全体に引き締まった、明瞭な音質になっている。ピックアップのついたアコースティックギターや、エレキギターでも透き通った音が好みの方にはお勧めできる。

 いずれにしろ、ケーブルにも劣化があり、永遠に使えるわけではない。ライブ等で頻繁に使用するには、ケーブルの状態にも常に注意する必要がある。

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ローズウッドネック

2023年05月23日 | ギター
 画像は、今年1月に入手したESPのスローバー(Throbber)というギター。と言っても、標準的なタイプではなく、オーダーされた特殊な仕様のもの。オーダーした人が、金が足らなくなったのか、あるいはどこか気に入らないところがあったのだろうか。それは分からないが、使いもせずにESPテクニカルハウスで安く委託販売に出したのを、さらに安くしてもらって買ってきた。ミント・コンディション(ほば未使用な状態)だった。


 トップはハワイアンコア、バックはマホガニー。ホロウ構造になっていて、2.8キロほどで軽い。購入時はフロントにもピックアップが付いていたが、指が当たるので外した。ピックガードは、自分で切って貼ったもの。ピックアップは、すでに2/9のこのブログで紹介したセイモア・ダンカンの「SHPR-1 P-Rails」。リアのみのシンプルなセッティングになっている。


 見ての通り、ローズウッドの指板・ネックで、セットネックになっている。今まで所有してきたギターのネック材は、メイプルかマホガニーで、ローズウッドのネックは使ったことがなかった。もっとも、ローズウッド自体が高価で、それをネック材に使っているギターは少ない。フェンダーでオールローズのテレキャスターが出ていたが、今では高価で入手困難だ。
 ネックの材質には今まで選択の余地が少なかったこともあり、あまり気にかけていなかった。メイプルは堅めだが強度があり安定している、マホガニーは柔らかいが手触りが良く手になじみやすい、と漠然と感じていた程度。今回、初めてローズのネックを使ってみて、「手に馴染みやすく、安定したすぐれた材」と感じた。もっとも、一口にローズウッドと言っても、品質にばらつきがあるだろうし、組み込みの精度にも技術的な差はあるだろう。その点では、このギターは材も木工技術も質の高いものを感じる。

 このところギターの価格が異常に高騰しているが、楽器そのものの価値ではなく、ブランドや有名プレーヤーのモデルなど付加価値で値段が上がっているように感じる。若いギタリスト、特にライブ演奏などを目指すプレーヤーには、見た目や名前に左右されることなく、チューニングの狂いが少ない安定したギターを選択して欲しい。ライブをしていると、外気と室内の温度差などギターに負荷がかかることが多く、それに十分耐えられる楽器が必要になる、と感じることが多い。

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ギター弦、高騰中

2023年05月09日 | ギター
 昨年から、主に輸入品のギター弦が高騰している。


 いつも使っているダダーリオのこのエレキギター弦(EXL115 XL Nickel Round Wound Blues / Jazz Rock)が、今サウンドハウスで税込1080円。


 こちらは、同じくダダーリオのアコースティック弦(EJ26 Phosphor Bronze Wound Custom Light)で、やはりサウンドハウスで税込1040円。

 両方ともコロナ前の安い時にはは600円ほどだったので、感覚的には倍近くに感じる。しかも、一部の商品では販売を停止している。この先も、値段が落ち着くようには感じられないし、安定して入荷するか不安だ。もっとも、ブルース系のギタリストは、わたしを含めてあまり弦交換しない人が多い。というのも、真新しい弦は必要以上に高音が出るので、張り替え直後よりも、しばらく使い込んでからの方がスライドした時などに耳障りな音が出なくなってくる、というわけだ。それでも、消耗品が値上がりするのは、つらいものがある。
 一部のパーツ類も入荷が止まっているし、これからは、必要なものがいつでも手に入る、と楽観するのは止めた方がよいようだ。




 わたしの好きな狂歌に「江戸っ子は五月の鯉の吹流し 口先ばかりで はらわたは無し」というのがある。が、ここは千葉公園なのだった。5/6午後、スマホで撮影。

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SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) SHPR-1 P-Rails

2023年02月09日 | ギター
 エレキギターのパーツ(ピックアップ)の話。少し専門的な用語が多くなるが、解説していると大変なので、そこはお許し願いたい。



 最近、入手したピックアップでセイモアダンカンの「SHPR-1 P-Rails」というもの。

 わたしのようにアコースティックギターから入った者が、エレキギターを手にした時に戸惑うことがある。それは、アンプから出る音の立ち上がりが、生の楽器とは異なることだ。ピックアップが、シングルコイルでは早すぎるし、ハムバッカーでは遅い。もちろん、ほんのわずかの違いで、時間的には計測出来ないくらいの差だろうが、感覚的にはけっこう差異を感じる。なので、弾きこなせるようになるまで時間がかかったりする。
 そこで、シングルコイル・ピックアップとハムバッカーの中間的なものとしてP-90という選択がある。構造的には原初的で、ハムバッカーの片方を使うようなもの。なので、単純な作りになり、素朴でアコースティックに近い音質になる。ただ、ノイズをキャンセル出来ない事と、低音域が不足気味なのが欠点とも言える。
 この弱点を克服するために、ダンカンなどはP-100という縦にスタックになったピックアップを出している。わたしは、使ったことはないが、あまり評判は良くなかったようだ。今回紹介するP-Railsは、大きさはハムバッカーとほぼ同じで、普通のエスカッションに取り付け出来る。写真上方に見えている、ブレード型のピックアップ(Rail)がハムバッキングするためのコイルになり、タップで出力し普通のP-90近い音もだせる。
 さて肝心の音質だが、ハムバッキングに配線した状態では、P-90に比べると高音がやや落ちるが、低音は豊かでノイズもキャンセル出来ている。直流抵抗値は18KΩ程あり、高出力だ。そして、音の立ち上がりもアコースティックギターに近く、馴染みやすい。

 というわけで、わたし好みのピックアップだが、エレキギターらしい音を求める人には物足りないものがあるかもしれない。あくまで、プレーヤーの選択になる。

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テレキャスター・シンラインの現在

2022年02月17日 | ギター
 何故かはわからないが、テレキャスター・シンラインに関する記事の閲覧数が非常に多い。それだけ、人気のあるギターということなのだろうか。というわけで、それに関する今をまとめてみた。


 2018年暮れに買ったフェンダージャパンの中古テレキャスター・シンライン。ほぼ未使用でイシバシ楽器で85000円ほどだったが、自分で改造して今に至っている。


 当初は、リア(ブリッジ側)ピックアップに、ダンカンのSTK-2という縦にコイルがスタックになっているハムバッカーをつけていた。その後、リアのピックアップを外してフロント側のリンディ・フレーリンP90 のみで使っていた時期もあったが、今はディマジオのDP173をつけてある。ダンカンのSTK-2は、ノイズはある程度キャンセルするが、音質的にどっちつかず。元々付いていたフェンダーのリアPUは、というと、これは換装時に断線してしまった。なので、適当なものを選んで購入したのだが、これが思った以上に良かった。テレキャスターのリアらしいハイトーンよりも落ち着いた音で、個人的には好みの音質だ。ブリッジも、一時6連のものにしていたが、今はオリジナルの3連に戻してある。6連の方が細かいオクターブ調整が出来るのでピッチは当然正確になるが、両方使ってみた感じでは、3連の方が音抜けは良い気がする。ブリッジだけで3万円程もするパーツも売られているが、そこにこだわる人の気持ちが分かるような気もする。切替スイッチはフェンダー純正の3連、コンデンサーはP90 向きの0.033㎌オイルコンデンサーに換装。音質は、ギブソンのES335などに近いエアー感があり、全体に暖かみのあるセミアコサウンドになっている。ただピックアップの構造上、多少ノイズを拾いやすいことが欠点といえばいえる。それさえ気にしなければ、安い買い物だったと感じている。



 こちらは、買ったときの状態(詳しくはこちら)。ピックアップは、フェンダーのものが3個ついていた。標準的なテレキャスターのフロントにハムバッカーを付け加えた感じ。材はアッシュで、トップ側を裏からくり抜く様な感じで削り出し、バックを貼ってある。2000年頃にダイナ楽器で製造された個体らしい。PUの取り付け穴は、俗に「弁当箱」と言っているが、大きな空洞(キャビティ―)になっている。なので、全てのピックアップやピックガードを外した後、適当な場所にP90を換装し、薄いアクリル板を自分で切りガードを作って両面テープで貼った。


 2019年12月のライブでの写真。この時は、フロントのリンディ・フレーリンP90だけ付いている状態で演奏した。切り替えスイッチを使わない分音の抜けが良くなる。意外と知られていないが、スウィッチによる音質の劣化、あるいはガリが出るなどのトラブルも少なくない。もっとも、ピックアップ自体のトラブルが無いこともない。極端な話、演奏中にピックアップの断線に見舞われる可能性もゼロではない。そんな時、複数ピックアップが付いていれば切り替えて助かることもあるわけだ。まあ、電気楽器全体の宿命とも言えるトラブルにプレーヤーは常に留意しておく必要がある、と言うことになる。大きなステージをこなすレベルの演奏家は、スウィッチ系統のメンテナンスを欠かさないものだ。
 

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「Blues Special」ピックアップ変更

2020年01月03日 | ギター
 去年の秋に、7980円で買った「Blues Special」と命名したES-175タイプのギター。ピックアップを元から付いていたものを外し、フロントだけにジョー・バーデンを付けていた。余談だが、ギブソンのES-175はスケールが俗に言う「ギブソン スケール」で24.75インチ、このギターはロングスケールで25.5インチになっている。



 暫く使ってみたが、この状態だと6弦のG辺りでかなりフィードバックを起こしやすいことがわかった。ジョー・バーデンのピックアップは、少しトレブリーだが、ノイズがほとんど出ないので、一人で弾き語りなどをやるときには適しているものだった。しかしピックアップ自体が軽いためか、ホロウボディのギターに付けると、フィードバックを起こしやすい傾向にあるようだ。あるいは、このギターの特性というか弱点なのかもしれない。B・Bキングのモデルである、ギブソンの「ルシール」は、セミアコ構造だが、Fホールが無い。これは、フィードバックを防ぐ対策ともいわれている。レスポールがソリッドのギターにこだわったのもその辺りに原因があるのかもしれない。

 と、いうわけで、ピックアップを取りあえず元から付いていたものに戻すことにした。



 元々は、カヴァーが付いていなかったが、サウンドハウスでサイズの合う安い物を探して購入し装着した。この方が、指に引っかからず弾きやすい。ハムバッカーの割には少しノイズが多いかな、と感じるが、音質は悪くない。フィードバックにつては、今度は6弦のA辺りにピ-クが移ったようだ。が、交換前に比べ多少の減衰効果はあるように感じる。高品質のピックアップでは、カヴァーとピックアップ本体の隙間にワックスを浸潤させてフィードバックを防いでいるものもあるが、個人的にはそこまでの大音量で音を出すことも、無いだろう、と感じている。


 これが、購入時の写真。

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Duo Strap

2019年12月24日 | ギター
 デュオ・ストラップ(Duo Strap)というものを買った。


 要は「二本掛け」のストラップ。輪の中に頭を入れて、両肩に楽器の重みを分散させる為に考案されたストラップだ。下は、メーカーの説明書の写真。サウンドハウスで、8000円ほど。



 主に、ベース用として開発されたものだが、ギターにも使える。レスポールやセミアコギターに使うときは、ネック側のピンに2本掛けて使う。その際、全体の長さが足りなくなるので、「テンションストラップ」というものを別売で買って使用することになる。アイデアとしては、かなりなものだが、なかなか体にフィットしてくれないし、ストラップ自体も結構重い。使っているうちに馴染んでくる、ということもあるので、いろいろと使い方を工夫して自分に合う方法を模索してみるつもりだ。


 しかし基本的には、適度な運動で体を丈夫にして、多少重いギターでも普通のストラップで2時間くらい余裕で演奏できる体力を作ることを目指したい。まあ、加齢とともに体力が衰えていくのは避けられない。が、エレキギターはある程度重さがないと音の明瞭さが失われてしまうので、軽いギターを使うのは自分の体力を考えつつ、出来れば少しでも先送りにしたい。

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テレキャスターシンライン改造

2019年12月06日 | ギター
 改造というほどではないが、テレキャスターシンラインのリア・ピックアップを外してみた。このギターでは、もともとブリッジ側のピックアップはほとんど使わないし、このところ長い時間弾いていると首が痛くなったりして軽量化したいこともあり、試しに外してみることにした。当然、切り替えスイッチも外している。計量してみると、2.9キロから2.7キロになっただけだった。しかし、例えばハイキングになどに行って長時間歩くときに、背負った荷物の中に250㎖の小さなペットボトル飲料が有るのと無いのでは、けっこう違うものだ。結局のところ、歳ですがね。若い頃は、ギターの重さなんて気にしたことなかったもんね。





 ピックアップと切り替えスイッチのところは、穴がいている状態になるので金属の薄いテープを張ってみた。もうひとつの改善点は、ボディを軽量化するとヘッド側が下がりやすくなる、いわゆる「ヘッド落ち」状態になるので、ストラップをかけるピンを工夫して、すこし長くしてみた。これによりバランスが取れ、かなり弾きやすくなった。ただし、これはよほどしっかりした長いネジを使わないとだめだし、レスポールのような重いギターでやるとネジが外れたりする危険があるので、薦めることは出来ない。どうしてもやる場合は、あくまで自己責任でやること。


 意外に知られていないことだが、切り替えスイッチによる音質の低下や、トラブルもけっこうある。具体的には、切り替え時にガリが入ったり、接触不良を起こしてしまうことだ。この場合は、2000番位のサンドペーパーを使って接点を磨き、接点復活材をつけたりしてみると、改善することも多い。が、自信のない人は、やはりリペアに出すのが無難なところ。また、スイッチそのものが音質に与える影響もある。経験的に、スウィッチを交換したら音抜けが良くなった、ということもあった。スイッチそのものが付いていなければ、トラブルの心配もないわけだ。今付いているピックアップは、リンディ・フレーリンのP-90。ホットラインをヴォリュームポットに直につけたので、心なしか高音の抜けがよくなり、音質が向上した気がする。

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ES-175のようなものーさらにその後

2019年10月18日 | ギター
 先月、税込7980円で買ったES-175タイプのギター、パーツの交換等リペア作業が終わり音が出る状態になった。


 こちらが購入時の写真。


 改良後の写真。ピック・アップ交換、ピック・ガード取り付け、ナットの削り直し、ブリッジの調整、配線交換、などを施した。すべての作業は自分でやり、ほとんどのパーツを家にあったもので済ませた。

 当初は、元のピック・アップをそのまま使うつもりだったが、いろいろ調整しているうちにボディがしっかり鳴ることを感じて、使わずに所蔵していたジョー・バーデンのPUを載せてみたくなった。ピック・アップはフロントだけでにして、ヴォリュームとトーンだけのシンプルな構成にした。切り換えスウィッチの穴はテープでふさいである。また、リアPUの取り付け穴はアクリル板で塞ぎ、ワンポイントにイニシャルを入れてみた。

 ギター本体も名前がないとかわいそうなので「Blues Special」と命名。

 ジョー・バーデンのPUは、ノイズが少なくアコースティックな感じのする良いものだが、ギター本体の鳴りをそのまま拾うので良くも悪くもギターの品質がそのまま出てしまう。載せるギター次第、というわけで、逆にいえばギターを選ぶピックアップ、とも云える。さらにバーポールピースの特質として、高音の出方に少し癖があり、トーンをうまく調整する必要もある。ともあれ、しばらくはこのセットで使ってみるつもりだ。

 なにしろ安かったので、日々のスケール練習用になればそれで十分、使っているうちに不具合が生じて修理に出すようなら処分しても良い、と、買った時は考えていた。専門の修理工房に出せば、本体の価格より修理費用の方が高くなるのは必至なのだ。が、しっかり調整して質の高いPUを載せたら、ライブや録音などでも十分に使えるギターになった。ちょっと大げさだが、まるで天から降ってきたようなギターだ。安く、ほとんどタダと言ってもいい値段で手に入ったが、他のギターと同じく大切に扱うことにしたい。

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ES-175のようなものーその後

2019年10月04日 | ギター
 前回の続きで、先月買ったES-175タイプのギターのはなし。その後の、リペア―状況。


 サーキットを外したところ。ボディ内部には、かなりホコリが溜まっており、きれいに掃除した。ホコリの溜まり具合から見て、制作されてから相当な歳月が経過しているように感じられた。おそらく、15年以上は経っているのではないだろうか。


 ナットの拡大写真。溝を掘る形で角度が付けられている。これでは、音が明瞭に出ない。ナットそのものを削り、弦の太さに合わせて溝を削り直す必要がある。


 ヴォリュームポットから切り替えスウィッチへの配線。普通のコードが使われているが、ここには本来、アースに繋がれた皮膜でカヴァーされたシールド・コードを使わなければならないところだ。これでは、ノイズを拾うアンテナになってしまう。ホロウボディの配線に不慣れな人がやったとしか思えないが、ハンダ付けはきれいに仕上がっている。そこが、不思議なところでもある。


 ピックアップは、メーカー名の刻印などは無かったが、けっこうしっかりと作られている。なので、カヴァーをつけてそのまま利用することにした。その他、リペアに必要なシールド・コードなどをサウンド・ハウスに注文して送ってもらったので、来週あたり組み込みをして、パーツの調整をしたい。

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